10分こそうじ

家事を楽にするために、手放すといいこと

年に一度の大掃除より、日々の“小”掃除。整理収納アドバイザーとお掃除スペシャリストの資格を持つ筆者が、1日の終わりに10分でできる掃除や片付けのポイントをお伝えします
家事に対する頑固な「こだわり」、手放してみませんか

片付けなきゃ。掃除しなきゃ。洗濯物を畳まなきゃ。家事は次から次へ押し寄せ、私たちの時間は奪われ、疲弊してしまいます。

これまで数えきれないほどの暮らしの現場に立ち会ってきましたが、プロに相談や依頼をするまで、何カ月も、時には何年も迷われていた方々が共通して、モノや汚れよりも先に手放したものがあるのです。それは、頑固な「こだわり」です。

ここで、あなたが「自力派」かどうかチェックしてみましょう。5個以上当てはまったら、あなたは立派な「頑張りすぎさん」といえるかもしれません。

  • 家族の掃除が甘いと、結局自分でやり直してしまう
  • 床にモノがあるだけで、心がざわつく
  • 隅々まで完璧にキレイにならないなら、意味がないと思う
  • 家電の性能をイマイチ信じられない
  • 家電に頼るのは「手抜き」だと感じる
  • 機械に任せるより、自分でやったほうが早いと思う
  • 掃除道具のメンテナンスが面倒
  • ロボット掃除機を買ったのに、準備が面倒で放置している
  • 掃除の後は、必ず体のどこかが痛む

掃除や片付けにおいて「自分の手でやるのが当たり前」という強いこだわり。まずはこれを手放してみる。

例えば、床掃除という役割をロボット掃除機に譲り、この子たちが走りやすい道を作る……それだけで、暮らしの負担は劇的に変わります。これからは、便利なお掃除道具やロボットたちが十二分に働けるよう、環境を作ることが、私たちの新しい暮らし方ともいえそうです。

掃除しにくい家具を卒業

素敵なお部屋ほど、実は掃除が大変だといいます。重厚な家具は手入れや移動が大変。これからは「掃除のしやすさ」でも、家具を選んでみてはいかがでしょうか。

ソファは下がオープンになっているものを選びましょう。掃除機が入らない家具の下には、どうしてもホコリが溜まってしまいます。掃除機がスイスイ通れる脚付きのものを選ぶことおすすめします。

また、ラグをなくすと掃除はラクになります。重くてズレやすいラグは、床掃除にとっては大きな障害物。夏場だけでも、思い切ってなくしてみると、フローリングをサッと拭くだけで終わる解放感に驚くはずです。

床にモノを置かないのは、自分への「いたわり」

とりあえず床に置くという習慣が、実は一番心身に負担をかけています。ゴミ箱、電源タップ、スリッパなど、床に触れているモノは壁に掛けたり、棚の上にのせるようにします。

ダイニングの椅子も、ひじ掛け部分をテーブルに引っ掛けて浮かせるタイプが販売されています。床が「何もない平らな面」になった瞬間、お掃除しやすい快適なスペースに変わります。

お掃除をスムーズにする黄金寸法

お掃除がしやすい家具と設置の条件をまとめました。これからの家具配置の参考にしてください。

ソファ、家具の下:【高さ10cm】
ロボット掃除機の高さは、機種によって異なりますが10cm前後であることが多いです。家具下にこれより高さがあれば、引っかかることなく奥までキレイにしてくれます。ソファなどの高さ調節ができるアイテムも市販されているので、チェックしてみてくださいね。

冷蔵庫と壁の間:【幅15cm】
埃が溜まる鬼門、冷蔵庫と壁の間は、ワイパーを「縦」にして攻略。ワイパーのヘッドは短い方が幅約10cmほどなので、余裕を見て15cmあれば一気に拭き取れます。

家具選びの参考に:【幅25cm】
お掃除ワイパーの標準的な幅は25cm。椅子の脚の間などがこれ以上あれば、ストレスなく拭き上げられますよ。

家具を選ぶときは、脚の間をワイパーが通れるものを選ぶと掃除しやすいです

「痛みを伴う掃除」を手放す

お風呂掃除や拭き掃除など、深くかがんで行なう作業は、想像以上に体に負担をかけています。「無理な姿勢」は、かえって掃除の質を落とします。バスタブの掃除は、立ったまま使える電動ブラシなどを頼ってください。

床の拭き掃除など、広い面積は床拭きロボットに任せましょう。部屋の隅や巾木など、ロボットが苦手な部分のみ手拭きでサポートすればOKです。

知っていますか? 掃除に費やす時間

家事に費やす時間は1日平均3〜4時間といわれ、掃除だけに絞っても1日30分〜1時間です(総務省「令和3年社会生活基本調査」による)。これを60年続けたとすると、約13,000時間、日数にして約1.5年分に達します。

とはいえ、お掃除=無駄な時間ではありません! これから先の10年で、数カ月分の自由な時間を買い戻せるチャンスがある。そうポジティブに捉えると、家電への投資は「贅沢品」ではなくなりそうですね。

手放したその先に、お掃除がもっと楽しくなる

家電に頼り、自分の手を動かす時間を減らしていくと、掃除を義務感で行なっていたこれまでより、もっと「住まいを整えること」が楽しくなるでしょう。掃除は労働から、あなたを癒やす習慣へ変わっていくはずです。

丸 マイ

整理収納アドバイザー、クリンネスト(お掃除スペシャリスト)講師。個人宅の整理収納サービス「mawaru暮らし」主宰。片づけ苦手主婦だった自身の経験から、楽に片づく収納提案を行なっている。ほかにも、子供からシニアまで幅広い層へ片づけや掃除の楽しさを伝える講師としても活動中。