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「青じそ」「シソの葉」「大葉」、同じ葉っぱなのに、なぜ呼び名が3つ?
2016年 5月 21日 07:10
「シソの葉」「大葉」「青じそ」と3種類の呼び名がある「あの野菜」。どう考えても同じ葉っぱを指しているのに、なぜ3つの呼び方があるのかを、今回は調べてみました。「冷や奴にはシソの葉を刻んで載せて」「大葉を買ってきて〜」「青じそドレッシングが好き」なんてシチュエーションがありますが、言葉の使い方が合ってるかどうか、あなたは自信ありますか?
「青じそ」ってなに?青くないのって?
「シソ」は、漢字で紫蘇と書き、シソ科シソ属の植物です。シソ属で食用できる種類には、青じそ(アオジソ)のほか、アカジソ、チリメンジソ、チリメンアオジソなどがあります。「シソ」の名前は、古代中国でカニの食中毒を起こした少年へ、医者が「紫色の葉」を与えたところ「命を取り留めて蘇った」ために、その葉を「紫蘇(シソ)」と書くようになったそうです。ですから単に「シソ」と言っただけでは、主に赤紫色のアカジソを指してしまうのです。わざわざ「青じそ」というのは、「紫じゃなくて緑色の方」と言うためだったのですね。
「シソ」じゃなくて「シソの葉」って呼ぶのはどうして?
「シソ」は葉だけでなく、実、芽、穂も食べられていて、「シソの葉」「シソの実」「シソの芽」「穂シソ」などと呼ばれます。葉、実、穂はどれも薬味などに使われるので、シソにわざわざ「葉」と付けて呼ぶのは、「実や芽や穂ではなくて、葉」という意味なんですね。
いつの間にか頭に浮かんでいる「大葉」とは?
「大葉」は、青じその販売会社がかつて葉と芽を区別して販売するために、葉の商品名を「大葉」にしたことから広まった呼び名です。当時「シソ」と呼ばれていたアカジソと区別する意味もあったようで、実際、アカジソやチリメンジソの葉は「大葉」とは呼ばれません。
「シソ」はいろいろ
「シソの葉」は全て「大葉」かと思っていましたが、「青じその葉」の販売用の名前だったとは驚きです。ちなみに、最近人気のエゴマ油のエゴマもシソ科シソ属で、見た目は「大葉」そっくりですが、別の香りで焼肉を巻いたりして使われますね。また、スーパーフードで有名なチアシードは、シソ科アキギリ属のチアのタネですし、バジル、レモンバーム、マジョラム、ミント、オレガノ、ローズマリー、セージ、タイムなど、多くのハーブもシソ科の仲間です。「大葉」や「青じそ」以外の「シソの葉」も、馴染み深いものだったのですね。