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「土用丑の日」子どもに説明できますか?なぜウナギを食べるの?

2018年の「土用丑の日」は、7月20日(金)と8月1日(水)です。今回は「土用丑の日」とはどんな日なのか、なぜウナギを食べるようになったのかを調べてみました。実はこの日に食べた方がいいと言われている食材はウナギだけではないのです。今年は、違う食材を取り入れた食卓を家族で囲んでみてはいかがでしょうか。

夏だけじゃない「土用」と「丑の日」

「土用」とは、春夏秋冬それぞれの間にある期間の名前で、万物を木・火・土・金・水の5つに分ける中国の五行説に基づいています。四季を春=木、夏=火、秋=金、冬=水と割り当て、各季節の終りの18日間を土に割り当て、「土用」としました。「丑の日」は、各日に十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)を順番に割り当てたうちの1日なので、12日ごとに巡ってきます。

ですので「土用丑の日」は、「土用」の期間にある「丑の日」のこと。「土用丑の日」というと、現在は夏の「土用丑の日」を指すことが多いですが、実は各季節の合間にあるのです。また土用の間に丑の日が2回ある場合は、それぞれ「一の丑」「二の丑」と呼ばれます。2018年の「土用の丑の日」は7回あります。

【2018年の土用の丑の日】

冬1/21、2/2
春4/27
夏7/20、8/1
秋10/24、11/5

 

「土用丑の日」には、ウナギだけでなく夏バテ防止食材を

夏の「土用」は暑さが厳しい時期のため、元気が出る食べ物で乗り切ろうと考えられていました。さらに「丑の日」は災難を受けやすい日と考えられていたため、「丑」にちなんだ「う」のつく食べ物で縁起を担いだり、丑の方角の守護神「玄武」が黒の神様であることにちなんで「黒い」食べ物で厄除けをする習わしがありました。

「う」がつく食べ物は、ウナギ、うどん、ウリ、梅干しなど、「黒い」食べ物は、ウナギ、ドジョウ、シジミ、ナス、黒豆、黒ゴマなどと言われていました。また、土用餅、土用シジミ、土用卵など、滋養強壮に効く食べ物のなかには「土用」の名が付けられたものもあります。

 

土用丑の日の食べ物、なぜ「ウナギ」だけ残ってる?

土用丑の日と言えばウナギですが、これが広く知られるようになったのは、江戸時代の知識人で、医師でもあった平賀源内が、売れなくて困っていたウナギ屋に「本日土用丑の日」と看板を出すようにすすめたからという説があります。このウナギ屋は大繁盛し、その後ほかのウナギ屋も真似をして広まったというものです。ビタミンAやB群が豊富なウナギを夏に食べる習慣は、万葉集にも載っているほど古くから知られたもので、現代でもスタミナ食とされています。季節の変わり目の土用に体調を崩さないよう精をつけるのは、いつの時代でも大切なことですね。

 

「土用丑の日にウナギ」は、最近では秋冬も!

最近は養殖物が多いので季節感がありませんが、実は天然ウナギの旬は秋から冬です。土用の丑の日は夏に限らないこともあり、最近では秋や冬にも「土用丑の日」としたウナギを見掛けるようになりました。1998年には、ウナギの漁獲量・消費量が多い長野県岡谷市の「うなぎのまち岡谷の会」により「寒の土用の丑の日」が日本記念日協会に登録されているそう。冬の土用は、節分の前の18日間なので、1月下旬のウナギが流行るかも知れませんね。

 

土用にする「土用干し」で、食べ物からおうちまでスッキリ

ちょうど梅雨が明ける時期にあたる土用に、漬けた梅干しを干すことを「土用干し」と呼びます。太陽で殺菌し、湿気を抜いて保存性を高め、まろやかな味にするためで、「梅干し」を作るのに欠かせない作業です。また梅以外にも衣類、書籍、畳などを干して虫やカビを防ぐ「土用の虫干し」や、水田の水を抜いて稲の根を強くする「田の土用干し」など、別の「土用干し」もあります。それぞれ暑さの厳しいこの季節ならではの作業ですね。

 

ウナギと梅干し、一緒でもいいの?

最近はウナギが高騰して手に入りにくいのが残念なところですが、「う」のつく食べ物や、「黒」の食べ物で、元気に乗り切りたいものですね。ちなみに、「う」のつく食べ物の代表「ウナギ」と「梅干し」の食べ合わせは体に悪いと言われることがありますが、科学的根拠はなく一緒に食べても大丈夫です。また体にいいとされるウナギですが、妊娠初期の妊婦さんはビタミンAの摂取量に上限があるので食べ過ぎは注意。ウナギの量を守っていても、ビタミンAが豊富なレバーなどと食べ合わせなように気を付けてくださいね。

 

otako

1男2女の母です。子どもたちもわたしも、おいしいものが大好きです。