家電製品ミニレビュー
テスコム「フードプロセッサー TK210」
テスコム「フードプロセッサー TK210」 |
フードプロセッサーは、モーターによる刃の回転で、食材を切り刻む調理器具だ。「刻む/おろす/混ぜる」などの作業が手早くでき、調理の下ごしらえに便利である。
しかし、2人暮らしの我が家の場合、本格的なフードプロセッサーだと、アタッチメントが多くて多機能すぎて使いこなせなかったり、大きすぎて使いにくいのではないかという不安があった。
そこで購入したのが、テスコムの「フードプロセッサー TK210」だ。TK210はエントリーモデルとして用意されている製品で、実売価格も3,000以下と安い。コンパクトで、少量調理に適しているという。
メーカー | テスコム |
製品名 | フードプロセッサー TK210 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 2,827円 |
本体サイズは180×161×210㎜(幅×奥行き×高さ)、重さは約1.7㎏。消費電力は320Wとなっている。
パッケージを開けると、ガラス製の「ボトル」とそのフタ、動力源である本体、刃のついた「みじん切りカッター」と「おろし刃」、おろし刃を受けて回転させるための「回転軸」、洗浄用の「お掃除ブラシ」、取扱説明書と、カラー12ページのレシピブックが付属する。
パッケージ | 左から時計回りに、取扱説明書とレシピブック、本体、フタ、ボウル、お掃除ブラシ、両面おろし刃、円盤軸、みじん切りカッター |
みじん切りカッター | おろし板(粗目)面 大根など硬いものをおろすのに適する | おろし板(細か目)面 長芋などやわらかめのものに適する |
本体上部の、グリーンのプッシュスイッチを押して使用する。電源はコンセントで、コードの長さは1m | ボウルは厚手のガラスでしっかりしている | ボウルは片手に乗る大きさ |
■「みじん切りカッター」で玉ねぎのみじん切りを作る
さっそくハンバーグやミートソースなど、洋食メニューには欠かせない「玉ねぎのみじん切り」を作ってみよう。玉ねぎのみじん切りは、包丁ではとにかく手間がかかる作業だ。
TK210ではまず、「みじん切りカッター」をボトルの底の軸にセットする。パチリとはめこむのではなく、軸に刺した状態でコマのように回る。
ここに、2㎝角に切った玉ねぎを入れる。なお、具材は最大300g、中型の玉ねぎ約2個が入るが、今回は玉ねぎ1個を刻むことにした。食材を入れたら、ボトルをフタで覆い、本体をフタにセットし、本体上部のグリーンのスイッチを押す。
スイッチは、押している間だけ作動し、手を離すと止まる。玉ねぎのみじん切りを作る場合、1秒ずつスイッチを入れては止める「間欠プッシュ」という作業を数回繰り返す。こうすることで、まず、ムラのないカットができる。本体からは「ガッガッ」と玉ねぎを粉砕する音が聞こえてくる。
玉ねぎが粗くクラッシュされたところで、次にスイッチを押し続ける「連続プッシュ」を行なう。「ガーッ」と激しい音がして、数秒のうちにどんどん玉ねぎが細かくなっていく。ボトルを押さえた手にはかなりの振動が伝わるが、厚さがしっかりしていて安定もいいので、危ない感じはしない。
玉ねぎのみじん切りを作る。2㎝角程度に切ってみじん切りカッターをセットしたところに入れる | 30秒ほどでこんな感じ |
時間にして30~40秒ほどで、みじん切りが完了した。包丁でやっていたら、もっと時間がかかっていたはずだ。これはいい。なんて楽なんだ。
■玉ねぎたっぷりのドレッシング
TK210にはレシピ集が付属していて、みじん切り玉ねぎを利用したドレッシングのレシピも紹介されている。
分量は、玉ねぎ半個に対し、サラダオイル45cc、酢60cc、しょうゆと塩コショウを少々。これらをボトルに入れて、連続プッシュをすると、「シャーッ」と音がして、あっという間になめらかな液状になる。約20秒ほどで、玉ねぎとオイルと酢は乳化し、なめらかな白いドレッシングに仕上がった。
トマトにたっぷりかけて食べると、生の玉ねぎのフレッシュな香りがしてとてもおいしかった。よりなめらかな味わいがよければ運転時間を長くして、玉ねぎの食感を活かしたければ短くすればいい。加減は手動で調節しやすい。
玉ねぎたっぷりのドレッシングを作ってトマトにかけた |
■玉ねぎとニンジンをみじん切りにしたカレー
TK120を使って、野菜カレーを作ることにした。玉ねぎとニンジンをあらかじめ2㎝角に切り、TK120に入れて、みじん切りカッターでプッシュ運転をする。ニンジンは玉ねぎに比べて硬いが、一緒に刻むことができた。
玉ねぎとにんじんを一度にひいたら、こんな感じ |
これををひき肉と炒めて煮込み、キーマカレーを作った。市販のルーを入れて溶かせば、10分足らずでカレーができた。味もなかなか良くて満足できた。
ひき肉と炒めてカレーを作った |
■ブロック肉を挽いてハンバーグを作る
付属のレシピブックの中でも特に作ってみたかったのが、ハンバーグだ。ひき肉を使わず、ブロック肉を挽いて、玉ねぎ、パンと混ぜて作る。ブロック肉を挽いてひき肉を作るのは、フードプロセッサーだからできる作業だ。
作り方はまず、牛肉200g、玉ねぎ1/4個をそれぞれ2角程度に切り、卵1/2個、食パン8枚切り1枚とともにボウルに入れる。玉ねぎの時と同様、5回ほど「間欠プッシュ」を行ない、次に約40秒、ガーッと「連続プッシュ」する。
1分ほどで、しっかり混ざったハンバーグのたねができる。このたねを手で練って形成し、フライパンで焼いた。
ブロック肉、たまねぎ、パンを一度に入れてハンバーグのたねを作る | 焼き上げたハンバーグ |
赤身の多いブロック肉をひいたため、味はあっさりとしていて、おいしかった。「オイリーな肉汁がジュッ」という感じが好きならば、脂の多い肉を挽いても良いだろう。自分の選んだ肉を挽けるので、市販の挽き肉では、つなぎや保存料などがどれだけ入っているかわからず不安、という方にもオススメできる。
■「おろし刃」を使っておろした、大根おろしととろろおろし
TK210では、大根おろしや長芋のとろろおろしも作れる。付属の「おろし刃」は、用途に応じて「粗目」と「細か目」の裏表を使い分けられ、大根おろしなら粗目、とろろおろしなら細か目が推奨されている。おろし板には、プラスチックの刃がついているので、念のため交換の際には布巾などを使って作業したい。
大根と長芋は、あらかじめ2㎝角に切ってセットし、連続プッシュで1分ほどで仕上がる。
2cm角に大根をカットして入れる | こんな感じ。おろし金でおろしたのと比べて少しシャリシャリしているが、水気が出ないのがいい |
味わいは、どちらも手でおろしたものとは若干食感が異なった。大根は、おろし器を使っておろした時より、ちょっと食感が強くてシャリシャリしたが、しょうゆをかけて、ごはんに乗せて食べれば気にならない程度だ。鋭い刃で一気におろすせいか、手でおろした大根に比べ、水気が出ないのは長所だと思 う。
いっぽう長芋は、空気が入って泡だった感じがした。まずくはないが、しょうゆをかけて食べてもちょっと気になる。そのまま食べるよりも、お好み焼きなどに入れて使うのに向くだろう。
■生クリームでバターを作る
このほか、生クリームからバターも作れる。まず、牛乳から作った動物性の生クリームを用意する。植物性のものでは、バターにはならないので注意したい。
生クリームをボウルに入れて、「みじん切りカッター」を連続プッシュして攪拌する。1分近く経過した頃だろうか、ボトルを押さえていた手がふっと軽くなるような感じがした。フタを開けて様子を見てみると、まさに、ケーキに使うようなホイップクリームの状態になっていた。ちょっと味見してみると、なめらかでおいしい。
もう一度フタをして、さらに混ぜてしばらくすると、なめらかだったクリームが不定型な固まりになって、ボウルの壁にはり付いてくる。これが、分離した状態で、分離した水分を捨てたものが、生の無塩バターだ。
無塩バターをパンにつけて食べてみると、口溶けが早く、濃いミルクの味がしておいしい。バターが無塩なので、パン自体に入っている塩味がはっきりわかる。なんだか新鮮な感覚だった。
生クリームからバターを作る | 分離し始めたところ | 分離した水分をとって、フレッシュバターができた |
■コンパクトでキッチンでかさばらず、時短調理ができるようになった
お手入れはガラスのボウルは普通に水と洗剤で洗うことが推奨されている。油気のない野菜のみを調理したあとは、水ですすぐだけでも良いだろう。カッター類、円盤軸は付属のお掃除ブラシを使って、ぬるま湯で洗う。
本体の動力部は、水で流さずに、ぬれ布巾などで拭く。保管は、カッター類と円盤軸をボトルの中に入れてふたをするオールインワン収納ができるので、部品を見失うことがなく安心だ。
ボウルは水洗いできる | 使わないときは、部品をボトルに入れてオールインワン収納ができる |
安全面も満足している。モーターは、フタを閉じ、上からプッシュスイッチを押している時しか動かない。刻み具合を確認しながら加減できるのも良かった。
気になる点は、ガーッと刻まれた大きめの具材が、ボトルの壁面に貼りついてしまい、粗いまま残ったりすることだ。気になるときには一度運転を止めて、スプーンなどでかき落とせば大丈夫だ。
とはいえ、とにかく調理の下準備にかかる時間を短縮できたのが感動的だった。物は試しと、コンパクトなモデルを買ってみたが、夫婦2人暮らしならこのサイズで十分。どんな食材でも、数十秒から数分でクラッシュしてしまうから快感だ。
また、TK210はコンパクトなので、狭いキッチン周りでも小回りが効くのが嬉しい。片手で持ち運べるから、出し入れもラクだ。
食事の支度時間を短縮し、いつもよりワンランク上のレシピを作りたい方は、是非使ってみてはいかがだろうか。
2012年3月5日 00:00