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[ダウン症児と私53]年少から年中へ、自分でできることが増えた1年半

幼稚園の先生と、目標設定や課題共有に使ってきた「支援計画」を見返したナナさん。今回は、年少クラスの後半から年中クラス終了までの時期に、ユキトくんができるようになったことを振り返ってみてくれました。苦手だった食事はで、ストローを使って水分が取れるようになり、スプーンやフォークを自分で使えることも増えてきました。少しずつ練習を積み重ねてきたことで、歩くことも上達してきました。

 

自分でスプーンを使えるように頑張る

新しい幼稚園の年少クラスでの最初の半年間で、ユキトは食べ物を噛んだり、水分をスプーンから飲めるようになりました。次の半年の目標として私が考えた「保護者からのニーズ」は、「自分でスプーンを少しでも使えるようになって、水分をコップとストローで飲めるようになる練習を頑張りたい」でした。先生と話し合い、長期目標は「さまざまな事を無理なく試して、できることを探る」となりました。そのうえで、「自分から食事や水の補給を試しましょう」「体をたくさん動かして、立位や高這いなどの姿勢での移動を経験しましょう」「大人とのやり取りを深めましょう」の3つを短期目標にしました。

 

目標へ一歩一歩近づいている、という評価

そして半年後。目標を見直しながら評価してみると、少しずつですが成長が見られていたことが分りました。ユキトはストローを使って牛乳やお茶を少しだけ飲めるようになり、ミカンをフォークで刺そうとすることもありました。その場で立つことも増え、1歩前に出ることも。そして、体操や遊びでは、大人の拍手に合わせて手を叩いたり、先生がおいでをすると、自分から手を出して抱っこを求めたりと、自分から大人に関わろうとする姿が見られるようになりました。

 

年中クラスに上がると、歩くことも目標の1つに

年中クラスでの目標は、引続き年少クラスの後半と同じになりましたが、よりできることを増やすことになりました。苦手だった食事で、だんだんと噛んで食べられるようになったり、ストローが使えるようになってきたこともあり、私からの次の「保護者からのニーズ」としては、「歩けるように頑張りたい」を追加しました。そして先生たちと一緒に頑張った結果、半年後の評価には、「その場で立ち、独歩が10歩ほど見られています。玄関から部屋までは壁などを使い、つたい歩きで移動できました。机の上のおもちゃを取ろうと捕まり立ちをしたり、手押し車を押して、足裏をしっかり着けて歩くことができています。また靴の着用もきちんとできていました」と書いてもらえるようになりました。ほかにも、食事を自分の口へ運ぶことが上手になったり、ママ以外の大人とのスキンシップを楽しんだり、お友だちへ興味を示して近づいたり触ったりする仕草も見られました。

 

年中クラスの後半は、着替えなど身の回りのことにも挑戦

できることが増えてきたユキトを見ながら、年中の後半の「保護者のニーズ」には、「見る活動やまねっこ遊びができるようになって欲しい」「少しずつ自立できるようにチャレンジしていきたい」と書きました。その私の希望を踏まえて短期目標は、「自分でできることを増やしましょう」「実感を得る遊びをたくさん経験しましょう」「大人と楽しい気持ちを共有しましょう」の3つになりました。この半年は、洋服の着脱や靴の脱ぎ履きをするなど、日常の身の回りの経験を積み重ねていくことになりました。一方、遊びでは、布ブランコでダイナミックな揺れを感じたり、粘土を引っ張ったり叩いたり握ったりする感覚遊びを取り入れ、実感を得る遊びをたくさんしました。

 

靴や服の脱ぎ着、絵本に集中することも

その結果、半年後の評価には、「椅子に座って靴の中に足を入れたり、脱いだりが少しできました。靴下やシャツは途中まで大人が介助すると自分で脱ぐことも見られました」と、少しずつ自分のことができるようになったとが書かれています。また、「集会での絵本や大人とのやり取りでは、注目する時間が長くなりました。大人へ抱っこを求めたり、お母さん以外の大人とのスキンシップも楽しむことができています」と書かれています。絵本の読み聞かせになかなか集中できないという悩みがあったのですが、少しずつ慣れてきていることが分かり、安心しました。今後もこの「支援計画」が、ユキトの成長の記録になり、励みにもなると感じています。

 

 

 

ナナ

5歳のダウン症の息子「ユキト」と、3歳半の弟「マサト」のママの「ナナ」と申します。ダウン症の子どもを育てている様子や、母親の気持ちなどを率直にお話ししたいと思います。