家電ミニレビュー
公園のベンチを電車のシートに変える? 「まるで電車の座席ヒーター」に座る
2024年11月28日 08:05
ついこの間まで「暑い暑い」と言ってたのに、もう寒い。いきなり寒い。このところの季節は、秋をすっとばして走る快速電車のようです。というわけで、今回試さんとするのは、サンコーの「まるで電車の座席ヒーター」。その名の通り、電車の座席の温かさを再現した座布団型ヒーターで、座面に触れるお尻や太ももだけでなく、ふくらはぎまで温められることが特徴です。
まるで電車の座席ヒーター(長いので以下、座席ヒーター)は、エッヂが立っていて、小型犬用のベッドのようなフォルム。そこに、ふくらはぎに当たる布が垂れ下がっています。
購入前に押さえておくべきは、設置面積でしょう。座席ヒーターの座面外径は、幅が47cm、奥行きが54cmと結構あります。一般的なダイニングチェアの座面は、奥行きが35cmから45cm前後ぐらいなので、手前に余ることが多そうです。
またアーム付きのイスの場合は、横幅が収まることも条件になります。ソファーなら問題はないですが、オフィスチェアだと据わりが悪いでしょうね。
試しに座ってみると、適度なクッション性があり、座面の固いイスでの快適性も向上しそうです。しかも電源はUSBでモバイルバッテリー駆動にも対応しているので、アウトドアでの使用も可能! そこで近所の公園に持参して試すことにしました。
この日の気温は7℃。日曜日の午前中ですが、寒くなってきたせいか、散歩中の高齢者が1人2人いるぐらいで、この前まで多くいた親子連れの姿はありません。冷たいベンチは取り放題で、自転車の前カゴに入れて運んできた座席ヒーターを悠々とセッティングします。
まずは、同梱されているプラスチックの棒3本をふくらはぎに当たる布へとはめ込みます。この棒によって、足を乗せたときに適度にたわみ、しっかりと温かさを感じることができます。
そしてUSBケーブルを持参したモバイルバッテリーに接続すれば自動的に電源オン。
ところで、電車の座席ヒーターは、なぜあんなに熱いのか? 疑問に思った人もいるのではないでしょうか。電車のシート下からふくらはぎをガンガン熱してくるアレの正体は、電気ストーブでおなじみのシーズヒーターです。
通勤電車の天井にあるエアコンは夏場のクーラーにしか使われておらず、座席のヒーターで車内全体を暖めているため、あれほどまでに熱いのです。暖かい空気は上へと上がるので、頻繁にドアが開く通勤電車で天井のエアコンを使うのは非効率なんですね(ドアが開く頻度の少ない新幹線などの列車では暖房もエアコンでまかなっています)。
話を戻して、公園での使用です。設置する前は目立って恥ずかしいのではと思っていましたが、座ってしまえば意外と目立ちません。周囲に人が少なかったので、実際はどうかわかりませんが、知らない人が見たところで「ふーん、座布団を持参したんだ」と思うぐらいでしょう。
温度設定は強で46℃とぬるめの湯たんぽぐらい。電車のヒーターほどカンカンに熱くはなりませんが、ふくらはぎの裏が温まるのはリラックスできて、一種の多幸感もあります。ふくらはぎは全身で一番冷えやすい部位らしく、ふくらはぎが温まることで全身が温まる効果もあるそうです。それがリラックスにもつながっているのでしょう。電車のシートで眠くなりがちなのは、そういう理由だったのか!
これまで冬場に公園のベンチに長時間座っていると、最初に辛くなってくるのがベンチの固さと冷たさ、そして足元の寒さです。座席ヒーターが足元まで温めることで、相当な長時間滞在できそうです。
10,000mAhのモバイルバッテリーでの稼動時間は、強で約5時間、中で約6時間、弱で7時間とのこと。意外に長時間使えますね。
まぁ近所の公園に長時間滞在し続けるのも別の意味で恥ずかしいので、キャンプとか岸壁の釣りとか、冬のアウトドアで使うのがベストかもしれません。あと屋外での行列待ちや、自宅のベランダでまったり過ごすなど、意外にも活用シーンは多いような気もします。