泉精器製作所、民事再生法を申請


 家電メーカーの泉精器製作所は、8月24日付けで民事再生法の適用を長野地方裁判所に申請したと発表した。負債額は約161億円。

 泉精器製作所は、シェーバーやドライヤー、扇風機などの家電製品のほか、電設工具や建設機械を製造するメーカー。1939年に創業を開始し、現在は長野県松本市の本社を含む国内6カ所、海外5カ所に営業拠点を構えている。

 同社は2009年3月期の決算において、前年から続く世界同時不況と景気後退から約2億6千万円の経常損失を計上、債務超過状態となった。当初は取引先の金融機関を相手とする「事業再生ADR手続き」で、私的整理による有利子負債の削減を行なう予定だったが、すべての金融機関からの合意が得られなかったため、民事再生法を申請。今後は事業を通常通り継続し、スポンサーからの支援を受けながら事業再生を目指すという。同社によれば、民事再生のスポンサーに名乗りを上げる会社は既にあるとのこと。

 泉精器は2008年にはセイコーエスヤードより、理美容家電と毛玉取り器の事業譲渡を受けたが、2009年3月末にセイコー製品の販売を終了している。



(正藤 慶一)

2009年8月26日 00:00