家電製品ミニレビュー
パナソニック「ツインエクス ES4815P」
~ウェットシェービングもできる乾電池駆動シェーバー
by 伊達 浩二(2013/5/7 00:00)
乾電池で使えるシェーバーを買い換える
私は普段からT字カミソリでヒゲを剃っているので、T字カミソリには慣れているつもりだが、それでも旅行先のホテルに備え付けのディスポーザブル(使い捨て)のT字カミソリでヒゲを剃るのは難しい。
何度か肌を切ってしまったことがあるので、どうしてもホテル備え付けのT字カミソリでヒゲを剃らなければならないときは、目立つところだけササッと剃って終わりにしてしまうことが多い。怪我をしないことが最優先だ。
こういういい加減な剃り方だと、人前に出られる状態を保つことが難しいので、2泊以上の出張のときは、乾電池で動くシェーバー(電気カミソリ)を持っていくことにしている。充電式にしないのは、充電器を持ち歩くのが面倒なのと、乾電池ならどこでも手に入るからだ。
ここ数年は、ブラウンの「モバイルシェイブ M-90」を使っていたのだが、いつの間にか外刃を欠いてしまったので、買い直すことにした。M-90はとても良い機械なのだが、外刃も内刃も替刃が用意されていない。この場合、丸ごと買い直すしかないのだ。
実は、M-90の前も、ブラウンの「ポケットシェーバー」という製品を使っていて、替刃がないために、M-90に買い換えた記憶がある。
そういうことが2回あったので、今回は替刃が用意されている製品にした。パナソニックの「ツインエクス ES4815P」(以下ツインエクス)という製品だ。
メーカー名 | パナソニック |
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製品名 | ツインエクス ES4815P |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 2,827円 |
ツインエクスの実売価格は、だいたい3,000円ぐらいだ。乾電池式シェーバーは500円ぐらいからあるので、一番高い部類に入る。
それでも、この機種にした理由は3つある。
・2枚刃式で、肌への負担が少なそうなこと
・防水構造で水洗い掃除ができること
・石鹸を使ったウェットシェービングに対応していること
廉価な乾電池式シェーバーでは、1枚刃や回転式が主流で、2枚刃の製品は珍しい。パナソニックの上位機種であるラムダッシュの5枚刃には及ばないが、多少は肌への負担が軽くと思ったのだ。
また、水洗いできることは重要だ。とくに、毎日使うわけではない場合は、使う前や使った後に洗えるのは気持ちが良い。ウェットシェービングも、ホテルでシャワーを浴びながらヒゲが剃れるのは便利だろう。
安定感のある使い心地
到着したツインエクスのパッケージは、最近はやりの製品が見えるブリスター型ではなく、小さめの紙箱だった。店頭では吊り下げ展示もできるようにタブが付いている。箱の背面は、2枚刃についての説明があり「肌に密着、剃り残しを防ぐ 独立フロート2枚刃」とある。実際に、外刃を押してみると、1つずつ動くのがわかる。
また、「ツインバランス機構」として、内刃を振動方向を逆にすることで、振動を打ち消し合い、当社1枚刃と比べて約1/3の低振動を実現したと説明されている。単純に刃を2枚にしているだけではなく、いろいろ工夫しているのだ。
乾電池は付属していないので、別途用意する必要がある。使用する乾電池は「単三形アルカリ乾電池2本」と明記されている。取扱説明書にも「充電式電池は使用しないようにと書かれている。
本体は、エルゴカーブデザインと称する曲線の多いもので、なんとなく懐かしいようなデザインだ。持った時に手になじむ。実測した重さは、乾電池抜きで102g、乾電池込みの148gだった。そこそこ軽いのだが、重心が低いせいか手に持ったときには軽すぎると感じることはなかった。
エルゴカーブデザインの欠点としては、本体を立てたときの底面積が小さくなっていることで、ちょっと倒れやすい。もうちょっと広く、倒れにくくして欲しかった。
電源スイッチは、本体中央にある大きなスライド式だ。真ん中にロックスイッチがあり、これを押しながらでないと、スイッチがONにならない。誤動作を防ぐための構造だ。OFFに戻すときは、ロックスイッチを押す必要はない。スイッチは、ON/OFFだけで強弱の調整はない。
さっそく、剃ってみる。本体を垂直にして、ヒゲの生えている方向とは逆の逆剃りで、ゆっくりと滑らせる。シェーバーは、本体を肌に押し付けないようにするのがコツだ。
乾電池式なので、パワーが心配だったが、私の太く硬いヒゲでもバリバリ剃っている。また、肌への荷重が少ないようで、肌を圧迫する感じはない。
音は「ヴィーッ」という感じの軽い音で、それなりに大きい。これに刃にヒゲが当たるバリバリという音も加わるので、割りと賑やかだ。音の大きさの割には、振動は少ないと感じた。ツインバランス機構の効果だろう。
全体に、不安を感じさせる要素がなく、安心して使える。
ウェットシェービングも楽しい
ウェットシェービングは、泡状シェービングフォームの使用が推奨されている。クリーム状のシェービング剤は、目詰まりの原因になるという。今回は、家庭にある化粧石鹸を泡立てて使ってみた。
コツは、通常の髭剃り(ドライシェービング)よりも、さらに軽く肌に当てることだという。できるだけ滑らせるように動かしてみると、なんとか剃れたようだ。T字カミソリでウェットシェービングするときのような、“剃った!”という感じではないが、肌への負担は軽い。また、泡をお湯で洗い流した時の爽快感は、ドライシェービングでは得られないものだ。
使用後は、刃と本体をよく水洗いすることが推奨されている。とりあえず、サッと流すだけでも気持ちが良い。
本格的に刃を洗うときは、ハンドソープなどを使って泡立てて洗うことが推奨されている。シェーバーの刃は、肌の脂やニオイがつきやすいものだけに洗うとさっぱりして気持ちが良い。付属のブラシで掃除するよりも、お湯で洗ってしまうほうが手間もかからない。
外刃と内刃を替えると、新品の本体が買える
ツインエクスは、乾電池式とか廉価な製品ということをあまり意識せずに、普通に使える製品だ。ここが凄いでしょう、という迫力はないが、何も不安を感じずに使える。使っていると、「シェーバーなんて、これで良いのだ」と思ってしまう。それだけ、シェーバーの基本機能に忠実で、まっとうな製品だということだろう。
最後に、この製品に決めた理由の1つである替刃について書いておこう。
ツインエクス用の替刃の型番は、 内刃が「ES9852」、外刃が「ES9857」という製品だ。交換頻度は、内刃が2年ごと、外刃が1年ごとが推奨されている。
それぞれの希望小売価格は2,205円と2,520円で、Amazonの販売価格でも1,345円と1,591円する。両方を購入すると、ほとんど本体価格と変わらない。だから、両方を交換するぐらいなら、本体を買い換えてしまったほうが良いという考え方もある。同じぐらいの金額で、内刃も外刃も本体も新品になるのだから。
でも、私は、外刃が欠けたら外刃を買い換えたいし、切れ味が悪くなったら内刃を買い換えるほうが好きだ。地球資源とかエコとかいう理念ではなく、そっちのほうが、自分の好みのスタイルだというだけである。
交換用の替刃を用意するということは、単にモノをつくるだけではなく、パッケージングや在庫の管理、部品の流通など、メーカーにとって負担が大きいのは、素人でも想像がつく。
しかし、それを負担し、廉価なシェーバーについても、交換部品を準備しているパナソニックには共感するし、ありがたいと思う。また、シェーバー本体や、外刃のカバーに替刃の製品型番を書いているのも良いと思う。取扱説明書がなくても、すぐに替刃の型番がわかるのは便利だ。なにより、壊れた部品だけを交換して、できるだけ長く使って欲しいという気持ちが伝わってくる。
とりあえず、今回購入したツインエクスは、内刃の切れ味が悪くなる2年先を目指して使い続けるつもりだ。