走るライター南井正弘のコレはホントにスグレモノ!
ナイキのロングセラー「エア ズーム ペガサス」が待望のフルモデルチェンジ!
2020年7月30日 08:00
ナイキのペガサスシリーズといえば、1982年に初代モデルが発表されてから継続展開されるランニングカテゴリーのロングセラー。
シーズン毎にモデルチェンジされ、機能性向上を図ってきたが、年によっては足を包むアッパー部分のみの変更で、ミッドソール/アウトソールは前作のままということもある。
だが、今回リリースされた第37弾モデルは、アッパーとミッドソール/アウトソールの両方が変更されたフルモデルチェンジ。それだけに走り心地がどのような感じにアップデートされたかに例年以上に注目が集まる。
メーカー名 | ナイキ |
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製品名 | エア ズーム ペガサス 37 |
実売価格 | 14,300円(税込) |
ナイキのランニングシューズで最も知名度の高いモデルのひとつがペガサスである。
買いやすい価格設定、どちらかというとクセのない走行感を有し、ナイキランニングのラインナップにおいて、ニュートラル(着地時に脚が極端に内側に倒れこまない)ランナーにとって、スタンダードの地位を確立している。
最新モデルは、特に反発性能を重視したエアユニットであるズームエアを内蔵している。
アッパーデザインで目立つのは、ブランドの象徴であるスウッシュがアッパー中央から少し後部寄りに移動され、サイズも若干小さくなったこと。ソールユニットではミッドソール素材が、硬度が高めのクシュロンSTから柔らかいナイキ リアクトに変更。ミッドソールの厚さも増されている。
ランナーに抜群の反発性を与えてくれるズームエアに関しては、前作ではかかとから前足部まで配されたフルレングスだったのが、今回は前足部のみに従来の倍ほどの厚みのあるエアユニットを内蔵しているという。同シリーズにおいて、ここまでの大きな変革は珍しく、履く前から楽しみであった。
まず足を入れてみて感じたのは、フィット感のよさ。シューズ内部の足が接する部分がほとんど段差のない構造となっており、これなら長時間のランでも快適性をキープしてくれるだろう。
シューズの足囲は広くもなく狭くもない。自分の足にはジャストフィットだった。幅広のランナーには今回もワイドタイプが用意されているのも嬉しいところだ。
足長はどちらいうと長めだが、気になるほどではない。実際に走り始めると、「あれ、コレって本当にペガサス?」と頭の中で呟くほど、これまでのペガサスから走行感が変わっている。
第一に挙げられるのはミッドソールが厚くなり、素材もナイキ リアクトに変更されたことから、走行感がソフトになったこと。どちらかいうとペガサスはこれまで感覚的には硬めだったので、これは大きな違いだが、筆者はポジティブに捉えた。ミッドソールが厚くなり、ソフトになったことで安定性が損なわれたということはない。
第二に挙げられるのは前足部のみにズームエアが配されたことによる蹴りだし時の反発性の向上。特にペースを上げた状態だと、この跳ねるような感覚をこれまでよりも堪能できた。日課である6kmランをkm/6分10秒~5分00秒ほどで1回目を、2回目はkm/7分00秒~4分30秒で走ったが、ゆっくりペースから速めのペースまでそつなく対応し、これまでのペガサス同様に汎用性の高さを証明してくれた。
一方で歴代のペガサスは、どちらかというと足裏に、ある程度の接地感を伝えてくれるシューズとして知られていたが、今回の「ナイキ エア ズーム ペガサス 37」では、それは当てはまらない。中級ランナーから上級ランナーでは、この感覚を重要視するランナーは少なくないが、この役割はナイキ ズーム ペガサス ターボ2あたりに譲ったと考えるのがいいかもしれない。
この点と価格が前作より値上げされて14,300円(税込)となったことを残念に思う人はいるかもしれないが、その走りやすさ、ビギナーランナーから中級ランナー以上まで対応する汎用性の高さ、トータルバランスに優れている点など、個人的には今回のモデルチェンジを歓迎したい。