東芝、直下照度で白熱電球100W形以上の明るさを持つLED電球
~“業界No.1”の明るさと発光効率。調光器対応タイプも
E-CORE(イー・コア) 一般電球形8.7W 電球色相当「LEL-AW8L」 | 昼白色相当の「LEL-AW8N」 |
すでに発売している6.3W、4.1Wタイプとの比較展示 | 製品パッケージ |
●業界No.1の明るさと発光効率――「一般電球形8.7W」
「一般電球形8.7W」の本体 |
また、全光束は電球色タイプが610lmで白熱電球40~60W形相当、昼白色タイプは810lmで白熱電球60W形相当となる。消費電力1W当たりの効率は、昼白色タイプでは93lm。これは全光束の810lmとともに“業界No.1”の数値だという。
東芝のLED電球のメリット一覧 | 昼白色タイプの全光束810lmと発光効率の98lm/Wは“業界No.1”だという | 一方でランプ単体の全光束は、白熱電球40Wの約1.2倍程度。指向性の強いLEDの光の特性が表れている |
東芝ライテック 恒川真一 取締役社長 |
本体サイズは60×119mm(直径×高さ)と、一般的な白熱電球に近い形状とすることで、従来の白熱電球器具との適合率を高めている。
このほか、定格寿命は40,000時間という長寿命。光は赤外線や紫外線をほとんど含まないという。
重量は130g。最大光度は電球色タイプが157cd、昼白色タイプが198cd。平均演色評価数は、電球色タイプがRa80、昼白色タイプがRa70。
8.7Wの電球グローブを取り外したところ。光源となるLEDモジュールが搭載されている | LEDのチップを多数並べ、その上から蛍光体を塗布し、発光する仕組みとなっている |
小型化した回路と放熱フィンにより、本体の形状を電球に近づけている | 白熱電球に近い本体形状は東芝のこだわり。照明器具の適合率が高くなっている |
●調光器に対応――「一般電球型 7.1/4.5W」
調光器でも使用できるLED電球として、「ECORE(イー・コア) 一般電球形7.1W」と、「一般電球形4.5W」の2タイプも、11月16日に発売する。希望小売価格は、7.1Wが6,510円、4.5Wが6,300円。8.7Wと同じく、E26口金に接続できるLED電球。チラツキを軽減する回路を組み込んだ、LED電球用の調光用マイクロインバータを採用しており、調光器のソケットに取り付けて、0%~100%までスムーズに明るさが調節できるという。
光色は電球色相当と昼白色相当の2タイプが用意される。7.1Wの直下照度は、電球色タイプが白熱電球60W形以上、昼白色タイプが白熱電球100W形 に近く、4.5Wの直下照度は、電球色タイプが白熱電球40W形以上、昼白色タイプが白熱電球60W形に近い明るさだという。なお全光束は、7.1Wが 330/535lm(電球色/昼白色タイプ)で白熱電球30~40W相当、4.5Wは230/340lm(同)で白熱電球20~30W相当となる。
7.1Wの電球色相当「LEL-AW7L/D」 | 7.1Wの昼白色相当「LEL-AW7N/D」 |
4.5Wの電球色「LEL-AW4L/D」 | 同じく4.5Wの昼白色「LEL-AW4N/D」 |
7.1Wを調光しているようす | 発表会の会場のオブジェにも、調光器対応タイプのLED電球が用意されていた |
定格寿命は8.7W形と同じく40,000時間。4.5Wは密閉型器具にも使用できる。消費電力はそれぞれ7.1Wと4.5W。
本体サイズはいずれも60×109mm(直径×高さ)。重量は145g。7.1Wの最大光度は、電球色タイプが79cd、昼白色タイプが126cd。4.5Wでは、電球色タイプが57cd、昼白色タイプが81cd。平均演色評価数は、7.1/4.5Wと、電球色タイプがRa80、昼白色タイプがRa70。
0%から100%までの、滑らかな調光が可能だという | 電球型蛍光灯やLED電球は、基本的に調光器に対応しないが、本製品なら使用可能 |
ダウンライトやブラケットに使用するLED「フラット形6.4W」も発売。口金は薄型の「GX53」 |
また、ダウンライトやブラケットなどの照明器具に搭載されるLED照明ユニットの新モデルとして、より薄型化を進めた「E-CORE フラット形6.4W」も、10月16日に発売。同日に発売されるダウンライト4機種をはじめ、今後は同ユニット専用のLED照明器具が全部で41機種発売する予定だという。
従来のミニクリプトン電球を使用したダウンライト器具(右)との比較。薄型化を図っている | ブラケットライトに使用中のようす | ダウンライトにも使用される |
こちらは、既発売のLED防犯灯と街路灯 | E-COREシリーズで、家庭から公共スペースまで、幅広いラインナップが揃っている |
●2009年は“LED元年”――「新照明システム事業」をスタート
東芝 取締役 代表執行役副社長 室町正志氏 |
新照明システム事業とは、「100年に1度ともいわれる照明のパラダイムシフト」(室町副社長)に備え、デバイスから照明器具、世界的なインフラまで、東芝グループ全体で幅広い事業範囲に対応するというもの。ラインナップの拡充や世界的な事業展開により、2015年度までに、3,500億円の売上高を目指す。
室町副社長は、東芝グループの照明事業の強みについて「照明器具やランプを取り扱う一般照明事業のほか、パソコンやテレビのバックライトを扱う産業用照明事業、材料や部品事業に至るまで、幅広い事業範囲と総合力を併せ持っているところ」と説明。また、「世界規模での省電力化の動きは、新照明事業にとって追い風となるため、グローバル展開は不可欠」として、2015年には海外売上比率を、現在の3~4%から30%以上にする方針も明らかにした。
2009年を「LED元年」と宣言 | グループ全体で「新照明システム事業」をスタート。2015年度までに3,500億円の売上高を目指す |
室町副社長は、東芝の照明事業の強みとして「幅広い事業範囲と総合力を併せ持っているところ」を指摘 | 海外への展開も視野に入れている |
東芝ライテックの恒川社長は、家庭のLED電球に切り替えることで、年間で170万tのCO2が削減でき、さらに国内の照明をすべてLEDに置き換えれば、年間で2005年の約52%減となる約2,730万tのCO2が削減できるとの試算を発表。そのうえで「日本の照明がすべてLEDに置き換わることを期待している」と話した。
また、LED電球は初期購入費の高さが普及のネックになっているともされているが、恒川社長は「LEDが光っているのは半導体。半導体産業のならわしとしては、たくさん作れば価格的にはメリットが出る。今後は普及の度合いや(他者との)競争によって、低価格化することも覚悟している」と、低価格化への可能性も示した。
一般家庭における照明器具の電力消費量は、エアコンに次いで2位。LED電球に切り替えることで、年間170万tのCO2削減効果があるという | また、日本のすべての照明をLEDに置き換えれば、CO2排出量は年間2,730万t省けるという |
発表会ではモデルさんが白熱電球の前に立ち…… | LED電球に付け替えるデモンストレーションも行なわれた |
東芝の明かりの歴史。日本で初の電球形蛍光灯を作ったのは、実は東芝だ | 海外向けのLED電球も展示されていた |
(正藤 慶一)
2009年9月30日 18:48
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