走るライター南井正弘のコレはホントにスグレモノ!

長時間のランニングでも摩擦軽減! サックスのアンダーウェア「キネティックボクサー」

実際に履いて使って走ってから書く、ライターの南井正弘が「コレはホントにスグレモノ!」と太鼓判を押すスポーツアイテムを、毎週レコメンド!

 長時間のランニングの際には快適性に優れたアンダーウェアーは不可欠。着用してキツ過ぎても、緩すぎてもダメで、意外と選ぶのに苦労しているランナーは多い。

 そんなランニング用アンダーウェアの世界で急速に高い評価を獲得しているのが、独自のボールパークポーチと呼ばれる構造を採用したカナダ生まれの「SAXX(サックス)」。その中でもランナーにおすすめなのが「キネティックボクサー」。日本でも正規展開がスタートしたことで、着用者も増えているブランドだ。

SAXX(サックス)のキネティックボクサー
メーカー名SAXX(サックス)
製品名キネティックボクサー
実勢価格5,292円(税込)

 筆者がほぼ毎日走るようになって11年が経過した。この間、気付くことが多々あった。その一つが、ランニングは他のスポーツと比較すると必要な道具は少ないが、だからこそ選択を失敗すると楽しくなくなるということ。

 最も重要なのはシューズだが、ソックスやウェアも大事。そして意外とベテランランナーもケアしていないのがアンダーウェアだ。ショーツにはインナーも付いているタイプも多く、その場合は履かなくてもいいが、インナー無しのショーツやタイツを履く場合には、アンダーウェア選びは重要。まさか布帛のトランクスを履く人はいないだろうが、一般的なブリーフやボクサーブリーフは収まりが悪い。ファンランならいいが、本番のレースには向かない。

 昨今は、ランニング用品売り場に行くと、専用アンダーウェアも売られているが、基本、タイトにピッタリするタイプばかり。普段トランクスを履いているランナーには違和感がありすぎる。そんなときに知ったのが、サックスというブランドの下着。北米で特許を取得しているという革新的なデザイン、「ボールパークポーチ」という3Dハンモックポーチ構造が、ランニング中も睾丸を適切に保持し、メッシュの仕切り構造が肌と肌の摩擦から保護。縫い目を隠すことにより、擦りむけずに快適だという。

ボールパークポーチと名付けられた独自の3Dハンモックポーチ構造。走行中も睾丸を適切に保持し、メッシュの仕切り構造が肌と肌の摩擦から保護してくれる

 実際に履いてみると、キツ過ぎず、緩すぎない絶妙なフィット感。生地の繋ぎ目も、摩擦の無い快適さを実現するために従来の考え方とは逆の、フラットな側、縫い目のより柔らかい側を内部に置き換えたフラットアウトシームスという独自構造で、肌触りがよい。

生地の繋ぎ目は、摩擦の無い快適さを実現するために従来の考え方とは逆の、フラットな側、縫い目のより柔らかい側を内部に置き換えたフラットアウトシームスという独自構造で、肌触りがよくなっている

 日課の6kmランの際中は、今まで履いてきたアンダーウェアよりも快適で、ランの上下動に対して適度なサポート性を提供してくれた。このデザイン以外にもビキニ、ボクサーブリーフほか、豊富なラインアップを取り揃えているため、それぞれの好みでセレクトできるのも嬉しい。

 もちろんランニング以外のスポーツ時や普段着と合わせるのもよいだろう。5,000円を超える価格設定のため、購入できるユーザーは限られると思うが、懐に余裕のあるランナーはぜひトライしてほしい。その優しく包み込むような履き心地に魅了されるはずだ。

南井 正弘

フリーライター、『ランナーズパルス』編集長。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に『スニーカースタイル』『NIKE AIR BOOK』などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間52分00秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。