北海道電力、泊原発3号機が営業運転に復帰

 北海道電力は8月17日、泊発電所3号機が定期検査を終え、営業運転に復帰したと発表した。

 泊原発3号機は、2009年に運転開始した原子力発電所で、定格出力は91.2万kW。

 原子力発電所は、ほぼ1年に1回の定期検査が義務づけられており、1回の検査には約3カ月を要する。泊原発3号機は、1月5日に定期検査を開始し、4月上旬に終了の予定だった。

 3月初旬には定期検査をほぼ終了し、3月7日に発電を再開した。しかし、東日本大震災による緊急安全対策の追加などにより、検査中のまま調整運転という形で発電を継続していた。これに対し、経済産業省は、7月8日に総合負荷性能検査を受けるよう指導、8月10日に総合負荷性能検査を終えていた。

 中部電力の浜岡原子力発電所が政府の要請によって停止して以来、定期検査から営業運転へ復帰した原子力発電所はない。泊原発3号機は、震災の時点ですでに発電を行なっていたため、特殊な事例ではあるが、定期検査から復帰した初めての例となる。

 泊原発3号機は、すでに発電中であったため、現在の発電量が増えるわけではないが、次回の定期検査が予定されている2012年春まで発電所の動作が承認されたことに意義がある。

 北海道電力は、現在、東京電力と東北電力に30万kWずつの融通送電をおこなっている。また、道内では、夏期よりも冬期の方が電力需要が増大する。泊原発3号機が復帰できない場合は、融通送電の中止や冬期の電力不足などの可能性があった。






(伊達 浩二)

2011年8月17日 21:51