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綿、麻、ウールに化繊、この素材は何に向く?「素材別・布の特性」解説

布を使ってハンドメイドをするときに、「この作品を作るためにはどんな布を使うといいかしら?」と思うことはありませんか。今回は、綿や麻、ウールなど、素材別の「布の特性」について解説しましょう。バッグや子ども服などを作るときに、それぞれの布の長所や短所、向き不向きなどを知っていると、作品に適した素材が選べるようになりますよ。また既製服やバッグなどのお手入れの参考にもなりますよ。

 

意外と重要!「布の素材」と「作品」の関係

バッグや洋服を作る布を選ぶとき、最初に選ぶのは「色」や「柄」ではないでしょうか。もちろん、色や柄もとても大切です。しかし、どんなに好みの色柄の布でも、丈夫に作りたいバッグなのに薄く柔らかい布では頼りないですし、洗濯が頻繁な子ども服を縮みやすい布で作ると、すぐ着られなくなってしまいます。またフォーマルシーンに、カジュアルな印象の布は合いませんね。季節によっても、適した素材は異なります。このように、布の「素材」は、作品作りにとても重要です。ぜひ基本を押さえておきましょう。

 

綿:肌着や普段着、子ども服、厚さによってはバッグにも!

綿は「コットン」とも呼ばれ、手芸店でも多くの種類が扱われている布の1つです。汗をよく吸い、チクチクしません。洗濯には強いですが、少し縮むこともあります。洗濯回数の多い肌着や子ども服に向いています。ガーゼやメリヤスなどの柔らかい布は巾着やスタイなどのベビー小物に、ツイルなど中厚手の布はズボンやジャケット、キャンバス地などの厚地で丈夫な布はバッグにもピッタリです。綿はシワになりやすいですが、アイロンは高温でもOK。お手入れしやすいので、大人用なら普段着のスカートやシャツ、エプロンにしても素敵ですね。

 

麻:夏にピッタリ!チクチクしないか触って確かめて

麻は「リネン」とも呼ばれ、近年人気の素材です。繊維の目が粗く、通気性、吸湿・放湿性が高いので涼しく、夏物衣類にピッタリです。夏用のシーツなど寝具にもいいですね。ただし、商品によっては麻独特の繊維のチクチク感があるので、お店で触って確かめるといいでしょう。とてもシワになりやすいので、フォーマルウェアよりもカジュアルウェアに向きますが、上品な光沢のある布ならおしゃれ着にも。ひどいシワは、霧吹きで湿らせてから中~高温のアイロンを掛けるときれいに取れます。綿との混紡の「コットンリネン」と呼ばれる素材なら、比較的シワになりにくく、お手入れも楽ですよ。

 

毛:温かく、冬にピッタリ、インテリア小物にも

一般的に「ウール」と呼ばれるものは、羊の毛でできたものを指します。保温性があるので温かく、コートやジャケットなどの冬物衣類にピッタリです。弾力がありシワになりにくいのでスカートにもOKですが、裏地を付けた方が着心地が良くなります。織りによって表情が異なり、普段着からフォーマルウェアまでOK。クッションカバーやブランケットなどインテリア小物にも向いています。水に弱いので洗濯には注意が必要です。アイロンを強く当てると繊維が寝てしまい、テカりやすくなるので、中温で当て布をします。スチームアイロンは布から浮かせて掛けましょう。虫に食われやすいので防虫剤を効果的に使うといいですね。

 

ポリエステル・レーヨンなどの化繊:発色が良く、ドレスにも

化学繊維は略して「化繊」とも呼ばれます。静電気が気になりますが、多くの物は発色がよく、ステージ衣装などにもピッタリです。

 

ポリエステル:水に強いので家庭で洗えるものが多く、洗濯後の乾燥も早いのが特徴です。またシワになりにくいので、アイロンがほとんど必要ないのも助かりますね。綿との混紡なら適度に汗も吸ってくれます。

 

レーヨン:絹に似た手触りや光沢があります。水に弱く縮みやすいので、洗濯には十分注意しましょう。アイロンは低~中温で。

 

アクリル:ウールに似た風合いで、保温性があります。ウールと異なるのは、虫に食われにくい点です。

 

まとめ

私は、洋裁を始めたばかりの高校生のころ、「ピンク色のスカートを作ろう!」と思って好みのピンク色の綿のブロード布を買ってきたのですが、作って着てみると、どうも寒いのです。このとき、季節は冬。薄手の綿のスカートは、冬にはとても着られませんでした。素材選びの大切さを分かっていないゆえの失敗でした。

 

目的に合った素材選びは、出来上がりの状態だけでなく、着心地、使い心地にも大きく影響します。素材そのものの特徴を知り、せっかく作る作品のためにも、ベストな素材を選んでくださいね。

 

 

nontroppo

ライフオーガナイザー。ズボラでも簡単にすっきり暮らすための収納や、生活の仕組み作りを模索中。
料理、お菓子作りのほかに、洋服やインテリア小物なども手作りするのが好きです。
高校生の息子の母です。