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シャープ、きのこアタッチメントで隅々まで温風を行き渡らせるプラズマクラスターふとん乾燥機

 シャープは、ふとんの温めや消臭乾燥、空気浄化や衣類乾燥、くつ乾燥にも使える「プラズマクラスターふとん乾燥機 UD-AF1」を10月19日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は22,000円前後(税抜)。

プラズマクラスターふとん乾燥機「UD-AF1」
操作パネル部
温風と一緒にプラズマクラスターを放出する

 きのこの傘の形状を応用したアタッチメント、ネイチャーテクノロジー「きのこアタッチメント」を採用した、布団乾燥機。同アタッチメントにより、エアバッグなどを使わず、本機の先端をふとんの中に入れるだけで、ダブルサイズのふとんの隅々まで、しっかりと温風を行き渡らせられるという。

 温風と一緒にプラズマクラスターが届けられ、ふとんや枕に付着した汗臭や加齢臭、カビ臭、おねしょ臭を消臭する。また、温風によるダニ退治に加え、プラズマクラスターが布団に残ったダニのフンや死骸の付着アレル物質の作用も抑制する。

本体からアタッチメントを引き出し、ふとんの上に置く
本体底部からのホースの長さは約1m
掛けふとんを掛けて作動させる
約30分後にはシングルサイズの隅々までが、40℃以上に温められていた

 きのこアタッチメントを本体にセットして吹出口を開けば、プラズマクラスターにより空気を浄化。部屋の生乾き臭を抑えて、衣類を乾燥させることにも使える。また、付属の靴乾燥用のアタッチメントを取り付ければ、靴やブーツの消臭乾燥をも可能にする。

 布団乾燥機としてだけでなく、くつ乾燥機や部屋の空気浄化にも活用できるため、冬限定の季節家電ではなく、一年を通して使う家電となったという。

ふとんの消臭乾燥、空気浄化や衣類乾燥、靴の消臭乾燥として一年を通して使える

 本体サイズは243×243×386mm(幅×奥行き×高さ)。重さは約4kg。適用床面積の目安は約6畳(約10m2)。定格消費電力は500W(50Hz)/510W(60Hz)。安全装置として、転倒時運転停止装置と温度過昇防止サーモスタットを搭載する。

キノコの傘の形状を応用したネイチャーテクノロジーの詳細

 今回、ふとん乾燥機用アタッチメントとして、キノコの傘の形状が応用されている。同社は、これまでも自然界の生き物から硬度な機能を学び、家電製品に応用してきた。

 同社のネイチャーテクノロジーへの取り組みについて、エアコンの室外機のプロペラファンにアホウドリの翼形状を、同じく室内機のクロスフローファンにトンボの羽根形状を、洗濯機のパルセーターにイルカの尾びれ形状を応用したなど、これまでの事例が紹介された。

ネイチャーテクノロジーの事例
高速遊泳できるイルカの尾びれと表皮しわを応用した、洗濯乾燥機のパルセータ
蝶の羽根の形状を扇風機のファンに応用
鳥の翼の形状をエアコンの室外機のファンに応用した例

 ネイチャーテクノロジーによる新技術の開発を担当する、同社の健康・環境システム事業本部 要素技術開発部の公文ゆい氏は、今回のふとん乾燥機のアタッチメントに、きのこの傘の形状を応用した、その開発経緯を次のように語った。

 「乾燥マットを使わなくても、隅々まで温風を届けられるアタッチメントを、という課題を与えられた時に、きのこを思い浮かべました。

 きのこは、胞子を遠くまで飛ばすために、2つの特徴を持っています。まず地中から出てきたキノコは落ち葉を掻き分けて傘を露出させます。さらに顔を出したキノコの傘の形状は優れた流体制御装置の役割を担っていて、揚力を発生させ、胞子を風に乗せて遠くまで飛ばすことができるのです」

健康・環境システム事業本部 要素技術開発部の公文ゆい氏
キノコの傘の形状は優れた流体制御装置の役割を担っている

 「きのこの傘を応用すれば、布団乾燥機の風を布団の中でも遠くまで届けることができると考え、内部には小さいきのこを複数個配置し、それを大きなキノコで覆う構造としました」(公文氏)

きのこの傘の形状からヒントを得て完成した、アタッチメントの構造

 完成したアタッチメントでは、まず外側の大きな傘で布団を持ち上げ、風を送り出す空間を作る。さらにアタッチメント内部の風の流路は、その面積を徐々に広げながら吹出口を絞る構造にしたという。この構造により、風の持つ成分が風を押し出す力に変換され、力強い風になるのだという。

 「きのこの傘の形状を応用することで、乾燥マットがなくても、布団の隅々にまでしっかりと、温風とプラズマクラスターを届けることを可能にしました」(公文氏)

従来アタッチメントと比較した、ふとん内での温風の伝わり方
乾燥マットなしでも温風をしっかりと届けられるようになったとする