フランスほのぼの暮らし
フランスママに学ぶ、小遣いナシのフランスで、子どもが小遣いを稼ぐ方法
2018年 9月 3日 07:30
子どもも小学生ぐらいになると、自分で自由に使えるちょっとしたお小遣いが欲しくなりますよね。今回は、フランスママが、どんなふうに子どもにお小遣いをあげているかをご紹介します。フランスには、子どもに毎月決まった金額をあげるような、日本で言う「お小遣い」はありません。子どもが自分から、両親に役立つことをしてくれたら、お小遣いをあげるのがフランス流です。
幼稚園児には、お小遣いはナシ!
まだまだチビッ子である幼稚園児に、お小遣いをあげる習慣はフランスにはありません。それでも、この年代の子どもが小銭をゲットする手段が1つだけあります。それは、自分の歯が永久歯に生え変わるときに、抜けた乳歯を小箱などに入れて、ベッドサイドに置いておくのです。フランスには、「ネズミさんが来て、乳歯と硬貨を取り替えてくれる」という言い伝えがあり、これにちなんだもの。実際は、子どもが寝ている間にママがこっそり交換しておきます。金額は1~2ユーロ(約126~252円)程度で、子どもが大好きなハリボのボンボンが買えるぐらいの額です。
パン屋さんにパンを買いに行って、小銭を稼ぐ
小学生ぐらいになると、近所のパン屋さんにバゲットやパンを買いに行くお手伝いを始めます。バゲットやパンは、一般的に毎日買う家庭が多いので、ほんのちょっとの小銭ですが子どもにとっては嬉しいもの。毎日ではなくときどきでも、子どもにバゲットの代金よりも多めに小銭を渡して、釣り銭を貯金箱に貯めさせるというフランスママも多くいるんですよ。金額は1回で80円程度ですが、毎日買いに行くとなると1か月に2,000円ぐらい稼ぐことができます。まずは貯金箱に貯めますが、まとまった額になった場合には、親が子どもの銀行口座に入金します。
暑い時期には両親の車を洗って、小遣い稼ぎをする
フランスは車社会なのでほとんどの家庭に車があり、気候が暖かくなってきたら、両親の車を洗車してお小遣いを稼ぐ子どももいます。暑い時期になると、水着を着た子どもがビショビショになりながら、楽しく洗車している光景を見かけるようになります。暇なうえに体力をもてあましている夏休み中などに、人気のお小遣い稼ぎです。小学校低学年の子どもは車体を洗うだけですが、高学年や中学生ぐらいになると車内に掃除機をかけたりもします。手を抜かずに、きちんときれいにしないとお小遣いはもらえないので、子どももしっかり掃除します。金額は1回につき2~5ユーロ(約252~630円)ですが、兄弟姉妹が共同で洗車&掃除をする場合には、ランチをマクドナルドやピザなどにしてもらう約束をパパやママとする場合もあります。
庭の芝刈りや雑草取りは、近所への売り込みも
小学校高学年ぐらいから、男の子は特に庭の芝刈りをして、お小遣いを稼ぐ子が多くいます。庭の芝刈りは男の仕事というのがフランス流なので、女の子はあまりやりません。草刈機自体が重くて体力を使うので、涼しい日や曇りの日、夕方遅くになってから庭の隅々まで草刈りをします。だいたい5ユーロ(約630円)程度のお小遣いをもらえます。ご近所さんやお年寄りのお家で、草刈りを必要とする家はないか、自分で売り込みに行ったり、パン屋さんに張り紙を出している子どもも多くいるんですよ。
洗濯物を干したり取り込んだりする
小学生女子の場合は、洗濯物を干したり取り込んだりといったママのお手伝いをして、お小遣いを稼ぎます。アイロンをかけない場合には、きちんと畳んで所定の場所に片付けるまでがワンセット。上手に畳めていなかったり、ママの言う通りにできていない場合にはお小遣いがもらえないので、手抜きをせずにちゃんとやるんですよ。中学生や高校生になると、この作業にアイロンがけがプラスされるようになります。金額は2~5ユーロ(約252~630円)程度ですが、アイロンがけを頻繁にやると5ユーロ(約630円)ぐらいもらえるので、お金が必要なときに人気なんです。
秋ごろから寒い時期には、薪割りをする
フランスの一軒家は、暖炉がある家が多いんです。中学生ぐらいになった男の子には、将来のためにも父親が薪割りや薪運びの手伝いをさせるようになります。最初は薪運びのを手伝わせる程度ですが、次第に斧を使って薪を割る作業を仕込んでいきます。お小遣いがもらえるのは、1人で一通りできるようになってからが一般的です。
薪は重くて、体力も使うので、お小遣い稼ぎには良い仕事なんです。高校生男子になると、ご近所や知り合いのお年寄りの家で、薪割りをさせてもらってお小遣い稼ぎをしている子も多いんですよ。体力のないお年寄りは、薪を暖炉のそばに運んでもらうだけでも重宝します。1回で、10ユーロ(約1,260円)ぐらい稼げるので、お菓子などを友だち同士で買い食いするときなどに使うことが多いです。
高校生になると、お小遣いを稼げる種類も増える
さらに高校生になるといろいろなお小遣い稼ぎができるようになります。女の子に多いのがベビーシッターで、数時間から半日程度、赤ちゃんから幼児までの子どものお世話をします。乳児の場合には、オムツ替えや食事のお世話ももちろんやります。依頼主に気に入ってもらえれば、その後は何度でも呼んでもらえるので手抜きをせずに、きちんとやる子が多いんです。
男の子は、家のリフォームや外壁掃除などの力仕事が多く、1週間で結構な額を稼げるので、必死に頑張る子ばかりです。犬の散歩代行や、車椅子のお年寄りのお散歩&話し相手をして小遣い稼ぎをする子も多くいます。金額は1カ月で50~100ユーロ(約6,300~12,600円)程度で、洋服やCD・靴など好きなものが買える値段です。
旅行先でもお小遣い稼ぎのチャンスがある
フランスママは、携帯電話よりも重いものは持たない主義の人が多く、旅行に出掛けるときでも重いスーツケースなんて持ちません。夫に持たせるのが常ですが、持ちきれない場合や母子旅行では、男女を問わず、我が子を使います。新幹線車内やバスなどの荷物の積み下ろしも、子どもたちに旅先で美味しいものを食べさせるか、欲しいものを買ってあげる約束をして、積極的にやってもらいます。小中学生の場合には2~5ユーロ(約252~630円)を渡します。さらに子どもが高校生以上の場合には、旅先で宿泊先の隣室の人に、突如ベビーシッターを頼まれたり、力仕事を頼まれることもあるんですよ。