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【和菓子歳時記19】花より団子、桜の季節に食べたい「花見団子」

お彼岸も過ぎ、桜前線が北上して各地から桜開花のニュースが聞かれる季節になりました。今回は、「花より団子」と言われるほど、お花見の季節に欠かせない和菓子「団子」の紹介です。「団子」は丸いという意味の「団」と「子」が組み合わされて「団子」という言葉になったという説もあるようです。

 

縄文人も食べていた?以外に長い「団子」の歴史

「団子」とは、穀物の粉と水やお湯を練って丸め、蒸したり茹でたりして火を通したものを指し、小さい団子を串に刺したものは「串団子」と呼びます。起源は諸説ありますが、縄文時代にドングリやくぬぎなどをすり潰した粉を、粥状や団子状にして食べるようになったことが始まりと言われています。現在では蒸した米粉やモチ米粉を搗いて丸めたものが多く、永く日本人に愛されている身近な和菓子ですね。「花見団子」や「月見団子」、お彼岸やお盆にご先祖様のお供えとして使われる「積み団子」など、季節の歳時で用意される「団子」のほか、「よもぎ団子」や「きび団子」など材料や風味でも分類され、多くの種類があります。髪の毛を丸く結ったものや、泥を丸めたものなど、食品以外で丸いものも「お団子」と呼ぶこともありますね。

 

桜の季節に楽しみたい「花見団子」

「花見団子」といえば、三色の串団子を思い浮かべる人が多いと思いますが、この「桃色・白・緑」の三色は「花・雪・新緑」を表しているという説もあります。ほかにも、箱詰めにした団子に小豆あんを絡めたあんころ餅のような「花見団子」や、桜花や桜葉の塩漬けをあしらった「花見団子」、桜あんを絡めたものなど、さまざまな「花見団子」が存在し、桜の季節ならではの美味しさを楽しめる和菓子になっています。

 

手作りもできる白玉との桜あんの「桜団子」、お花見のお供に

「花見団子」のなかでも、桜あんを絡めた「桜団子」は自宅でも手軽に作れるので、お花見にぴったりです。まず白玉などで団子を作っておきます。市販の白あんに、製菓材料店などで手に入る「粉末桜葉」少量、水を加えて混ぜ、レンジや弱火で加熱してからよく練ると、手作りの桜あんができます。お団子に桜あんを絡めていただきましょう。粉末桜葉は「桜餅」などに使われる「桜葉の塩漬け」を乾燥させて粉末にした黒っぽい粉末で、風味は出ますが「桜色」には発色しません。少量の食用色素で色付けするか、桜花の塩漬けをあしらうと見た目も可愛く出来上がりますよ。

 

まとめ

いよいよ桜の季節、どこでお花見をしようか予定を立てるは楽しいですね。お花見のお弁当やスイーツに桜風味や桜色のものを加えると、お花見気分がいっそう盛り上がりますよ。遠出しなくても近所の公園の桜を眺めてのんびり過ごすのも楽しそうですね。桜が終わるといよいよ夏が始まります。和菓子店の店頭にも初夏のお菓子「柏餅」などが並びはじめ、毎年のことながら季節の移ろいは早いと思います。

 

 

石原マサミ(和菓子職人)

創業昭和13年の和菓子屋・横浜磯子風月堂のムスメで、和菓子職人です。季節のお菓子や、和菓子にまつわる、歳時記などのご紹介を致します。楽しく、美味しい和菓子の魅力をお伝えできたら、嬉しいです。石原モナカの名前で、和菓子教室も開催中。ブログはこちら