走るライター南井正弘のコレはホントにスグレモノ!

ナイキがリリースした新フォーム採用の「ナイキ オデッセイ リアクト」の走り心地は!?

<実際に履いて使って走ってから書く、ライターの南井正弘が「コレはホントにスグレモノ!」と太鼓判を押すスポーツアイテムを、毎週レコメンド!

 ナイキが新たに開発したミッドソールテクノロジーである「ナイキ リアクト」。これまで同時に追求することが困難とされていた軽量性、クッション性、反発性、そして耐久性を確保したフォーム素材だ。ランニングシューズではまずナイキ エピック リアクト フライニットに採用され、ランナーにこれまでにないライド感を提供することに成功。そしてナイキ リアクト搭載第2弾モデルとして登場したのが、「ナイキ オデッセイ リアクト」だ。

ナイキ オデッセイ リアクト
メーカー名ナイキ
製品名ナイキ オデッセイ リアクト
実売価格12,960円

 軽量性を求めると耐久性が劣り、衝撃吸収性を追求すると反発性はあまり期待できないというのが、従来のミッドソール素材の常識であったが、ナイキ リアクトは軽量性、クッション性、反発性、そして耐久性を高次元でキープすることに成功。

 昨夏、まずバスケットボールシューズに採用されてバスケットボールプレーヤーから好評を得ると、今春ランニングシューズのナイキ エピック リアクト フライニットにも採用され、そのソフトな走り心地は数多くのランナーから高い支持を受けた。最近になってリリースされた「ナイキ オデッセイ リアクト」は同じくナイキ リアクトを採用したランニングシューズであり、リリース後良好なセールスを記録している。

 まずアッパー部分に注目。ナイキ エピック リアクト フライニットが、その名の通りナイキ フライニットという柔軟で伸縮性に優れた素材を使用しているのに対し、こちらのモデルは軽量なジャガード素材を使用。前足部は通気性を高める構造となっている。

ナイキ エピック リアクト フライニットと異なり、アッパーにはジャガード素材を採用。前足部には通気性を高めた構造となっている。つま先部分はどちらかいうとコンパクトな形状なので、幅広の足のランナーは試履きは必須

 アウトソールに目を移すと、補強ラバー使用面積がナイキ エピック リアクト フライニットよりも大きくなっており、耐久性はこちらのシューズのほうが高そうだ。

 実際に足を入れると、最初に感じるのはフィット感の高さ。伸縮性に優れたブーティ構造のシュータンが足とシューズを高いレベルで一体化してくれるので、ランナーの脚力を効率よく伝えられる。

 走り始めると、ソフトかつ弾けるような反発性は、ナイキ エピック リアクト フライニットと同様。だが、こちらのシューズのほうがタイトなフィット感なので、ペースを上げてもシューズが足にしっかりとついてくる。もちろんkm/6分30秒のようなゆっくりペースで走っても快適なので、幅広いタイプのランナーにマッチしてくれそう。

 筆者はナイキ エピック リアクト フライニットでも定期的に走っているが、前述のようにこちらのモデルのほうがタイトフィットで、速めのペースで走るには向いているだろう。また税込みで12,960円という買いやすい価格設定も嬉しい。

ミッドソールには軽量性、クッション性、反発性、そして耐久性を高次元でキープすることに成功したナイキ リアクトを採用
アウトソールは耐摩耗性の必要な部分にラバーを採用。その面積はナイキ エピック リアクト フライニットよりも大きくなっている

南井 正弘

フリーライター、『ランナーズパルス』編集長。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に『スニーカースタイル』『NIKE AIR BOOK』などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間56分09秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。