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【整理整頓を始めよう16】食の防災訓練でストック棚卸しと整理の見直し!

整理整頓の観点から、物を少なくスッキリ暮らしましょうとお伝えしていますが、災害対策の観点からは、水や食料品など必要最低限の備蓄が必要になることを、今回はお伝えしたいと思います。

 

災害が起きたとき、ライフラインの復旧にはどのくらいかかるの?

地震や津波などの大型災害が私たちを襲ったとき、ライフラインの復旧と救援物資の提供までにどれくらい時間が掛かるかご存知ですか?東日本大震災では、食料が届いたのが3日目以降、電気の復旧に1週間、水道の復旧に10日以上かかった地域もあったそうです(注)。いかがですか?もっと早いと思っていませんでしたか? 

 

家族の食料は3日〜1週間分のストックは必要と考える

大型災害が発生するとガス、電気、水といったライフラインがストップしますし、救援物資がすぐ届かないことが想定されます。被災状況によっては、避難所ではなくライフラインがストップした自宅で生活する可能性もあります。そう考えると、災害対策として、家族人数分の水や食料を最低3日、出来れば1週間分自宅にストックしておきたいところです。

 

もしものときに慌てないように「食の防災訓練」をしてみる

災害が起こってしまったら、パニック状態になりかねません。特に、食事の確保は責任重大です。もしものときに落ち着いた行動が取れるように、普段から「食の防災訓練」をしていくことをおすすめします。方法はいたって簡単です!3日から1週間と期間を決めて、買い物に行かず、家にある食料品だけで生活してみるのです。この期間は、キッチンのコンロを使わず、カセットコンロだけを使った調理方法で乗り切ります。それだけで、カセットコンロの必要な備蓄量を確認することができますね。

 

保存食は最後の手段、生鮮食品と乾物のレパートリーを増やしておく

調理もできるだけ火を使わない方法を実践します。例えば、お鍋を使わずお椀にミソと乾物の切り干し大根、乾燥わかめを入れてお湯をかけたお味噌汁。乾燥ひじきを豆腐と和えて豆腐の水分で戻し調味料を加えた白和え。余ってる野菜に塩、醤油、カツオ節を馴染ませた即席浅漬けなど。缶詰やレトルト食品などの保存食は最終手段です。冷蔵庫が止まっていると想定して生鮮食品と乾物との組み合わせで、いろいろな節約アイデア料理を作ってみてください。

 

ストック調整と賞味期限切れ防止にも

ストックしている切り干し大根やひじきなどの乾物は、気がつくと賞味期限が過ぎていることが多いもの。缶詰やレトルト食品、即席麺も見逃しがち。こういった食材を工夫して食べる「食の防災訓練」を半年ごとに行うようにして、習慣化させておくと賞味期限切れを防ぐことにも繋がります。消費した食材は残っていた量から換算して適量を買い足してストックしておけば、家族に必要な必要最低限の備蓄量がだんだん分かってきます。

 

「ストックローテーション」で食材の棚卸しと整理整頓

このように保存がきく普段使いの食材を、災害時の食材の一部と考えて備蓄量を増やし、古いものを使ったら買い足す方法を「ストックローテーション」と呼びます。5年や10年間保管できる非常食を用意するよりも、安心で手軽に実践できますよね。そしてなにより、古いものを使って処分して必要なものを買い足すローテーションは、整理整頓にもつながる生活の知恵です。ぜひ実践してみて下さい。

 

(注)農林水産省 緊急時に備えた家庭用食料品備蓄ガイドhttp://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/gaido-kinkyu.html

知っておきたい!昆布や海苔など、乾物の正しい保存方法と保管期間 

 

Be Present代表 尾井理恵

ヨガ、整理整頓、ベジ和食のレッスン、コンサルティングを行う「Be Present」代表。横浜市在住。整理整頓のアドバイザーとして各地で講演、個人宅でのコンサルティングを行っています。また、自宅兼スタジオおよびスクール講師のほか、定期的にヨガ、料理教室のイベントを開催しています。Facebookはこちら