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1歳の誕生日は、餅を背負わせてお祝い♪「一升餅」の由来は?やり方は?

満1歳の誕生日を祝う「初誕生(はつたんじょう)」で用意する「一升餅(いっしょうもち)」をご存じですか。今回は一升餅について、その由来や受け継がれてきた儀式についてご紹介します。

 

餅はハレの日の縁起物、「一升餅」に込められた願いとは?

日本では古来の稲作信仰に基づき、もち米で作った餅は、縁起物として正月などのハレの日に欠かせない食材とされてきました。初誕生で用意する「一升餅」は、一升分のもち米でつくった餅(約2㎏)を一つに丸めたもので、“一升”と“一生”を掛けて、“一生食べものに困らないように”“一生丸く(円満に)長生きできるように”という願いが込められていると言われています。また一升餅には、「誕生餅」「一歳餅」「力餅」など、地方によってさまざま呼び名があります。またこの餅を使った儀式には、全国的に行なわれてきた「背負わせる」タイプと、九州地方を中心に行なわれてきた「踏ませる」タイプの2通りがあります。

 

餅を背負わせて、泣かせたり転ばせたり!?

「背負わせる」タイプの儀式では、一升餅を風呂敷などで子どもに背負わせ、子どもが立てない姿や転ぶ姿を見守ります。一升餅は2㎏もあるので、肩が痛かったり、立てなかったりして、泣き出すこともあり、その泣き声が鬼や疫病神を退散させると言われています。また餅を背負った子どもが立ち上がったり、歩けてしまうと、「婿養子」や「遠方に行ってしまう」と考えられていたため、わざと転ばせたり尻餅をつかせたりする習わしもあるそうです。そのため、背負わせるタイプの儀式を行う地域では、「背負い餅」「転ばせ餅」と呼ぶこともあります。

 

今度は、食べる餅の上にわらじで立つ!?

一方、九州地方を中心に残る「踏ませる」タイプの儀式を行う地域では、「踏み餅」あるいは「立ち餅」と呼ばれてもいます。裸足もしくはわらじを履かせた子どもを餅の上に立たせ(踏ませ)、「しっかり地に足を付けて歩いて行けるように」という願掛けをする儀式です。地域によっては、まずは背負わせて、その後に踏ませると、両方の儀式を行うこともあるようです。

 

やっぱりネット通販は便利…イマドキの一升餅事情

一升餅は、和菓子店のほか、ネットなどの通販でも注文可能です。背負わせる場合、昔は風呂敷で子どもにたすき掛けにしていましたが、最近ではその後も使えるように名前入りのリュックとセットで販売しているお店も多くあります。また餅に、「寿」の文字や名前を入れてもらうこともできますよ。ネット上には、注文から3〜5日で作りたての餅が届くショップもありますが、デザインや名入れも豊富で迷うこともあるので、早めに検討を始めた方が無難です。

 

儀式の後はいただきます!食べ方は?

一升餅は、儀式のあと集まった人で分けて食べましょう。固くなって切りにくい場合は、500Wの電子レンジで5〜6分くらい様子を見ながら加熱し、四隅を切り落とし四角くしてから切り餅の大きさまで切り分けるといいですよ。加熱し過ぎには注意してください。ネット上では、一升分を6個などの複数に分けて丸めたの餅も売られていますので、初誕生に来てくれた方へ配ることが分かっている場合などは、小分けタイプを購入するのも一案です。

 

qufour(クフール)編集部

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