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意外と少ない「時短勤務」仕事満足度に必要なのは?満足度の高い職種は?

産休・育休明けに、時短勤務を取得している人は何%いると思いますか?今回は、職場復帰した女性たちの「働き方」「仕事の満足度」「満足度に必要な労働要件」「満足度の高い職種」に関する調査結果をご紹介します。出産後も働き続けていくためには、女性自らが、自分が仕事で得たいものを明確にする必要があるのかもしません。

 

産休・育休復帰後2年以内のワーキングマザーへアンケート

子どもを預けての職場復帰は、「子どもの急病などの呼び出しに対応できるか」「求められる成果を残業せずに出せるか」など、常に不安を抱えながら仕事をすることになりますね。そのため出産前と比べると、仕事に対する考え方も変わってくるものです。そこで、子育てと仕事の両立に詳しい「ここるく」代表の山下真実氏の協力の下、インターネットリサーチ会社「マクロミル」が、産休・育休復帰後2年以内のワーキングマザーへ行なった、働き方や意識についてのアンケート結果を見てみましょう。

 

産休・育休復帰後の働き方、時短勤務は2割だけ

<図:産休・育休復帰後の女性の働き方(ベース:産休・育休復帰後2年以内の会社員・公務員の女性/n=1,470) ※参考データ スクリーニング調査結果より>

 

子どもがいる会社員と公務員のうち、産前産後休業、育児休業から復帰して2年以内の380人へ、現在の働き方を聞いたところ、いわゆる時短勤務(育児短時間勤務)を利用している人は19%に留まり、81%の人がフルタイム勤務をしていると回答。「育児・介護休業法」が平成21に改正されてから、3歳までの子を養育する労働者は、「短時間勤務制度(1日6時間)」の利用が保障されていますが、実際には5人に1人しか利用していない実態が明らかとなりました。

 

仕事の満足度は、フルタイム勤務より時短勤務の方が高い

<図:仕事への総合的な満足度(ベース:(左)時短勤務者/n=190、(右)フルタイム勤務者/n=190)>

 

次に、フルタイム勤務者と時短勤務者のなかからランダムに選んだ同数ずつの人へ「仕事への総合的な満足度」を聞いたところ、「満足している」という回答は、時短勤務者が78.4%、フルタイム勤務者が68.9%と、時短勤務者の方が10%近い差で、満足度が高い結果となりました。

 

時短勤務者は、産休・育休の前後で仕事の満足度に変化が

<図:「仕事への総合的な満足度」の産休・育休前からの変化(ベース:(左)時短勤務者/n=190、(右)フルタイム勤務者/n=190)>

 

また、産休・育休の前後について「仕事への満足度の変化」を聞いたところ、フルタイム勤務者の6割近くが変わらないと回答したのに対し、時短勤務者では、1位「産休・育休前より上がった」が36.3%、2位「産休・育休前と変わらない」が34.2%、3位「産休・育休前より下がった」が29.5%と、それぞれ1/3に意見が分かれました。復帰後に時短勤務へ変わったことが、仕事やキャリアを考え直すきっかけにもなっているのかもしれません。

 

時短勤務者の高満足度を生む要件は「勤務時間」「勤務形態」「人間関係」から

<図:仕事への総合的な満足度と項目別満足度の相関(ベース:(左)時短勤務者(n=190)、(右)フルタイム勤務者(n=190)>

 

「勤務時間」「雇用形態」「職場の人間関係」「仕事の内容・やりがい」「給料」といった労働要件の満足度と「仕事の総合満足度」に相関関係があるかを、時短・フルタイム勤務者それぞれについて調べてみました。すると、時短勤務者では「勤務時間」「雇用形態」「職場の人間関係」の満足度と相関が高く、「仕事の内容・やりがい」「給料」は満足度が低いものの相関が高いことが分かりました。一方、フルタイム勤務では全要件で満足度が低い状態でした。つまり仕事満足度の高い職場イメージとしては、時短勤務制度が正社員のまま利用でき、上司部下同僚などの理解がある状況と言えるでしょう。

 

仕事への満足度が高い職種は「営業・販売職」

<図:職種別、仕事の各項目に対する満足度(ベース:全体/n=380)>

 

次に、時短勤務者とフルタイム勤務者の仕事への総合満足度を職種別に見てみると、満足している人の割合が最も高いのは「営業・販売職(86%)」で、「事務職(69.7%)」や「専門職(73.2%)」などほかの職種よりも10%以上差をつけて1位でした。仕事の成果が数字や顧客からの感謝など、直接的に感じることができる「営業・販売職」は、勤務時間にかかわらず成果をコントロールしやすい職種であることも、復帰後のママたちの仕事への満足度を上げる要因なのかもしれません。

 

職種によって満足度の高い労働要件が異なる

<図:職種別、仕事の各項目に対する満足度(ベース:全体/n=380)>

 

また、職種別に満足度の高い労働要件を2つ挙げると、職種によって満足度の要因が違うことが分りました。

  • 営業職:「仕事のやりがい(83.9%)」、「職場の人間関係(82.1%)」
  • 専門職:「仕事のやりがい(77.7%)」、「職場の人間関係(76.8%)」
  • 一般職・管理:「雇用形態(80.3%)」、「勤務時間(77.0%)」

産休前の職種へ復帰したり、時短勤務によって、仕事への満足度が下がったという人は、自分が重視する労働要件の満足度が高い職種へ転換することも1つの手なのかもしれません。

まとめ

時短勤務を取得しない理由は、取得しにくいという状況だけでなく、復帰前と同じように「仕事で満足を得たい」という女性側の思いが少なからずあるように、アンケート結果から感じました。満足度の要件は「給料」や「仕事のやりがい」などさまざまですが、自らフルタイム勤務を選択している女性たちもいるのではないでしょうか。

一方、時短勤務を選択した場合、仕事の満足度にばらつきが現れました。時短勤務は、「時間あたりの生産性」を上げて効率よく働くことが必要になるため、産休前とは異なる仕事スタイルを確立していく必要があります。それまでのキャリアを考えつつも、現時点の自分の仕事スタイルを確立していくには、どんな働き方でどんなキャリアを目指すのか、それぞれが見直してみることも必要なのかもしれませんね。

 

◇産休・育休復帰後の働き方、時短勤務は19%で少数派。(マクロミル調べ)
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000257.000000624.html

 

qufour(クフール)編集部

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