老師オグチの家電カンフー

Amazonから見知らぬ商品が着払いで送られてきた!

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです

 5,000円を超えるような買い物は、ほとんどAmazonかヨドバシ・ドット・コムのオグチです。宅急便を配達してくれるM本さんとは、ほぼ毎日顔を合わせる日々。そんな日常に、ちょっとしたサプライズ。知らない荷物が着払いでやってきました。

M本さん「Amazonさんから着払いで、6,288円です!」
小口「んー、何か頼んだっけかな~?」(心当たりを脳内で高速検索)

 宛先は確かに自分の名前。しかし、Amazonは基本カード払いだし、箱がでかい。よく見たところ、箱の底から、納品書がはみ出ている。引っ張り出してみると、そこに書かれていた品名は「きかんしゃトーマス レッツゴー大冒険!」しかも2セット! うち、子供は高校生と中学生だし、これはないわ、と笑う。M本さんも「気持ち悪いっすね。戻しときます」と、あっさり返品。

Amazonで着払いは違和感ありまくりなので被害に遭わなかったが、妻や子供宛に来ていたらうっかり払っていたかもしれない
箱の隙間から納品書が出ていたので中身がわかった。わからなかったら、モヤモヤしてただろうなぁ

 一応、Amazonの注文履歴も確認しましたよ。アレクサ(スマートスピーカーの「Amazon Echo」)による誤発注という可能性もゼロじゃないと思い。もちろん履歴にはなし。よく見たら、宛名の電話番号もうちとは違うし、イタズラだと確信しました。

 となると気になるのは、誰が送ってきたのか。電話でAmazonに問い合わせてみました。

小口「かくかくしかじか、こんなことがありまして」
Amazon「それは申し訳ありませんでした。でもお客様に実害はないですよね(大意)」
小口「(いや、時間と手間が……)これ、送り主はAmazonのアカウントを持っているわけですよね?」
Amazon「そうなります」
小口「じゃ、送り主を教えてください」
Amazon「個人情報なのでお伝えできません」
小口「あ、そう(やっぱりね)。じゃ、何度も同じことができるってことよね?」
Amazon「そうなります。お客様がお困りだと先方にお伝えましょうか?」
小口「犯人を喜ばしてどうするよ! 他人のアカウントから着払いはできないよう設定することは?」
Amazon「できません」
小口「送り主にペナルティはないの? アカウント取り消すとか」
Amazon「ペナルティはありません」
小口「一番の被害者は御社のはずだけど、訴えるとかもしない? 同じことをオレがやってもいいの?」
Amazon「少しお待ちください(保留)……繰り返されるようであれば別部署から注意が行くようです」

 取材も兼ねて20分以上話したことをまとめたものですが、ざっくりこのような結論でした。結局、被害を避けるには、知らない着払いは受け取り拒否、それを家族にも徹底しておくこと。根本から防ぐには住所をむやみに他人に教えないことでしょうか。

 そういえば今年、Amazonでモバイルバッテリーを買ったら、まったく充電できない不良品だったことも思い出しました。返品リクエストしたところ、マーケットプレイスの販売者からは「返品期間が過ぎている」という理由で断られました。最近、マーケットプレイスの業者の質がかなり落ちているようにも思います。

 まぁ、Amazonぐらい規模が大きくなると、こうした事故は避け得ないのかもしれません。まるで、きかんしゃトーマスのアニメです。きかんしゃトーマスがAmazonよりすごいのは、あれだけ大事故を繰り返しても会社が潰れないことですね。超ガリバー企業なんでしょうか。

勢いで描いたポンチ絵。元ネタがわからない人は「じこはおこるさ」で検索!

小口 覺

雑誌、Webメディア、単行本の企画・執筆、マンガ原作、企業サイトのコンテンツ制作を手がけるライター。日経MJの発表した「2016年上期ヒット商品番付」では、命名した「ドヤ家電(自慢したくなる家電)」が前頭に選定された。

Webページ「有限会社ヌル/小口覺事務所」
http://nulloguchi.wix.com/nulloguchi