シャープ、プラズマクラスターイオンによる美肌効果を実証

プラズマクラスター搭載商品

 シャープは、同社のイオン技術「プラズマクラスターイオン」について、「肌の保湿」「弾力性向上」「キメが整う」という3つの美肌効果があることを実証したと発表した。

 プラズマラスターイオンは、空気中の水分子と酸素分子を電気分解して作りだしたプラスとマイナスのイオンが、ウイルスや菌、ニオイ成分などを無力化するというもの。

 同社では、今年2月にプラズマクラスターイオンによる肌の保湿効果を実証しているが、メカニズムまでは明らかにしていなかった。今回は、プラズマクラスターによる肌の保湿効果のメカニズムを国立大学法人 東北大学 電気通信研究所 庭野道夫教授と共同で実証。それによると、イオンを取り囲んでいる水分子が、肌を想定した物質の表面に付着し「水分子コート」が形成されるという。これによって、肌からの水分の蒸発を抑え、保湿効果が得られるという。

プラズマクラスターイオンの組成2010年2月にシャープが発表したプラズマクラスターによる肌保湿効果。このときには明らかにされなかった肌保湿効果のメカニズムが今回明らかにされたプラズマクラスターを取り囲んでいる水分子が肌の表面に付着して水分子コートを作ることで、肌の保湿効果が得られるという

 実証実験では、水の分子を分析する装置内に、肌を想定したシリコン製のプレートを設置。プラズマクラスターイオンを発生させた場合と、発生させない場合において、プレート表面の水分子コートの形成の有無を確認。プラズマクラスターイオンを発生させない場合、水分子の付着が確認されなかったのに対し、発生させた場合、約10分後には水分子コートが確認できたという。また約80分イオンを発生させて、発生を止めた後も数十分にわたり、水分子によるコーティング機能が持続することが分かったという。

 庭野道夫教授は、今回の実証に対して「水分子に囲まれたプラズマクラスターイオンが、これほどまでに表面に付き易いというのは驚きでした。(中略)皮膚の保湿効果は十分納得できます」とコメントを寄せている。

実験では、プラズマクラスターの発生を止めたあとも水分子コーティングの効果が持続していたという水分子コーティングにより、肌の表面の潤いが保たれるという

 また、シャープでは水分子コートメカニズムによって、肌の保湿効果だけでなく、「肌の弾力性が向上」「キメが整う」という美肌効果があることを発表した。

 これは同社が株式会社 総合医科学研究所に実験を依頼して実証したもの。実証実験では30歳以上65歳以下の健常女性24名に、プラズマクラスターイオン発生装置を28日間、就寝時に使用し、その際の肌の弾力、肌のキメを専用の機器で測定・観察した。

 肌の弾力性については、使用後14日後と28日後にそれぞれ、専用機器で測定。それによると、イオン発生装置を使用した場合、頬の肌弾力性が向上していることが確認できたという。

30歳以上65歳以下の健常女性24名を対象に、就寝中、28日間プラズマクラスターイオン発生装置を使用した28日間で頬の肌の弾力性が向上したという

 肌のキメについては、実験開始から28日後、目尻下の肌状態をマイクロスコープで観察。その結果、使用前に比べて肌のきめが整っていることが確認できたという。

 また、被験者に対して行なった意識調査では、プラズマクラスターイオンを使用した場合、使用しなかった場合に比べ「肌が潤った」「化粧のりがよくなった」「肌が柔らかくなった」という回答結果が得られたという。

 実証実験を行なった総合医科学研究所 代表取締役社長 杉野友哲氏は、今回の実験結果について「プラズマクラスターは肌ケアの対策のひとつとして期待できます」とコメントを寄せている。

60歳女性の被験者の肌のキメの変化31歳女性の被験者の肌のキメの変化意識調査では被験者自身、美肌効果を実感しているという回答が得られたという

 シャープでは、今回実証した新たな効果を活かし、プラズマクラスター搭載商品のさらなる普及拡大を図っていくとする。





(阿部 夏子)

2010年6月4日 15:40