冬の節電には“まほうびん構造”の電気ポットが効果的――象印が説明会

象印マホービン「VE電気まほうびん 優湯生 CV-VS型」

 象印マホービンは、電気ポットや電気ケトルなどの「湯沸かし家電」に関する記者説明会を開催。冬シーズンの節電には、同社が発売する保温力の高い“まほうびん構造”の電気ポットを使うことが有効だとアピールした。


震災後は8割の主婦が節電。うち9割は“今後も節電”

 発表会ではまず、首都圏と関西圏に住む20代から60代の500人の主婦を対象に実施した「キッチンまわりの節電」に関するインターネット上でのアンケート結果が報告された。これによると、今夏の電力需要の逼迫を受け、家庭のキッチンで節電に取り組んだ主婦は、全体の8割以上となっており、このうち9割以上は今後も節電したいと答えているという。

 節電の対象として挙げられたキッチン家電は、炊飯ジャーが85.2%、電子レンジが37.5%、電気ポット32.6%だった。具体的な節電方法としては、「コンセントをこまめに抜いて待機電力を抑えた」、「できるだけ使わないようにした」、「機能の一部を使わないようにした」などの回答が挙げられた。

キッチンまわりで取り組んだ節電の中でも、家電で節電した人は、全体の65%具体的な節電方法としては、コンセントを抜いて待機電力を抑えた人がもっとも多かった
CV-VS型の内容器のようすお茶のうまみを引き出すため、弱アルカリ性のお湯に沸き上げて、茶葉のカテキン抽出を促進する「VE電気まほうびん 優湯生 CV-PT型」

 象印マホービン広報担当部長小田恒敬氏によると、環境や節約、省エネ志向は、震災の前から高まっていたという。「特に保冷・保温効果の高いまほうびん構造を採用したステンレスボトルは、ここ数年で順調に市場を拡大し、2009年には1,000万本を超え、2012年には1,400万本を超える見込み。震災後も売り上げは継続して伸びており、節電志向が定着してきたことを示している」と語った。

象印マホービン広報担当部長小田恒敬氏まほうびん構造を内容器に採用したステンレスボトル

認知度は低いが、省エネ効果は高い電気ポット「VE電気まほうびん」

 電気ポットや電気ケトルといった湯沸かし家電の中でも、特に省エネ性能が高いのが、電気ポット「VE電気まほうびん」という。

 VE電気まほうびんとは、内容器にまほうびん構造を採用し、保温時の消費電力を抑える電気ポットだ。容器の内側に2つの断熱層を設けることで、保温性を高める。VE構造ではない電動ポットに比べると、年間の消費電力は約1/2に抑えられ、年間の電気代は約4,000円節約できるという。

電気ポットと電気ケトルでは、お湯を沸かすのにかかる消費電力は変わらない。違いは、保温時の消費電力だVEまほうびんとは、内容器にまほうびん構造を採用した電動ポットのこと
年間の消費電力は約1/2に抑えられる年間の電気代は約4,000円節約できる

 省エネ機能も充実している。同社が今秋発売した「VE電気まほうびん 優湯生 CV-PT型」では、2時間以上使われていないと自動で電源が切れる「省エネモード」や、周囲が暗くなったら保温ヒーターがOFFに、明るくなったらONになる「光省エネモード」など、きめ細やかな省エネ機能などを搭載する。

最新のVE電気まほうびんには、2時間以上使われていないと自動で電源が切れる「省エネモード」が搭載されている「VE電気まほうびん」電気ポットと普通の電気ポットの本体の暑さをサーモグラフィーで比較VE電気まほうびんでは、熱くならない本体や、倒れてもお湯が漏れない設計など安全面でも配慮されている

 だが、今回の意識調査では、東日本大震災後、多くの主婦が節電を心がけているにも関わらず、省エネ性の高い「VE電気まほうびん」へ買い替えたという人は少ないということがわかった。また、「まほうびん」の保温、保冷効果について知っている人は全体の7割以上にのぼった一方で、VE電気まほうびんについて知っている人は2割程度に止まり、VE電気まほうびんの認知度の低さも明らかになった。つまり、「まほうびん」は節電と認識しているが、「電気ポット」は節電のためにできるだけ使わない製品として捉えられており、せっかくの「VEまほうびん」の節電性が伝わっていないということだ。

 商品企画を担当した象印マホービン第二事業部サブマネージャー折原健太郎氏は、「秋から冬に向けて、温かい飲み物を飲んだりする機会が増える。VE電気まほうびんなら、お湯の熱さをキープしながら継続的に節約できるので、これから認知度をどんどん広げていきたい」と抱負を語った。

 湯沸かし家電の市場は、年間の販売数が500~550万台と、安定して推移している。その半数近くを占める電気ポットの中でも、省エネ効果の高いVE電気まほうびんは、今後の需要の伸びが見込まれるという。

今回の意識調査では、多くの主婦が節電を心がけているにも関わらず、省エネ性の高い「VE電気まほうびん」の認知度は低いことがわかった象印マホービン第二事業部サブマネージャー折原健太郎氏湯沸かし家電の市場。電気ケトルが半数以上を占めるが、今後はVEまほうびんタイプの電気ポットの需要の伸びが見込まれるという

 同社によれば、近年の日本人のライフスタイルは、単身世帯や、夫婦共働きの家庭の増加など、多様化してきている。一定の量のお湯を沸かしいつでも使える電気ポットと、必要なときに必要な分だけお湯を沸かせる電気ケトルは、今後も生活シーンや家族構成にあわせて使い分けられていくことが予想されるという。

近年、1人暮らしや2人暮らしなどの単身世帯が増加している電気ポットは、家でお茶やコーヒーを飲む機会の多い人や、赤ちゃんのいる家庭に適しているという





(小林 樹)

2011年9月29日 00:00