三洋電機、玄米の甘みや粘りを引き出す高級炊飯器



匠純銅 おどり炊き ECJ-XP1000A
 三洋電機は、玄米の甘みと粘りを引き出す炊飯モードを搭載した高級炊飯器「匠純銅 おどり炊き ECJ-XP1000A」を、9月1日に発売する。希望小売価格は131,250円。

 同社の炊飯器では最高級ランクに当たる「匠純銅」シリーズの最新モデル。本製品では玄米専用の炊飯コースを設けた点が特徴。同社によれば、玄米は白米と比べ、ビタミン・ミネラル・食物繊維などの栄養素が豊富だが、独特のパサパサとした食感のため、白米のように一般食としては広がっていないという。

 そこで新たに、玄米の甘みと粘りを引き出す「匠玄米炊飯」コースを搭載した。これは、玄米の中に水を吸わせる「吸水工程」において、玄米の中に40℃の水と熱を浸透させることで、血圧降下作用があるとされるGABA(ギャバ、正式名称はγ-アミノ酪酸)の発生を促進し、1.2気圧の高圧でじっくりと加熱するというもの。これにより、玄米の内部まで熱を通して、玄米の甘みと粘りを引き出す効果がある。

 さらに、女性を中心に好まれている「玄米粥」も作れる「圧力玄米粥」コースも搭載した。従来の炊飯器での「お粥コース」では、圧力を掛けずに炊いていたが、この「圧力玄米粥」では釜内に1.2気圧をかけて調理することで、とろみと旨みのある玄米粥に仕上げられるという。

白米と玄米の栄養素の比較。玄米は栄養素が高いものの、パサパサとした食感のため、白米ほど一般食としては浸透していないという新たに「匠玄米炊飯」コースを搭載した「匠玄米炊飯」で玄米の甘みと粘りを引き出すほか、「圧力玄米粥」で、とろみと旨味のある玄米のおかゆも作れる

「NEW匠炊き」コースの概念図

 白米の炊飯モードでは、米の旨み、香りを引き出す「NEW匠炊き」モードを採用する。これは、加熱せずに米に水をやさしく吸水させた後、沸騰時には1.2気圧を掛けて米の甘みや粘りを引き出し、同時に1.0気圧に減圧して米を攪拌することで、米の1粒1粒をムラなく加熱するというもの。さらに蒸らし工程では、蒸気口に溜めた「おねば」を内釜の中に戻し、最後に再び圧力を1.2気圧から1.0気圧に可変して、ごはん表面の水分を飛ばして旨味を凝縮する。これにより、粒感を感じる炊きあがりに仕上げ、米本来の甘み・香りを引き出す効果があるという。

 なお従来機種「ECJ-XP1000」の匠炊きモードとの違いは、おねばを内釜に戻す手前で一度熟成加熱を行なっており、炊きあがりのごはんに「おこげ」のような香りを加える工程が加わっている。そのため、従来機種から甘み成分が10%向上している。

 内釜には熱伝導性能の高い純度99.9%の純銅を引き続き採用。本体庫内には、純銅の内釜を包み込む断熱構造を採用し、内釜の速熱性と熱均一性を向上。米の粒の中心まで熱を伝えられる機構とすることで、かまどで炊いたように、ハリとツヤがある、ふっくらとしたごはんに仕上げられるという。

釜には熱伝導性の高い純銅を採用本体内部には、熱を閉じ込める断熱構造としている

 下位機種として、「ECJ-XW」「ECJ-LK」「ECJ-LG」の3シリーズを8月1日に発売する。いずれも1~1.2気圧の可変圧力機能を備えているが、最上位機種のECJ-XPと比べて、ECJ-XWではバックライトホワイト液晶や音声ガイドが、ECJ-LKでは匠炊きモードが、ECJ-LGでは匠炊きモードとマルチ調理コースが省かれている。ラインナップは以下の表の通り。

品番ECJ-XP1000AECJ-XW10AECJ-XW18AECJ-LK10ECJ-LK18ECJ-LG10ECJ-LG18
炊飯容量5.5合5.5合1升5.5合1升5.5合1升
希望小売価格131,250円84,000円88,200円オープン
店頭予想価格-43,000円
前後
46,000円
前後
33,000円
前後
36,000円
前後
発売日9月1日8月1日
内釜匠純銅内釜純銅仕込み5層厚釜銅コート5層厚釜銅コート厚釜
匠炊きコース-
匠玄米コース-
全工程圧力-
アルミダイキャスト
フレーム
-
大型ホワイト液晶-
バックライト液晶-
音声ガイド-
マルチ調理コース-
本体サイズ
(幅×奥行き×高さ)
266×
335×
226mm
264×
377×
223mm
292×
404×
253mm
264×
377×
220mm
292×
404×
250mm
264×
377×
220mm
292×
404×
250mm
重量約7.1kg約6kg約7.2kg約5.6kg約6.8kg約5.3kg約6.5kg
消費電力1,300W1,200W1,350W1,200W1,350W1,200W1,350W
本体カラープレミアムホワイト
プレミアムブラウン
プレミアムシルバー
プレミアムホワイト
プレミアムブラウン
ステンレスゴールドステンレスシルバー

「ECJ-XW18A」。最上位モデルとは釜の素材が異なるほか、アルミダイキャストフレームやバックライト液晶といったパーツも省かれている匠炊きコースなどの機能が省かれた「ECJ-LK18」。低温調理ができるマルチ調理コースを備えている1~1.2気圧での炊飯機能を備えた、最もスタンダードなモデル「ECJ-LG18」




(正藤 慶一)

2009年7月13日 16:57