老師オグチの家電カンフー

ノマドワーカーには“巻き”で撤収できる電源コードが必要だ

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです

 日常的にカフェなどで仕事をしています。いわゆるノマドワークってやつですが、たまに「電源のラストワンメーター問題」に遭遇します。カフェなどで電源が用意されていても、モバイル機器と距離があってACアダプターからのケーブルが届かないのです。ああ、あと1m、せめて30cm近ければナァ……、と何度思ったことでしょう。新幹線でも窓側の席にしか電源がない場合、通路側の席だとあきらめてしまいます。

 電源タップ(コード)を使えばいいんですが、なんか持ち歩く気にならないんですよね。かさばるし見た目もイマイチじゃないですか。せめて、USBケーブルのように、巻き取れるリール式の電源コードだったらとAmazonで検索したらありましたよ。ただ、プラグの形状がメガネ型です。天才バカボンのおまわりさんの目のような、丸が2個つながった形で、PCのACアダプターに挿すタイプです。普段使っているACアダプターでは使えません。

マイクロソリューション「モバイル電源コード RETRACTABLE POWER CORD」購入価格1,980円。コードの長さは1.0m。色は黒と白がある

 そこで探したのが、メガネ型プラグから通常のコンセントに変換するアダプターです。エレコム「電源タップ ACアダプタ用 2pin 1個口 T-ACTAP21」という製品が見つかりました。これをさきほどの巻き取り式モバイル電源コードにつなげれば、巻き取り式の電源タップの完成です。

 両方で3,000円以上になりましたから、電源コードとすればかなり割高です。しかし、電源が欲しいときにさっと伸ばして使え、撤収時もすばやく片付けられるメリットには代えがたい。「まだ電源ケーブルを束ねて消耗してるの?」とドヤ顔で使っているのを見かけても石は投げないでください。

エレコム「電源タップ ACアダプタ用 2pin 1個口 T-ACTAP21」購入価格1300円。メガネ型プラグから電源を取り、さらに別のACアダプターなどに挿せる。ネットで調べると、2,000円以上、4,000円以上で売っている業者もある。あまり類がないアイテムゆえ強気の値付けだ
2つをガッチャンコ。リール式でもコードが細くて不安ということはない
リール式のUSBケーブルよりは一回り大きい
かつて使用していたリール式電源タップ(左)よりは体積が小さくなった。左のタップは海外で購入したものだが、巻き取りがうまくできなくなっていた
メガネ型プラグはパソコンのACアダプターに直接挿せる。ただ、MacBookのACアダプターには「T-ACTAP21」は厚みがありすぎて接続できなかった
初の実戦投入は行きつけの某カフェで。客席の後ろに電源タップが用意されているがテーブルの方までは動かせず、手持ちのタップが役に立った

小口 覺

雑誌、Webメディア、単行本の企画・執筆、マンガ原作、企業サイトのコンテンツ制作を手がけるライター。日経MJの発表した「2016年上期ヒット商品番付」では、命名した「ドヤ家電(自慢したくなる家電)」が前頭に選定された。

Webページ「有限会社ヌル/小口覺事務所」
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