ニュース
シャープ、デザイン・スタイルを重視した空気清浄機・加湿器「S-Style」シリーズ
(2015/8/7 00:00)
シャープは、プラズマクラスターを搭載した空気清浄機および加湿機の新製品として、デザイン性を重視した「S-Style」シリーズを発表した。空気清浄機の「FP-FX2」と、加湿器の「HV-EX30」をラインアップ。新たな需要層の開拓に挑む。
パワフルショット運転や掃除アシスト機能を搭載したプラズマクラスター加湿空気清浄機「KI-WF/FXシリーズ」など8機種も展開。上位機のKI-WF100および同WF75には、ともだち家電機能を搭載し、スマートフォンを通じて空気清浄機を活用したコミュニケーションを可能とした。さらに、プラズマクラスターイオンの累計出荷台数が6,000万台に達したことも明らかにした。
デザイン性を追求したS-Styleシリーズ
今回、新たに投入したS-Styleシリーズは、「上質な空気のカタチ」をコンセプトに、空気をきれいにする様子や潤う様子、その効果を視覚化するとともに、デザイン性を追求した点が特徴。
空気清浄機の「FP-FX2」では、送風ファンが回転している様子を一部見えるようにしており、さらに吹き出し部のモニターによって、空気が浄化されたことを知らせる。
送風ファンには、同社独自のネイチャーテクノロジーを活用。トンボの羽根形状を応用し、スムーズな空気の流れを実現し、送風効率を高めることに成功。さらに、従来ファンが60mmであったのに対して、20mmと薄型化していることで、本体筐体についても従来製品に比べて、奥行きを約2分の1とする98mmにまでスリム化。これまでにないデザインを採用した。
機能面では、高濃度プラズマクラスター25000を採用。微少な粒子まで検知することができる高感度ホコリセンサーの搭載、0.3μm以上の粒子を99.97%以上捕集する静電HEPA・脱臭一体型フィルターを搭載している。適用面積は約6畳。
本体サイズは、430×98×444mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約4.9kg。
シャープ 健康・環境システム事業本部プラズマクラスター機器事業部 副事業部長の冨田昌志氏は、「2012年度に、PM2.5の影響により、空気清浄機の需要が増大したものの、普及率は40%台で留まっている。一般的には40%台に到達すると、むしろ一気に普及が進むものである。なぜ空気清浄機を購入しないのか。55.4%の非所有者を対象に調査したところ、54.8%が購入したい、機会があれば購入したいという意見を持っていた。そこで、空気に対する悩みや購入動機が明確ではない非保有者層に対して、デザイン、スタイル重視の商品によって、購入のきっかけづくりを行なうのがS-Styleの役割になる」とする。
FP-FX2の税別市場想定価格は45,000円前後。9月19日から出荷を開始する。
また、加湿機のHV-EX30は、タンクの水量や部屋の湿度などを、7色のイルミネーションで表示。最大300mL/hの加湿性能によってうるおい空間を作ることができる。10月20日発売で、税別市場想定価格は3万円前後。加湿適用面積はプレハブ洋室が8畳、木造和室が5畳。
本体サイズは345×207×347mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約3.5kg。
なお、S-Styleの「S」には、シンプルとスマートという意味を持たせているという。
ホコリの舞い上がりを抑える「掃除アシスト運転」
S-Styleが、空気清浄機の非保有者を対象にした製品であるのに対して、正常進化として、空気清浄機に関心を持つユーザー層を対象に、性能重視、機能重視の姿勢で応える新製品が、プラズマクラスター加湿空気清浄機「KI-WF/FXシリーズ」となる。
ソファやカーペットなどのスポットを狙って、高濃度プラズマクラスターイオンを直接当てて、付着した料理臭、ペット臭、タバコ臭を消臭し、菌を除菌する「パワフルショット運転」を、昨年の製品に続いて搭載。
「パワフルショット運転を、部屋干しや体臭対策にも活用しているという例があることから、それらの用途にも効果があることを実証した。パワフルショット運転によって、部屋干しの生乾き臭や、30~40歳代特有の体臭であるジアセチルにも、消臭の効果、効能があることを実証している」という。
また、吹き出し口の形状と角度を見直すことで、パフワルショット運転時に、幅広い範囲にプラズマクラスターイオンを飛ばすことができる。
さらに新たに搭載した「掃除アシスト運転」では、掃除で舞い上がったほこりの落下を抑えるとともに、スピード循環気流により素早く吸じんする運転を交互に行ない、掃除の際にホコリが舞い上がる課題に対応。
「掃除機を使う際に、冷暖房をしているために窓を開けたくない、花粉が気になり窓を開けたくないといった場合にも、掃除アシスト運転のボタンを押すだけで掃除ができる」というわけだ。
「雑菌予測モニター」や「静か寝運転」など、ニーズに合わせたモードが充実
そのほか、日本気象協会のtenki.jpの雑菌指数を活用して、雑菌の繁殖しやすい場合に、光と色で警告する「雑菌予測モニター」を搭載。冬場の「乾燥・低温みはり」で、自動運転をおこなってウイルスが生存しやすい環境を改善。夏場の「高温・高湿みはり」では、温度上昇などを感知して警告することで、1年間を通じて、清潔な生活環境づくりをサポートする。
一方、高濃度プラズマクラスター7000搭載の「KC-F70/F50」には、部屋の照明を消すとセンサーが感知して、自動で15db以下の静音運転に切り替わる「静か寝運転」を搭載。子供部屋に設置した場合には、学習前に急速加湿を行ない、最適な湿度を実現する「学習タイム運転」も搭載している。
また、今回発表したすべての製品で、内部に侵入するホコリを低減するホコリブロックプレフィルターを搭載。従来比で約5分の1となる目の細かいフィルターを採用することで、約1.3倍の量のホコリを内部に入る前にキャッチ。集じん性能の低下を抑えるという。「お手入れは背面を掃除で吸うだけという手軽さも特徴のひとつ」とした。
「ともだち家電」機能で、スマホからの遠隔操作が可能
今回の新製品では、「KI-WF100」および「KI-WF75」の2機種に、空気清浄機としては初めて、「ともだち家電」機能を標準搭載した。従来モデルでは、オプションで対応していた。
ともだち家電機能により、外出先のスマートフォンから、部屋の状況を確認したり、空気清浄機の遠隔操作を行えるほか、クラウドを通じて配信される花粉やPM2.5、黄砂などの室外の空気に関する情報を、空気清浄機本体が音声で知らせる。
また、スマートフォンで録音したメッセージを、自宅の空気清浄機で再生できる「家族メッセージ機能」を新たに搭載。録音した音声を、空気清浄機から再生できる。遠くに住む家族とのコミュニケーションツールとしても利用できるという。
操作には、同社が提供するスマホアプリ「ココロボ~ド」が必要だ。
税抜き市場想定価格は、ともだち家電対応の「KI-WF100」が12万円前後、「KI-WF75」が88,000円前後。いずれも9月30日から出荷を開始する。
また、KI-FX100(適用床面積、約26畳)が11万円前後、KI-FX75(約21畳)が78,000円前後、KI-FX55(約18畳)が68,000円前後、KC-F70(約18畳)が58,000円前後、KC-F50(約14畳)が48,000円前後、KC-F40(約11畳)が4万円前後。いずれも9月4日から出荷する。
真似されるものを作るのがシャープのDNA
シャープ 執行役員 健康・環境システム事業本部長の沖津雅浩氏は、「創業者である早川徳次は、常に真似されるものを作れと語り、それがシャープのDNAになっている。それを実現するために、新規特徴を備えた製品を数多く投入してきた。最近では、ヘルシオお茶プレッソを投入し、7月からは米国でも販売を開始。ふとん掃除機のコロネは計画の3倍、天井設置型イオン発生機は計画の2倍の生産実績となり、高い評価を得ている。とくに、健康・環境事業においては、プラズマクラスター技術、ココロエンジン、過熱水蒸気技術、ネイチャーテクノロジーにより差別化している」とした。
なお、同社では、健康・環境事業の中核技術であるプラズマクラスターを搭載製品の全世界の累計出荷台数が、2015年7月末で、6,000万台に到達したことも明らかにした。
2000年10月に発売以来、約15年で達成したことになる。現在、自社製品で15品目、異業種企業では26社が採用。BtoC向け製品では、空気清浄機や冷蔵庫、洗濯機などのほか、天井設置型イオン発生機やベッドサイド用イオン発生機を投入。BtoB向けでは、壁掛け棚置き型の空気清浄機のほか、製造現場向けの除電特化型イオン発生機、配線ダクト取り付け型のイオン発生機のほか、北陸新幹線にも搭載している。
「今回のS-StyleをはじめとしてBtoC分野での新たな価値提案により需要を創造。BtoB分野の拡大、海外事業の拡大により、シャープらしい健康・環境事業の追求を行なう」としている。