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【これからは予防の時代5】動脈硬化の原因とメカニズム

連載の第3回目で、生活習慣病のなかでも、高血圧、脂質異常症、糖尿病などは「内臓脂肪蓄積」が原因、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症などは「動脈硬化」が原因とご紹介しました。そこで今回は、動脈硬化のメカニズムについてお話します。

 

動脈硬化の起きやすい血管

動脈硬化とは、動脈の壁が厚くなったり、硬くなったりして、働きが悪くなった状態です。全身の血管のなかでも、冠状動脈、大動脈、脳、腎臓、内臓、手足の動脈でよく起こります。

 

動脈硬化によって起きる病気

動脈硬化が原因でおきるの病気には、狭心症、不安定狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、大動脈瘤、腎梗塞、手足の壊死などがあります。 

 

動脈硬化から血栓への進行

動脈の内膜内にコレステロールが蓄積し、血管が狭くなるため、血管内に血栓や潰瘍ができます。動脈硬化は20〜30歳頃から始まり、50〜60歳では血管自体が狭くなった状態です。血液が流れにくいために、動脈の内側にある内皮細胞が壊れてしまい、結果として血栓ができるのです。

イラスト:たちばなかより

 

血栓を自覚したときには手遅れ?

この血栓で血管が詰まると、初めて、急性心筋梗塞の発作として症状が現れるのです。ですので、症状を自覚したときには、すでに20〜30年に及ぶ「沈黙の動脈硬化の進行」があったと考えなくてはいけません。つまり、動脈硬化は無症状のまま進行することをしっかり覚えておいてください。

 

 

動脈硬化の危険因子

動脈硬化の危険因子には、以下があると言われています。

 ・ 男性
 ・ 加齢
 ・ 高血圧
 ・ 糖尿病
 ・ 脂質異常症
 ・ 喫煙
 ・ ストレス

 

 

高島裕一郎(医学博士)

予防医学を専門としている医師です。医療の高度化でさまざまな病気の原因がわかるようになりました。これは同時に、いろいろな病気を予防することができるようになってきたことを意味します。生活習慣病やガンなど、生活のなかで予防のできる病気と、その予防方法について、お伝えしていこうと思います。日本医師会認定産業医、日本人間ドック学会認定医。