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【これからは予防の時代2】生活習慣病を始めとする予防例
2016年 2月 3日 08:00
前回お話ししたとおり、「予防医学」とは、病気の原因を探して病気になることを防ぐことです。いわゆるメタボは、高血圧や糖尿病など、生活習慣病の原因になります。そのため、2008年からは、健康診断で腹囲が大きく、BMI値が高かった人は、保健指導が行われるようになっています。
特定健康診査・特定保健指導のねらい
この健診と指導は「特定健康診査・特定保健指導」と呼ばれ、高血圧や糖尿病のほか、脂質異常症、脳梗塞、虚血性心疾患の予防を目指して、国を挙げて行われています。またその実施の背景には、高騰する医療費を削減しようとする狙いがあります。
子宮頸がんワクチン
子宮頸がんワクチン接種も予防医学の1分野です。子宮頸がんはパピローマウイルスが原因で発生しますので、そのウイルスによるワクチンを接種して発症を未然に防ごうという試みです。ワクチンの是非についてはいろいろと取り沙汰されていますが、それはまた別の機会にお話しましょう。
主流煙より副流煙が危険
タバコが身体に「百害あって一利なし」なのはご存知の通りですが、喫煙者が吸う主流煙より、副流煙(たばこの火がついたところからの煙)の方が有害物質が多いのは知っていますか?副流煙の有害物質の量は、主流煙の数倍から数十倍も多いので、受動喫煙などの問題も予防医学では重要な問題になっています。また政府は、2020年に開催される東京オリンピックに向け、受動喫煙の防止と対策強化を法制化するために、先月、初会合を開いています。
◇第1回受動喫煙防止対策強化検討チーム |厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000110146.html
医学の進歩と予防医学
これまでは不治の病とされていた病気でも、医学の進歩で、原因や治療法が明らかになっているものが多々あります。原因や治療法が分かるようになったということは、言い換えれば、予防が可能になるということです。今後予防医学の重要性はますます増していくと考えられます。これからは、予防の時代です。