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【これからは予防の時代18】良い「乳ガン検診」とはどんなものなのか?
2016年 9月 21日 20:00
これまで、乳ガンの原因や発生率を上げる要素について一通りお話しました。ここからは「乳ガン検診」について、どんなものが良いとされるか、いろいろな検診のメリット・デメリットなどについて、お話していきます。
ガン検診に求められる指標1:「死亡率の減少効果」「感度」
ガン検診の効果を測る指標には、「死亡率の減少効果」「感度」「特異度」「疑陽性率」などがあります。
最も重要なのが「死亡率減少効果」で、ただ単にガンを発見して手術しても死亡率が減らなければ、検診として効果があるかは問題となるわけです。また「感度」とは、実際にあるガンをしっかりガンと診断する確率のことで、例えば80%なら100個ガンが存在すると80個はガンと診断できるが20個は見逃してしまうことを意味します。
ガン検診に求められる指標2:「特異度」「擬陽性」
「特異度」とはガンでないものをきちんとガンでないと診断する確率のことで、これが低いと「ガンでないものをガンと診断」することになるので、余計な精密検査を受ける必要がでてきてしまいます。そして、ガンでないものをガンと診断することを「疑陽性」と言います。
住民検診で優先される指標とは?
集団への検査となる「住民検診」は「対策型検診」とも言われ、このときの検査方法は、死亡率の減少効果があり、不必要な精密検査を避けられる特異度が高さが重要視されます。逆に「人間ドック」などの任意型の検診は、特異度の高さよりも、感度の高さが重視されるので、不必要な精密検査が行われるといったデメリットもあるのです。
検査方法を選択できるなら、メリットとデメリットを考えて
いずれにせよ「ガン検診」にはメリットとデメリットがありますから、その両方を知ったうえで検診方法を選択すべきと言えます。そして「乳ガンの検診」に求められる条件は、ガンを早期発見できる十分な感度、不要な検査を受けなくてもよい特異度の高さがあり、経済的であり、受診者に対して安全で、死亡率減少効果が証明されていること、と言えるでしょう。
日本の「乳ガン検診」受診率は、欧米より低い
出典:日本医師会「知っておきたいがん検診・諸外国のがん検診データ(資料:OECD, OECD Health Data 2013, June 2013.)
日本での乳ガン検診の受診率は、欧米と比較すると低いことが問題です。5年以内に受診率を50%に上げることが目標とされています。