ダイキン、体感温度を設定温度から最大5℃上げるエアコン

~4方気流が進化した「ラウンド気流」で斜めにも送風
うるるとさらら Rシリーズ

 ダイキン工業は、暖房時の体感温度を設定温度から最大で5℃上げるエアコン「うるるとさらら Rシリーズ」を、2012年2月1日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は19万8千円から33万8千円前後。


人感センサーで居場所を集中的に暖めて、体感温度を向上「新・快適エコ自動運転」

 ダイキンのエアコンの最上位モデルに当たる製品で、同社独自の自動運転機能「快適エコ自動」運転を強化した点が特徴。快適エコ自動運転とは、温度と湿度、気流をコントロールすることで、節電しながら室内の快適性を維持するように空調する機能だが、新製品ではこれに人感センサーを追加。部屋を「右エリア」「中央エリア」「左エリア」に3分割し、人の居場所に吹き分けて集中的に暖めることで、消費電力を抑えるという。同社ではこれを「新・快適エコ自動運転」としている。

人感センサーを新たに採用。人の居場所を中心的に暖める

  この新・快適エコ自動運転による暖房運転で、温度設定「20℃」(湿度50%)で運転した場合の体感温度は、従来のエアコンで設定温度25℃(湿度25%)の場合、また前年モデルの「快適エコ自動」運転の22℃設定時(湿度50%)の場合と同じという。同社では、設定温度よりも最大でプラス5℃の暖かさを実現し、寒い冬でも設定温度を上げずに快適な空間をつくる“うるおい節電”が可能としている。

湿度もコントロールすることで、温度設定が20℃でも、従来モデルで「25℃」や「22℃」と体感温度は同じになるという

 また、冷房時における新・快適エコ自動運転では、湿度を下げながら、自然の風に近い風「ゆらぎ気流」を人に当てて体感温度を低くすることもできるという。

 同社では新・快適エコ自動運転を使うことで、年間で最大約30%の節電を実現するとしている。

斜めにも空気を吹き出す「ラウンド気流」。余熱で霜を溶かす「翌朝暖房」も搭載

 さらに、上下左右に空気を吹き出すダイキン独自の「4方気流」も強化した。新製品では、、左右の吹き出し口の形状に沿って気流を曲げる「サイドコアンダ機構」を採用することで、従来ではできなかった“斜め”方向にも風が吹き出るようになった。同社ではこれを「ラウンド気流」としている。

 このラウンド気流により、エアコンの気流が届きにくい、室内機の斜め方向エリアの温度が、従来の4方気流より約2℃アップするという(暖房の運転開始から40分後の場合)。ワイドリビングでも、足元までしっかり気流が届くという。

斜め方向に風を送る「ラウンド気流」を、新たに搭載した
ダイキンの気流の進化。ラウンド気流では、4方気流では届かなかった斜め方向にも風を送っている
14畳の暖房を想定した同社の実験。4方気流よりも、斜め方向に暖気が届きやすくなっている

 新しい運転モードとしては、「翌朝暖房」を採用した。これは、エアコンの立ち上がりの遅さの原因となっていた霜取り運転を、運転終了後の余熱を使って夜間に行ない、その翌朝に30分のノンストップ暖房を行なうというもの。翌朝暖房では、運転開始から1分で温風がスタートし、その3分後から30分間、50℃の温風を連続で吹き出す。この温風が当たるエアコン下の空間を同社では「ぬくもりゾーン」としており、ストーブにあたる感覚で体や衣類が温められ、新しいエアコンの使い方が可能という。

運転終了後の余熱を使って、夜のうちに霜取り運転をする「翌朝暖房」翌朝暖房を使った場合の、体の温度の違い。通常暖房よりも高い温度を保っている

 内部機構では、「インターリブPAM」という高効率・低損失のインバーターを搭載。定格出力4.0kWクラスのAPFは、“業界トップクラス”を謳う「6.6」となり、また暖房低温能力も、従来の7.3kWから8.0kWに向上した。

 なお待機電力は、200Vの大型タイプでも従来機種の約85%減となる0.1Wで、運転停止中も無駄な電力を使わないという。


消し忘れを自動で停止、強制的にピークカットする節電機能も

 節電機能としては、新・快適エコ自動運転のほかに3つ用意される。1点目は、人感センサーが人の有無を感知し、不在時には運転を控えめにする「消し忘れ防止機能」。長時間不在時には自動で停止する。

 2点目は、設定温度を変えた後に一定時間経つと、元の設定温度に戻る「快適エコ自動復帰」。帰宅時や風呂上りなど、一時的に設定温度を変えた時の戻し忘れが防止できるという。

 3点目は、電流値の上限を設定して、最大消費電力を約15%抑える「パワーセレクト機能」。緊急の節電対策として、強制的にピークカットができるという。

 メンテナンス面では、ダイキン独自の除菌・脱臭技術「光速ストリーマ」の発生機能を搭載。フィルターに捕獲したダニのフンや死骸、カビや花粉、また室内機の内部のカビ菌やニオイの原因菌を分解、除去するという。

 このほか、リモコンには大画面の新型リモコンを採用。リモコンのボタンは暗い場所でも光る蓄光タイプとなる。

新リモコンダイキン独自の除菌・脱臭技術「光速ストリーマ」も搭載する
【ラインナップ】
品番電源適用畳数店頭予想価格
AN22NRS-W(C)単相100Vおもに6畳19万8千円
AN25NRS-W(C)おもに8畳21万8千円
AN28NRS-W(C)おもに10畳23万8千円
AN36NRS-W(C)おもに12畳24万8千円
AN40NRS-Wおもに14畳25万8千円
AN40NRP-W(C)単相200V
AN56NRP-W(C)おもに18畳28万8千円
AN63NRP-W(C)おもに20畳31万8千円
AN71NRP-W(C)おもに23畳33万8千円





(正藤 慶一)

2011年11月9日 17:19