家電製品ミニレビュー
富士通ゼネラル「PLAZION DAS-303B」
~ペットはもちろん、トイレ、キッチンなど家中で活躍する脱臭機
by 神原サリー(2012/12/20 00:00)
寒くて締め切りがちな冬の季節、何となく気になるのが部屋にこもったニオイ。空気清浄機にも脱臭機能はあるが、“脱臭”をメインにした「脱臭機」なら、さらに心強い。
ということで、今回試してみたのは富士通ゼネラルの加湿脱臭機「PLAZION(プラズィオン) DAS-303B」だ。金属酸化触媒ハニカムフィルターとヒーターユニットでニオイを吸着・分解し、それでもわずかに残ったニオイは本体内のオゾンユニット(低濃度オゾン+金属酸化触媒)で脱臭、プラズマイオンと低濃度オゾンの放出でカーテンなどに付着したニオイも脱臭するという「トリプル脱臭」で、スピーディにニオイを取り去るという。加湿機能も備えているので、乾燥対策も同時に行なえる。
メーカー | 富士通ゼネラル |
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製品名 | PLAZION DAS-303B |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 23,420円 |
また、今年から新たにラインナップに追加したコンパクトタイプの「DAS-15B」と、ペット専用モデルの「HDS-150B」も試してみた。174×178×282mm(幅×奥行き×高さ)とかなり小さいのに10畳まで対応するという。いずれも加湿機能は備えていない。
ペットのニオイも気にならないパワフル脱臭
わが家では今年11歳になるラブラドール・レトリーバーを飼っており、リビングの一画にハウス(寝床)を作っている。だいぶ年をとってきて寒がりなこともあり、冬の間はペット用のテントを用意して、その中に寝ている。犬を飼っている人なら分かると思うが、長年、一緒に暮らしているとそんなにペットのニオイというのは気にならないもの。とはいえ、テントを作る季節になると、やっぱりニオイがこもってしまい、近くに行くと気になる。そこで加湿脱臭機「DAS-303B」をハウスのすぐ近くに設置することにした。
加湿脱臭機「PLAZION」が昨年モデルと大きく変わったのは、これまで背面から吸い込んでいたのを、前面の上下左右4方向からの吸引構造にしたこと。そのため、背面を壁にぴたりとつけて設置できるようになり、使い勝手がよい。資料によると、床上の空気の吸引力も高まっているという。脱臭の対応畳数は20畳とリビングでも十分対応できる能力がありながら、本体サイズは300×276×446mm(幅×奥行き×高さ)で、一般的な加湿空気清浄機と比べてもコンパクトだ。
本体天面の操作パネルも大きくて見やすい。まずは「脱臭」モードで風量を自動にセットして運転してみた。強にすると大風量となり音も気になるが、自動モードの場合にはたいして音は気にならない。運転開始してすぐにニオイが消えるわけではないが、しばらく運転しているうちに、ハウス周辺のニオイが薄らいできたようだ。家族が帰宅し、リビングがにぎやかになって、愛犬がPLAZIONの前を行なったり来たり、時には跳ねまわったりしているとセンサーが反応して風量が大きく、運転音も大きくなり「あ、活躍しているな」とわかる。
脱臭機という名称だが、プレフィルター、集じんフィルターを備えた「空気清浄機」でもあるので、ハウス周辺の犬の抜け毛やホコリなども集じんしてくれるのもありがたい。
ニオイの強さに合わせて自動運転より少ない風量に抑え、表示ランプの明るさも抑えることで、25%の省エネ運転になる「ecoモード」も備えている。リビングに設置しているので表示ランプの明るさもそんなには気にならないが、夜間にのみ、この「ecoモード」で運転することにした。
加湿機能で乾燥対策もバッチリ
DAS-303Bには加湿機能も搭載されている。加湿用の水タンクは本体サイドのカバーを外して取り外す仕組みだ。薄型の水タンクで持ち運びしやすく、キッチンシンクで水を入れる際にも、蛇口にぶつからない高さになっている。
タンクの容量は約2.6Lで、加湿能力は500mL/hと高い。加湿時には「加湿・脱臭」モードを選択、風量と加湿量は自動、弱、強から選べるようになっている。温・湿度センサーが内蔵されており、自動運転時には室温に合わせて室温22℃未満では目標湿度60%、室温22~24℃未満では目標湿度50%、室温24℃以上では目標湿度40%でコントロールしてくれる仕組みだ。
わが家では暖房時にも22℃を超えることはないので、常時60%を目標にせっせと加湿をしてくれている。愛犬にとってもたぶん湿度が低すぎるよりは適切な加湿を行なったほうが体調管理の面でもいいに違いない。
衣類の消臭や鍋料理、キッチンでも活躍!
いつもは愛犬のニオイ対策として使っているDAS-303Bだが、そのほかにも便利な使い方がある。たとえば、忘年会や飲み会などで焼肉屋さんに行き、背広に染み付いてしまったニオイなども、DAS-303Bの真上に衣類を吊るし、ルーバーを真上に向けた後で、「プラズマイオン強」にして「急速1時間」運転をさせると大風量で衣類に向かって風が吹き出し、見事に焼肉のニオイを消してくれる。冬でも案外、汗をかくものだが、たびたびクリーニングに出すわけにもいかない衣類の消臭に役立ちそうだ。
また、窓を閉め切ったままで鍋料理をした時にも、いつまでも部屋にニオイがこもらず威力を発揮。キムチ鍋のようにニオイの強い鍋の時でも、PLAZIONを少し移動させてダイニングテーブルのほうに向けておくと、みるみるうちにニオイが消えていったのにはびっくりした。そのほか、キッチンのグリルで魚を焼いたり、焼き豚を作ったりといった時にも、換気扇と併用すると快適さが断然違う。
ただし、加湿用の水タンクに水が入っているとどうしても重くなってしまい、持ち運びには不向きだなと感じた。そうしたこともあって2012年モデルでは、コンパクトで持ち運びにも便利な脱臭専用タイプが同時に発売されたのだろう。
1日1回のオートクリーン機能で脱臭機能を再生、お手入れも簡単
いろいろと便利なPLAZIONだがお手入れはどうだろう。メインとなる脱臭機能については、「脱臭フィルターオートクリーン」機能が搭載されているため、自分で何らかのお手入れをする必要はない。これは、独自のヒーターユニットの搭載で、脱臭フィルターを累積運転時間約22.5時間ごとに1.5時間加熱して脱臭性能を再生させるというもの。一般の空気清浄機に搭載されている脱臭フィルターのように、交換したり、水洗いしたりという手間はいらない。
その代わり、この「脱臭フィルターオートクリーン」機能運転中の1.5時間の間は、かすかに独特なニオイがすること、いわゆる“脱臭機能”はストップしてしまうので、就寝中などにこの機能が働くように上手にサイクルを考えるとよいだろう。
集じん機能部分には1カ月に1回程度のお手入れが必要になる。とはいえ、前面のパネルを外し、プレフィルターと集じんフィルターについた汚れを掃除機で吸い込むだけなので面倒ではない。わが家の場合、愛犬のそばに置いてあるので、短期間でもけっこうな量の犬の毛が付着していていた。使用状況に応じて、たまにチェックをしてみて汚れていたら掃除機で吸い取るといった方法を取るのがよいと思う。
加湿機能部分には抗菌コートされているが、水あかやぬめりの付着を抑えるために、1カ月に1回程度水洗いをするようにしたい。水タンクを外して水トレイ部分を引っ張り出し、加湿フィルターとトレイをそれぞれ洗うだけなのでこちらもそんなに面倒ではない。
コンパクトでも脱臭機能はパワフル
リビング向けの加湿脱臭機DAS-303Bのほかに、今年新たにラインナップに追加されたコンパクトタイプの2機種も試してみた。
メーカー | 富士通ゼネラル |
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製品名 | PLAZION DAS-15B/HDS-150B |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 14,600円 |
プライベート空間向けで、コンパクトで軽い「DAS-15B」と、ペット専用モデルとして開発された「HDS-150B」だ。ペット用のHDS-150Bは、噛みつきによるコードの被害を防げるようにコードを保護するチューブが巻いてあり、ブルーのプレフィルターはダニの死がい・フン、猫や犬の表皮、スギなどのアレル物質に対応するタイプになっている。なお、コンパクトタイプの2機種には加湿機能は搭載されていない。
いずれもコンパクトながらリビング向けの加湿脱臭機「DAS-303B」に搭載されていた「トリプル脱臭」機能を備えており、対応畳数は10畳。脱臭機能を再生する「脱臭フィルターオートクリーン」機能付きだ。吸引は前面の左右と下の3方向から行なうため、壁につけて設置できる。
ペット用のものを加湿脱臭機と置き換え、DAS-15Bをトイレに置いてみたが、脱臭機能については小さいながら威力は抜群。ハウスのそばに置いておく使い方なら、コンパクトタイプでも全く問題ないように感じた。
キッチンで使いたいという時にも、軽いので持ち運びも楽々。10分間急速運転をして自動で停止する「クイック脱臭」ボタンもあるので、トイレを使用した際や急な来客といった場合にも便利に使える。
1台あると活躍する脱臭機、使う場所にあわせて選んで
ペットを飼う人がますます増えていて、いまや3世帯に1世帯の割合で何らかの動物と家族同様に暮らしているという。空気清浄機でもよさそうだが、ニオイ対策を考えるなら、脱臭機能に特化したものを選ぶと満足度が高いのではないだろうか。
リビングには加湿脱臭機を置き、コンパクトタイプはトイレやキッチン、ウォークインクロゼットなどニオイが気になるところに持ち運んで使うという方法もある。加湿機能が必要ない人なら、コンパクトタイプだけでもいいかもしれない。
ワンルームで暮らす人など、大きな空気清浄機や脱臭機などを置く場所がないという場合でも、このコンパクトタイプが1台あると活躍するに違いない。締め切りがちな冬場はもちろんだが、夏に気になるのは生ごみなどのニオイ。一人暮らしの人は、夏でも窓を閉め切って出かけることが多いので、帰宅した際にこうしたニオイが気になるはず。ペットを飼っている人ならなおさらだろう。
加湿機能を備えたリビングタイプから、一人暮らしやペット専用製品まで、選択肢が増えたPLAZION、贈り物にもよさそうだ。