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【これからは予防の時代8】生活習慣病と食生活2:各疾患を予防する食事

生活習慣病を防ぐための食生活を、今度は、疾患ごとに見ていきましょう。ポイントとなるのは「塩分」「脂質」「野菜」です。

 

生活習慣病全般を防ぐ食事

高カロリーで高い塩分になりがちな、外食、ファーストフードは控えましょう。また同じ理由で、洋食より和食がいいですね。そのときは、食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富な玄米がおすすめです。それぞれの食品が含んでいる栄養素には偏りがありまするので、多くの種類の食品を少しずつ摂るように心がけましょう。また、コレステロールは低すぎると脳出血の原因に、高すぎると脳梗塞の原因になるので、脂質は適度に摂りましょう。

 

高血圧予防には、塩分制限

高血圧の人は塩分を1日6g未満に制限しなければなりません。そうなる前に普段から気を付けるようにしましょう。1日6gというのは、ラーメンの汁1杯分で、これは塩鮭1枚と同じ量です。ですので高血圧でない人も、ラーメンのスープは残すようにしましょう。漬物、佃煮、梅干し、ハムなどの、塩蔵・加工食品は、思ったよりも塩分が多いので注意。また意外と、パンも塩分が多いです。醤油、ケチャップ、ソースなどの調味料にも気を付けて。野菜は血圧を低下させるので、積極的に摂るように心がけましょう。

高LDLコレステロール血症は、悪玉コレステロールの取り過ぎに注意

高LDLコレステロール血症は、いわゆる悪玉コレステロールが高い状態です。これを防ぐには、元になる飽和脂肪酸を取り過ぎないようにします。肉の脂身、ポテトチップス、チーズ、バター、ケーキ、アイスクリームなどです。マーガリンなどのトランス脂肪酸も含まれます。悪玉だけでなく、コレステロールが全体的に高い人は、卵、いくら、筋子、たらこ、レバーといったコレステロールが多い食品にも注意が必要です。そして、タンパク質は、肉よりも魚や大豆で摂取し、カルシウムは低脂肪乳製品から摂取するようにしましょう。また、オリーブオイルを始めとする不飽和脂肪酸は摂取してください。

 

低HDLコレステロール血症は青魚、高中性脂肪血症は脂質全般をコントロール

悪玉コレステロールが低い、低HDLコレステロール血症は、サンマ、サバ、イワシなどの青魚を積極的に食べましょう。コレステロール全般が高めの、高中性脂肪血症では、甘いもの、脂っぽいものを全般的に控える必要があります。揚げ物を控え、ごはん、パン、麺などの主食、果物の食べ過ぎ、アルコールの飲みすぎに注意してください。

 

糖尿病予防には体重維持と、食物繊維

糖尿病予防で大切なのは、適正体重を維持することです。また、食物繊維を多く含む未精製の穀物、低GI食品、緑色野菜も摂取しましょう。低GI食品というのは、摂ったあとに血糖値が上昇するのが遅い食品のことです。ブドウ糖を1として数値化されています。

 

 

高島裕一郎(医学博士)

予防医学を専門としている医師です。医療の高度化でさまざまな病気の原因がわかるようになりました。これは同時に、いろいろな病気を予防することができるようになってきたことを意味します。生活習慣病やガンなど、生活のなかで予防のできる病気と、その予防方法について、お伝えしていこうと思います。日本医師会認定産業医、日本人間ドック学会認定医。