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大きく開いた靴下の穴に!かわいくて丈夫「古靴下布で補修」の方法とコツ
2017年 3月 14日 11:00
親指の部分などに大きめの穴が開いてしまった「靴下」、縫い留めるだけではほつれやすく、刺しゅうでカバーするにも範囲が広くて大変です。今回は、当て布を縫い付けて靴下の穴をふさぐ方法をご紹介します。当て布には履き古した靴下を使うので履き心地がよく、縫い留めるステッチも簡単なのに丈夫な仕上がりです。穴開き部分がかわいいポイントにもなるので、「もうだめかな?」と捨ててしまう前に、ぜひやってみてくださいね。
準備:用意するものと使い方
<用意するもの>
・補修布にする靴下(使い古したもの)
・布用両面接着テープ(アイロン接着)
・アイロン、アイロン用当て布(綿100%ハンカチなど)
・フェルトを巻いた小さな板(カマボコ板など)2枚
・安全ピン
・刺しゅう糸、針、ハサミ
・ボタン、チャコペン(あると便利)
補修布に古靴下を使うと、伸縮性があるので履いたときに足に馴染みます。布用両面接着テープは、丸く切った補修布を仮止めするのに使います。補修布を接着テープで付けるときにアイロンを使いますが、このときに靴下を傷めないように、熱に強い綿100%の古ハンカチなどをアイロン用当て布として使い、靴下とアイロンが直接触れるのを防ぎます。小さい板はアイロン台代わりと手縫いの際に縫いやすくするために、安全ピンは靴下の中に入れた板が動かないように靴下を留めるために使います。ボタンとチャコペンは、古靴下を丸く切るときにあると便利です。
手順1:補修布にする古靴下を丸く切る
補修布にする古靴下は、足首や足の甲など布地の傷みが少ない部分を使いましょう。開いた穴よりも2回りほど大きい円形に切ります。大きめのボタンを当て、チャコペンでなぞるときれいな円形に切り取れます。
手順2:フェルトを巻いた板を、靴下の中へ入れて固定する
切った補修布より、さらに2回りほど大きめの板を2枚用意します。写真1はカマボコ板を2つに切って、フェルトを巻いて両面テープで留めたものです。フェルトを巻くと、アイロンでプレスするときに使いやすくなります。1枚の板を補修する靴下の中へ入れ、靴下の穴が板の中心近くに来るように調整します(写真2)。位置が決まったら、靴下をピンと張り、板が動かないように裏側部分の靴下を安全ピンで留めておきましょう(写真3)。
手順3:補修布に「手芸用両面接着テープ」を貼り付ける
補修布の大きさに合わせて、布用両面接着テープを細かく切ります(写真1)。もう1枚の板の上へ、補修布を裏返して乗せ、さらに切った接着テープを乗せます(写真2、分かりやすいように補修布を黒い布にしています)。板をアイロン台にして、テープのはくり紙の上からアイロンを掛けます(写真3)。アイロンの温度やスチームの有無などは、テープの取扱説明書に従いましょう。熱が冷めたらテープのはくり紙をはがします。透明な接着テープが補修布に付いた状態です(写真4)
手順4:補修布をアイロンで補修部分へ接着する
補修布の接着テープが付いた部分を下にして、補修する靴下の穴の上へ乗せます。このとき、穴の中心と当て布の中心が合うようにします(写真1)。綿100%のハンカチなどを上にかぶせてアイロンを10秒ほど当て(写真2)、接着します(写真3)。
手順5:刺しゅう糸を使い、「千鳥掛け」で補修布を縫い付ける
刺しゅう糸を2本どりにして針穴に通します。玉結びを作り、補修布の裏から針を入れます(写真1)。「千鳥掛け」で補修布の周囲をぐるりと縫っていき(写真2)、1周したら、最初の針目に重ねて一針縫ってから、補修布のきわへ針を出して玉止めをします(写真3)。玉止めの位置へ針を入れ、補修布を少しすくって針を出し(写真4)、糸を強く引いて玉止めを布の中へ隠します。布のきわで糸を切れば出来上がりです。千鳥掛けの縫い方は、次の段落で解説します。
参考:「千鳥掛け」の縫い方
千鳥掛けは、布の縁かがりをしながら留め付けられるので、ズボンの裾上げにも使われます。伸縮性のある布地にも対応できるステッチです。
写真では、紫色の布が丸い補修布を、白色の布が補修する靴下を示しています。まずは当て布の裏から針を入れ(【写真1】1出)、補修布のきわ部分から針を入れ(【写真1】2入)、1mmほどすくって針を出します(【写真1】3出)。糸を引いて、最初に針を入れた位置から少し右へ行ったところへ針を入れ(【写真2】4入)、1mmほどすくって針を出します(【写真2】5出)。糸を引き、同様に当て布のきわ部分から針を出し(【写真3】6入)、1mmほどすくって針を出します(【写真3】7出)。写真2、3を繰り返していきましょう(写真4)。
刺しゅう糸の色や、補修布の柄でポイントに
千鳥掛けの糸の色を工夫したり(写真左)、補修布にする古靴下はワンポイント部分を使う(写真右、手前)と、穴開き部分がかわいいポイントになります。反対に、目立たない色の当て布と刺しゅう糸を使えば、馴染む仕上がりに。傷んでしまったけど捨てられない古靴下があったら、こんな風に補修に使って、もう1度活かしてみませんか。