三菱重工、中国の家電量販店大手と新会社設立

~省エネ技術で中国市場で巻き返しを図る
床置インバーター機種GIシリーズと壁掛インバーター機種MIシリーズ

 三菱重工業と、中国家電量販最大手の蘇寧電器股※(にんべんに分)有限公司は、家庭用エアコンの販売とアフターサービスを担う新会社「菱重家用空調系統(上海)有限公司(略称:MHIRS)」を合弁で設立したと発表した。中国国内における家庭用エアコンの市場を積極的に開拓していくことが狙い。両社は26日に南京市で調印式を行ない、新会社は2012年1月1日より営業を始める。

 三菱重工では昨年、中国で業務用エアコンや大型冷凍機などの空調機事業を扱う「三菱重工空調系統(上海)有限公司(略称:MHIAS)」を設立した。今回設立したMHIRSでは、MHIASの人材や地域拠点などの資源を共有し、中国市場における戦略の一元化を狙うとしている。

 MHIRSの資本金は3,200万元(約3.9億円)で、出資比率は三菱重工が85%、蘇寧電器が15%。董事長には三菱重工の有原正彦冷熱事業本部長、副董事長には蘇寧電器の王哲副総裁がそれぞれ就任する。

 両社では、商品開発の共同プロジェクト推進室をMHIRS内に設置し、消費者のきめ細かなニーズも取り込んでいくという。

 中国での家庭用エアコンの需要は、年間3,000万台を超える規模で推移しているが、中国の国内メーカーのシェアが高く、日系メーカーは苦戦を強いられているという。とはいえ中国国内では近年、省エネ規制が強まり、インバータエアコンの需要が急成長している。日系メーカーは、省エネ製品技術で巻き返しを図っている。






(小林 樹)

2011年10月26日 15:11