老師オグチの家電カンフー

日本の夏、自作の「ゴキ取りヘッド」で100発100中

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです

 夏。アイツの季節がやってきました。部屋に忍び寄る褐色のニクいヤツ、そうゴキブリです。文字を見るだけでも嫌な人がいそうなので、以下Gとしますが、皆さんGが出現したときどう対処されているでしょうか。

 わが家では、G担当のワタクシ。小学生の頃はやたらGが出る家に住んでいたので、丸めた新聞紙で叩きつぶしていました。潰すと後で処理するのも嫌な気持ちになりますよね。新聞ももうとってないし。

 ここ10年くらいは、もっぱらダイソンの掃除機で退治しています。もう、サイクロン掃除機は、このためにあると思ってるぐらいです。遠心力で半死状態にはなりますが、潰れたりしませんし、そのまま地面にポイすれば、翌日にはアリさんが処理してくれます。紙パック式の掃除機はダメですよ。死にませんから。サイクロン掃除機と紙パック掃除機の違いを聞かれた時に、これを最後に説明するぐらいです。

 さて、私ぐらいの名人だと、ほぼ100%ノズルの先でGを捕獲できるのですが、初心者には難しいかもしれません。そこで、誰でもカンタンにGを捕らえられる掃除機用ヘッドを作ってみました。

筒状のものなら何でも良かったのですが、100円ショップのボウルを使うことに

 材料は100円ショップで購入したボウル。それに穴を開け、昔使っていた掃除機のホースをつなげました。ノズルのサイズは各社、各製品ごとに違うので、手持ちの掃除機に合わせて輪ゴムなどで調整します。使っていないノズルや、全メーカー共通で使えるタイプのノズルから自作しても良さそうです。

 まだ実戦には投入していませんが、ダミー(Gの代わりにした紙)では機能しました。改善するとすれば、ボウルの部分が透明だと狙いやすいですし、少し柔らかい素材であれば、平らじゃない場所での捕獲率が高まりそうです。スティック式掃除機でも使えるはずですが、吸引力は高い方が捕獲や殺傷が確実です。

 これ製品化したら、1990年代の「スーパーはぼき」のようにバカ売れしませんかね。とりあえず特許(実用新案?)申請しておこうかな。もし興味を持たれたメーカーさんがありましたら、ご連絡ください。お子さんのいるご家庭は、昆虫採集を兼ねた夏休みの工作にいかがでしょうか。

フックの部分がそのままでは隙間ができてしまうので切り取ります。素人工作!
ヤスリでなめらかになるまで削ります
底の部分に穴を開けます。おおまかに開けてからヤスリでなめらかに
ホースを合わせて、内側からグルーガンで固めました。ホースに蛇腹があるので、壁や天井との角度に合わせてぴたっとくっつきそうです
実戦投入イメージ。モザイクがかかっているのはGに見立てたダミーです
スティック式掃除機に装着の図。機動力は高まりますが、捕獲・殺傷能力は吸引力に比例しそうです

小口 覺

雑誌、Webメディア、単行本の企画・執筆、マンガ原作、企業サイトのコンテンツ制作を手がけるライター。日経MJの発表した「2016年上期ヒット商品番付」では、命名した「ドヤ家電(自慢したくなる家電)」が前頭に選定された。

Webページ「有限会社ヌル/小口覺事務所」
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