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満1歳の誕生日「初誕生」、“伝統儀式”と“最近の祝い方”を知っておこう

生後1年目に迎える誕生日を「初誕生(はつたんじょう)」と言います。今回は、初誕生の伝統的な儀式と、最近の祝い方についてご紹介します。

 

初誕生の伝統的なお祝い「一升餅」「選び取り」

医療が発達していなかった時代、生後1年の誕生日はとても喜ばしい特別な日でした。「初誕生(はつたんじょう)」は、満1歳の誕生日を無事迎えたことを感謝し、親戚などを招いてお祝いする風習です。このとき行なう伝統的な行事には、「一升餅」や「選び取り」といった儀式があり、地域によってはいまでも行なわれています。

 

伝統行事1:「一升餅」は、背負う?踏む?

日本の慶事には、正月の「鏡餅」を始め、餅を供える伝統が数多く残っています。初誕生のお祝いにも、かつては「一升餅」を用意していました。一升餅は、一升分のもち米でつくった餅(約2㎏)を一つに丸めたもので、“一升”と“一生”を掛けて、“一生食べものに困らないように”という願いが込めらていると言われています。一升餅を使った儀式には、風呂敷に包んだ餅を子どもに背負わせて“一生の重み”を感じさせる「背負い餅」や、子どもにわらじを履かせて餅を踏ませて“しっかり地に足を着けて歩いて行けるように”と願掛けをする「踏み餅」などが、今も受け継がれています。

 

伝統行事2:「選び取り」で子どもの将来が分かる?

子どもの前にさまざまな物を置き、子どもがどれを取るかでその子の将来を占う「選び取り」という儀式も、初誕生の行事として知られています。伝統では、ソロバン、筆、お金を選ばせるとされていて、ソロバンなら商人向き、筆なら文学や芸術に秀で、お金なら将来お金に困らないと言われています。現代でも残っている地域では、このほかハサミ、箸、辞書や本、楽器、スポーツ道具などを使って、「選び取り」をしているそうです。

 

現代の初誕生1:生クリームが食べられない時期のケーキは?

昔は、一升餅がお祝いの食事でしたが、最近はケーキを用意することも一般的になりました。とは言え、まだ離乳食が始まったばかり。ケーキと言っても、マッシュしたジャガイモ、カボチャ、ブロッコリーや、ヨーグルト、フルーツで作るなど、子どもが食べやすい食材を使って、かわいいらしく飾ってあげたいですね。

 

現代の初誕生2:写真館やスタジオでの撮影も良い記念

出産、お宮参り、初節句などの節目ごとに、写真を撮る機会があると思いますが、満一歳の記念にきちんとした写真を残すのもお祝いの一つと言えるのではないでしょうか。お祝いの日に集まってくれた方々との写真のほか、写真館で子どもだけ、夫婦と子どもとなど、プロに撮影を頼むのも、良い思い出になりますね。 

 

現代の初誕生3:セカンドシューズを揃える

満1歳なら、子どもの足のサイズは12㎝前後になっています。ハイハイが終わり、外で使う靴が必要になるのがこの時期です。ファーストシューズは出産のときに用意している場合が多いので、初誕生のお祝いには、実際に外で履いて使うセカンドシューズを購入してもいいですね。

 

初誕生にお呼ばれしたら?

初誕生に招かれたら、贈り物やお祝い金を持参するようにしましょう。お祝い金でも贈り物でも相場は、友人や親戚なら3千円〜1万円程度、祖父母なら2万円程度です。また友人や知人なら現金よりもお祝いの品を用意することが多いようです。先ほどのセカンドシューズなら、足のサイズを確認するか、もし分からなければ先々でも使える13㎝以上の大きさを選びましょう。おもちゃや絵本、服など、日々の暮らしで使えるものを贈ると喜ばれます。 

 

初誕生のお祝いをいただいたら、お返しは?

初誕生祝いに招待することが、お返しになるので、お祝いに来てくれた人へ別途お返しを用意する必要はありません。贈り物が届いた方にも、お礼の品ではなくお礼状を書いておけばいいでしょう。

 

qufour(クフール)編集部

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