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日立、廃熱の再利用で消費電力が半分になった「ビッグドラム」

~15分でシワを伸ばす「スチームアイロン」機能も

ビッグドラム V3100
 日立アプライアンス株式会社は、廃熱を再利用し、低消費電力で乾燥できる洗濯10kg・乾燥6kgのドラム式洗濯乾燥機「ヒートリサイクル 風アイロン ビッグドラム V3100」を10月12日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は31万円前後。左開きのほか、右開きのモデルも用意されている。

 ビッグドラムシリーズは、直径60cmを超える大型のドラムが特徴。大型のドラムには、高いたたき洗い効果と、乾燥時にシワができにくいという利点がある。前機種ではドラム内で強風を発生させて、洗濯物のシワを伸ばす「風アイロン」機能が目玉だった。

 今回の新機種では、「他社に比べ弱点と言われていた」(常務取締役 家電本部長 石井吉太郎氏)省エネ性能を劇的に改良したのが特徴。

 洗濯乾燥機では、乾燥時の消費電力をいかに削減するかが省エネ化のカギになる。そのため、パナソニックや東芝は、ヒートポンプを搭載し、消費電力を削減している。日立はヒートポンプではなく、動作中のモーターなどから出る熱を回収し、乾燥に再利用する「ヒートリサイクル乾燥」機能を搭載した。

 乾燥工程の後半、モーターに熱が溜まってきた頃に、本体上部近くの吸気口から暖まった空気を回収。その熱を、温風の循環のためだけに設けられた「ジェットファンモーター」で圧縮し、さらに熱エネルギーを高め、庫内に再度送り込む仕組み。

 従来は、機器全体が発する熱エネルギーの6割ほどしか乾燥に利用されていなかったが、この使用率を8割まで上げた。これにより、6kgの洗濯・乾燥を約123分で仕上げる「快速洗乾」コースの使用電力量で従来機比77%オフの1,135Wh、同じ工程に約157分かける「標準」コースで同50%オフの980Whまで削減した。


本体背面
このモーターから出る熱を乾燥に使う 真ん中にあるエコフラップで捉えた温風をジェットファンモーターで圧縮してドラム内に送り込む

操作パネル
洗剤ケース
乾燥フィルター

ヒートリサイクルシステムの概要 温風を循環させるターボファンユニットの構造 新たにスチームアイロン機能も

ヒーター使用時は500Wくらい消費電力があるが…… 廃熱利用時は121W。この差が消費電力量の差になる

 省エネ化についで、大きく変わったのが洗濯物のシワを伸ばす機能。強い風を当ててシワを伸ばす「風アイロン」機能に加え、「スチームアイロン」機能が加わった。これは、既に乾いた1~2枚のシャツを、15分かけてスチームを当てシワを伸ばし、ニオイも除去するという機能。「風アイロン」は乾燥工程に含まれる機能だが、「スチームアイロン」は仕上げだけを行なう機能で、文字通りアイロンがけに近い仕上がりが得られるという。

 また、「風アイロン」機能も、従来機では2kgまでの洗濯物でしか使えなかったが、これが3kgに増えている。同社では、この3kgを「3人家族の1日分相当」としている。

 さらに、ドラム式の弱点とされている洗浄能力も改善。高濃度の洗剤液を、シャワーにして繰り返し洗濯物に浴びせて汚れを落とす「循環オートシャワー」機構を新たに搭載した。


ドラムの直径は60cmから61cmになった 使用水量が少ないのがドラム式の利点 7年前に比べるとランニングコストの合計は2割になった

左が綿55%、化繊45%の形態安定シャツを吊り干ししたもの、右がスチームアイロン機能を使ったときのもの。右の方がシワが少ない 吊り干しのほうはポケットの周りにシワが目立つ スチームアイロン機能を使ったもの。ワキのあたりでもシワがない

綿100%のシャツを吊り干ししたもの スチームアイロン機能をつかったもの。綿100%でもこれだけシワが伸びる

 このほか、運転状態やエラーの内容を音声で知らせるガイド機能や、ボタンを押すだけで基本的な使い方を教えてくれる「おしえてボタン」を搭載。詳細な使い勝手については同梱のDVDで解説するなど、使い勝手の面も配慮している。

 本体サイズは735×620×1,050mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約88kg。ボディカラーはシャンパン、プラチナの2色。使用水量は洗濯時80L、洗濯~乾燥時58L、風呂水使用時で7L。

 なお、洗濯容量が9kgとなっている中位機種「BD-V2100」、ヒートリサイクル乾燥や風アイロン機能を省いた下位機種「BD-V1100」も同時に発売する。いずれも、左開き、右開きの双方が用意されている。店頭予想価格はBD-V2100が27万円前後、BD-V1100が22万円前後。


日立アプライアンス 常務取締役 家電事業部長 石井吉太郎氏
 石井氏は、新機種の目玉となるヒートリサイクル乾燥について、「日立はヒートポンプをやらないのかと言われ続けていたが、そうした質問には応えてこなかったのには、この技術を開発していたから。4年がかりで開発した日立独自の新技術だ」と自信を見せた。





URL
  日立アプライアンス株式会社
  http://www.hitachi-ap.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2008/09/0922.html

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そこが知りたい家電の新技術
日立アプライアンス 洗濯乾燥機「ビッグドラム BD-V1」(2007/02/19)



( 本誌:伊藤 大地 )
2008/09/22 17:41

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