富士通、コンセントごとの電力を“見える化”する電源タップを開発

~小型センサーで計測、オフィスの消費電力を20%削減する例も

富士通研究所が開発した「スマート電源タップ」
 富士通研究所は、コンセントごとの消費電力を測定する電力センサーを内蔵した電源タップ「スマート電源タップ」を開発したと発表。オフィスにおいてコンセント単位の消費電力を可視化し、パソコンの消し忘れなどの不要電力を明らかにすることで、省エネをより推進できるという。

 同社によると、コンセント単位の消費電力を把握するには、従来までは電力センサーのサイズが大きく、またネットワークを通じてデータを収集する機能がないため、表示データを手作業で集めるなどの問題があったという。

 今回開発されたスマート電源タップは、“業界最小クラス”という小型テーブルタップサイズ。コンセント内に非接触で消費電力が測定できる小型の電流センサーを搭載しており、コンセントごとに1W単位で最大2kWまで計測できる。またセンサーの電飾部は、コンセントから電極を伸ばした構造とすることで、隣り合うコンセントの影響を受けにくい仕様となっている。

 このタップをスケジューラと連携することで、ユーザーの業務と消費電力を関連づけて表示したり、勤務メンバー間の消費電力を比較表示するといった“見える化”も可能。離席時の電気スタンドやディスプレイの電源を切ったり、消費電力の多いデスクトップパソコンからノートパソコンのを利用を促すといった、個人単位での省エネができるという。

 同社が試行したケースでは、従来に比べて約20%の消費電力削減ができたとしている。今後は、社内・社外の実証実験により、機能や省エネ効果の検証を進めていく予定としている。

センサー装着部の電極構造(右)と、センサー部の拡大図(左)スケジューラーと連携することで、消費電力の“見える化”を実現、消費電力の削減が推進できるという



(正藤 慶一)

2010年4月1日 00:00