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「ひな人形」由来は?姉妹は人数分?選び方や処分の仕方など、疑問を解決
2016年 1月 28日 20:00
1月ももう終わり。桃の節句にひな人形を飾る季節がやってきました。今回は、ひな人形の役割や選び方、処分の仕方などの、ひな人形に関する疑問を解決します。初節句を目前に、まだ人形をそろえていない人は必見です。それ以外の人にも役立つトリビアがいろいろありますよ。
ひな人形とは?
平安時代、3月3日の上巳の節句に、形代(かたしろ)と呼ばれる藁や紙の人形を川や海に流す「流し雛(ながしびな)」の行事が行われていました。この風習と、人形のままごと遊びである「ひいな遊び」が結び付き、男女一対の「立雛」人形が産まれました。一生の災厄の身代わりになってもらうという考えから、江戸時代の武家や裕福層の嫁入り道具となり、人形を作る技術の発達により、衣装着人形や木目込み人形といった豪華なひな人形が作られるようになりました。現在のように五人囃子や三人官女が加わったのは、江戸時代後半からと言われています。
ひな人形の種類 最近の人気は?
7段飾りのひな人形では、宮中の婚礼行事の場面を表しています。最上段は内裏に住む天皇と皇后が位置し、二段目は、内裏に使える「三人官女(さんにんかんじょ)」、三段目は能楽を演奏する「五人囃子(ごにんばやし)」、四段目は警護を担う「隋身(ずいしん)」、五段目には雑用を担う「仕丁(しちょう)」が飾られます。最近のひな人形は、スペースの問題もあり、大階段のひな壇ではなく、飾棚付きやケース入りの親王飾り(内裏雛・だいりびな)が人気があります。
誰がいつ買う?
江戸時代、ひな人形は嫁入り道具の一つであったことから、妻側の実家が贈ることが多かったようです。最近では、双方の実家で費用を折半し子どもが選んで購入するというケースもあるようです。ひな人形は初節句の時に購入することが多いので、直前に慌てないためにも、早めに家族間で話し合いをしておくと良いですね。
ひな人形はいつ出して、いつ片づける?
ひな祭りは春の訪れを祝う行事でもあるので、立春の2月4日頃から飾り付け、3月3日が終わったら、早めに片付けます。遅くとも、3月20日頃の春分の日までには片づけるようにしましょう。ひな人形の片付けが遅れると婚期が遅れると言いますが、これは「片付けができない女性はお嫁に行けませんよ」というしつけに関する考えから来ています。また、身代わりとなって厄災を受けるひな人形を、いつまでも出しておくのは良くないという考え形もあります。しまっておく時間が長い人形なので、天気が良く湿度の低い日を選んで、ホコリを払って丁寧にしまいましょう。
次女が産まれたときは?
ひな人形はもともと、厄災を引き受ける身代わりの人形なので、本来の考え方に従うのなら、一人ひとりにひな人形を用意します。二人目以降、家のスぺースを考えると難しい場合は、段飾りだったものを次女は内裏雛だけにしたり、その子の身代りとなる別の人形(つるし雛や市松人形など)を用意する家庭もあるようです。また、ひな人形を一族の女性を守る象徴と考えて、一家に一つのひな人形で済ませたり、母親から娘へ受け継ぐケースも出てきており、考え方も変わってきているようです。
ひな人形の処分の仕方
ひな人形は所持者が結婚したあとも厄払いをしてくれるという考えがあるので、本人が生きている間は処分しない方が良いとされています。やむを得ない理由でひな人形を処分する場合は、ゴミとして捨てるのではなく、お寺や神社で人形供養をしてもらいましょう。人形には魂が宿ると言われています。今までの災厄を引き受けてくれたことに感謝して、供養したいですね。