三菱、季節に応じて炊飯工程を調節する“季節炊き”搭載のIH炊飯器

本炭釜 NJ-VW103

 三菱電機は、季節に応じて炊飯工程を調節する“季節炊き”搭載のIH炊飯器「本炭釜 NJ-VW103」を8月21日より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は8万円前後。

 同社の最上位機種「蒸気レスIH」シリーズに次ぐ、ボリュームゾーンのIH式炊飯器。三菱電機の炊飯器は沸騰時に沸き上がる気泡とうまみ成分を分ける独自のカートリッジを搭載しており、火力を弱めることなく連続的に加熱を行なう連続加熱技術が特徴。高温を維持することで、ふっくらとおいしく炊きあげることができるという。2012年モデルでは、季節に応じて、炊飯工程を調整する「季節炊き」機能を新たに搭載した。

 同社によると、米は生ものので、状態は常に変化しているという。秋に収穫したばかりの米は水分を多く含んでおり、春から夏にかけての米は収穫から時間が経過しているため、含有水分量が少ない。そのため、同じ炊き方をしても米の状態によって炊きあがりも変化するという。

 季節炊き機能では、米の状態に合わせて「秋冬モード」と「春夏モード」に2種類を用意。水分量を変えることなく、火力や工程時間を調整することで、米の状態に左右されることなく、ベタつきやパサつきを抑える。

 記者も通常炊飯したごはんと春夏モードで炊きあげたご飯を食べ比べてみた。春夏時期の米は水分が少なく、普通に炊くとぱさつきが気になるという。食べ比べてみると、その差は歴然で、春夏モードで炊きあげたご飯は、もっちりとした甘みが感じられたのに対し、通常炊飯で炊いたご飯はパサつきが気になり、口に入れた時ももさもさとした食感だった。

 本体には季節炊き以外に、炊きあがりを「ふつう/かため/やわらかめ」の3つから選べる機能も備えており、季節炊きと組み合わせることで、より自分の好みの炊きあがりに近づけることができるとしている。

フタを開けたところ本体上部液晶画面。写真は春夏モードを選んでいるところ
ごはんを炊いたところ内フタ。手入れしやすいように、カートリッジと内フタを一体型としたカートリッジのフタを開けたところ。ここにうまみ成分が溜められ、うまみ成分のみが釜内に戻される

 内釜は炭素材料を99.9%使用した、底部中央分の厚さ7.5mmの「本炭釜」を採用。水位合わせがしやすい三菱独自の「Vピタ目盛」を採用する。

炭素材料を99.9%使用した、底部中央分の厚さ7.5mmの「本炭釜」を採用する釜の内側水位合わせがしやすい「Vピタ目盛」を採用する

 省エネ性では、炊飯後保温をせずにすぐに電源が切れる「保温切」機能を新たに搭載。同社によると、節電意識の高まりから、保温機能を使う人は年々少なくなっており、2011年の調査では約半分の人が保温しない、あるいは保温時間を1時間以下にしていると回答している。保温切機能は、これらの使用実態を受けて新たに搭載したという。

 また、本体液晶画面に節電状態を星の数で表す機能も備える。これは保温切機能を入れた場合や、消費電力量を抑えて炊飯する「エコ炊飯」などを選択すると表示されるもので、節電意識の向上につながるとしている。

 使い勝手の面では、従来最上位機種にのみ搭載していた音声による案内機能をNJ-VW103にも搭載。液晶画面は文字が読みやすいバックライト搭載で、高齢者にも読みやすいように文字サイズを5.5mmとする。

 本体サイズは237×292×218(幅×奥行き×高さ)で、重量は5kg。炊飯容量は1L。最大消費電力は1,350W。本体カラーはピアノブラック。

 下位機種として、内釜の厚さ3.5mmで音声ガイド機能を省略した「NJ-VX103」、季節炊き機能、バックライト液晶を省略した「NJ-VV103」、内釜の厚さ2mmの「NJ-VE103」も同時発売する。

 価格はオープンプライス。各機種それぞれ1Lタイプと1.8Lタイプが用意される。「NJ-VX103」の店頭予想価格は順に60,000円前後、63,000円前後、「NJ-VV103」は40,000円前後、43,000円前後、「NJ-VE103」は30,000円前後、33,000円前後。

内釜の厚さ3.5mmで音声ガイド機能を省略した「NJ-VX103」。本体カラーはルビーレッドとピアノブラックの2色季節炊き機能、バックライト液晶を省略した「NJ-VV103」。本体カラーはロイヤルネイビーとピュアホワイトの2色内釜の厚さ2mmの「NJ-VE103」。本体カラーはピュアホワイトのみ




(阿部 夏子)

2012年7月30日 12:54