老師オグチの家電カンフー

今やもっとも素の時計に近いスマートウォッチ「Xiaomi Smart Band 7」

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです
「Xiaomi Smart Band 7」6,999円。1.62型(192×466ドット)有機ELディスプレイを搭載

ある朝のこと、高校3年生の息子が「何の機能も付いていない腕時計ある?」と言ってきました。聞けば、共通テストの模試を受けるので時計が必要というのですが、私の持っている腕時計はすべて電池切れ。シャレで買った「フランク三浦」も、10年動くセイコーの鉄道時計ですら、とうに電池切れです。しかし、フツー模試当日の朝に聞いてくるかね?

今どき、常に手元に持っているスマホで時刻を確認できるし、純粋に時刻を知るために腕時計を使っているのは、少数派ではないでしょうか。ケータイ・スマホが普及して以降、腕時計を持つ理由は、ほぼ時刻の確認以外がメインです。

1つは、アクセサリーとしての腕時計。ステータスを上げる高級ブランドは今も昔も不動の人気があります。最近は投資目的としても注目され、値段は高値止まりしているようです。私は、こうした高級時計には今まで無縁で生きてきました。そもそも腕が細いのでステータスや投資対象になるようなゴツい腕時計が全く似合わないんですよ。

もう1つは、スマートウォッチ。もはや説明は不要でしょうが、スマホの通知を受けたり、各種健康管理に役立てるために使う人が増えています。駅の改札では、交通系ICカードの機能を使う人も多く見るようになりました。

アクセサリーとしての腕時計、スマホの延長にあるスマートウォッチ。そうじゃない純粋に時間を確認するための腕時計は、もはや100均でも買えるほど安いです。受験に使用する学生といった例外を除いては、ガラケーぐらいマイナーな存在のような気がします。

さて、最近使い始めたスマートウォッチが「Xiaomi Smart Band 7」です。以前はこの3代前のモデル「Mi スマートバンド 4」やAppleWatchをしていましたが、コロナ禍が本格的になって外出が減って以降、身に着けなくなっていました。最近また外出が増え、腕時計があってもいいなと思い直し、いろいろと検討した結果、「Xiaomi Smart Band 7」を買いました。

ウォッチフェイスは100種類以上
上記ウォッチフェイスの常時表示画面
以前使用していた「Mi スマートバンド 4」(左)との比較。視認性が段違い!

個人的な購入理由は、以下の5つに集約されます。

理由その1「安い」

昨今の円安にもかかわらず6,999円。「Mi band 4」は3,980円だったので、それに比べれば値上がりしていますが、お試しで買える価格帯です。

理由その2「軽量」

重量は13.5g。重量感、圧迫感のあるアクセサリーが苦手なので。

理由その3「時刻の常時表示」

今回、スマートウォッチに求めたのは時刻の常時表示。腕をいちいちひねって表示させるのは、なんやかんや言って面倒に感じるものです。

理由その4「駆動時間」

時刻の常時表示は、Apple Watchも(一部モデルを除いて)対応しましたが、そこで問題となるのが駆動時間。Xiaomi Smart Band 7は14日間で、常時表示(08:00〜22:00設定)でも3日は余裕です。

理由その5「健康関連機能」

歩数、消費カロリー、心拍数、睡眠のほか、血中酸素レベル、ストレス指数の計測・記録が可能。健康が気になるお年頃ですからね。

血中酸素濃度も計測できる。指先で計測する専用機器とは結果が異なることもある
睡眠の時間や質を計測してグラフ化。飲酒などの生活習慣と眠りの質の関係を知ることができる

まだ使用して2週間ほどですが、常時表示は普通の時計っぽく使えるのがいいですね。とくに徒歩や自転車での移動中にスマホを取り出さずとも時刻が確認できるのはストレスがない。この機能で、フツーに時刻表示だけの時計の意義も再認識する結果に。

スマホと接続しなければフツーの時計なので、模試を受ける息子に貸そうかとちょっと思いましたが、スマートウォッチには違いがないのでやめました。結局、息子は姉の持つアクセサリーっぽい女性用腕時計を持っていったそうです。模試の結果も推して知るべし!

画面が縦長なので、時刻の視認性としてはデジタル表示が有利
デジタルでの常時表示
もちろんスマホアプリと連携して通知も来るよ
小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>