関西電力、国内で初めて変電所にニッケル水素蓄電池を設置
~堺太陽光発電所と連系して需給の制御を実験
関西電力は7日、大阪府堺市の石津川変電所内にニッケル水素蓄電池を設置し、太陽光発電の導入に対応できる需給制御システムの試験を開始した。石津川変電所は、9月7日に営業運転を開始した堺太陽光発電所が発電する1万kWの電力を受ける。
関西電力では、供用中の電力系統にニッケル水素充電池をつなぎ、需給制御の研究を行なうのは国内初としている。
研究テーマは3つ設定されている。1つは、太陽光発電が大量導入されても、電力系統全体の周波数を一定に保つための需給制御システムの研究。2つ目は、需給制御用としてのニッケル水素蓄電池の適性と寿命の評価。3つ目は、太陽光発電の規模に見合う蓄電池容量の評価。
設置された蓄電池は、川崎重工製で、スタック数48台、定格電圧576V、定格容量177Ah、エネルギー容量約100kWh、出力250kW(インバータ連系)。
堺太陽光発電所と石津川変電所との位置関係 | 国内最大の発電量を誇る堺太陽光発電所 |
使用されるニッケル水素蓄電池 | 設置の様子 |
太陽光発電や風力発電の場合、日射量や風力の変化によって発電量が変動するため、従来の電気系統に接続する割合が限られている。石津川変電所では、約7万kWの負荷に対して、1万kWの太陽光発電が連系するため、太陽光発電の比率が高い。蓄電池をバッファとして用意することで、電力系統の供給信頼度を確保するための運用ノウハウの取得が目的となる。
システム構成図 |
(伊達 浩二)
2011年9月7日 18:13
-ページの先頭へ-