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三菱、3色のLEDで野菜のビタミンCを増やす「朝どれ野菜室」採用の冷蔵庫

 三菱電機は、3色のLEDを照射して野菜のビタミンCを増やし、密閉性向上などで鮮度を長持ちさせる機能を備えた冷蔵庫「置けるスマート大容量」の「WXシリーズ」4機種、「JXシリーズ」3機種、「Bシリーズ」1機種を8月25日より順次販売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は27~43万円前後(税抜)。

「朝どれ野菜室」を採用した「置けるスマート大容量」新シリーズ

 WXシリーズは6ドアのセンター開きタイプで、ガラスドアを採用。容量470~700Lまでの4モデルを用意。JXシリーズは6ドアセンター開きで鋼板ドアを採用し、470~500Lの3モデル。Bシリーズは5ドア片開きタイプで、ドア材はガラスドア。455Lの1モデル展開となる。

形名タイプドア材定格
内容積
発売日店頭予想
価格
MR-WX70A6ドア
センター開き
ガラス700L8月25日43万円前後
MR-WX60A600L38万円前後
MR-WX52A517L34万円前後
MR-WX47A470L33万円前後
MR-JX60A鋼板600L9月15日34万円前後
MR-JX52A571L32万円前後
MR-JX47LA470L30万円前後
MR-B46A5ドア
片開き
ガラス455L9月20日27万円前後
置けるスマート大容量 WXシリーズ
置けるスマート大容量 JX/Bシリーズ

野菜のビタミンCを約23%アップさせる「朝どれ野菜室」を新搭載!

 「氷点下ストッカーD」「切れちゃう瞬冷凍」といった温度帯による細かい保存機能が特徴を持つ同社は、今回新たに「朝どれ野菜室」という機能を追加。日光の1日のサイクルに合わせて光合成する野菜の特性を生かし、赤・緑・青3色のLEDの光を効率的に照射して光合成を促進させ、野菜のビタミンCをLED照射なしのものと比べて約23%アップさせたという。

朝の2時間は3色点灯(赤・緑・青)。昼の10時間は2色点灯(赤・緑)。夜の12時間は消灯することで、日光の一日サイクルを再現している。
家事を楽にするため野菜室に新提案ということで、一番下に「朝どれ野菜室」を設置
LEDは野菜室の奥から光を照射する

 LED照射の条件に関しては、野菜室に野菜を敷き詰めた場合でも、光が食品に少しでも当たっていれば徐々に光合成の反応は広がっていくとのこと。光の強弱はドアにあるタッチパネルで操作可能だ。

操作はドアのタッチパネルで。設定で弱・中・強などLEDの光を調節できる

 また、LEDを照射することで葉物野菜の緑化も促すことができ、色鮮やかな野菜を食卓で楽しむことができる。ただし、これらの効果は基本的に葉物野菜での結果だそうだ。

右のキャベツがLEDを5日間照射されたもの。葉物野菜の緑化を促進することで、色が鮮やかになっているのが分かる

 同社静岡製作所・冷蔵庫営業統括部長の飯塚氏は、「野菜の鮮度に対するニーズは電気代に次いで高く、近年の健康意識の高まりから健康のために野菜消費量も増加しています。“野菜室の高機能化”に対する需要が高まっており、購入決定時には重要なポイントになると考えています」と、朝どれ野菜室を搭載した経緯を説明した。

飯塚敏之氏。「畑の環境を『朝どれ野菜室』で再現し、収穫後も野菜が光合成できる環境を作り出しました」と話す

 さらに、「朝どれ野菜室」には鮮度を保持する機構を採用。値段が安いときに野菜のまとめ買いをしても新鮮な味を楽しめるように、野菜室の下段ケースに設けた仕切りによる密閉構造と、直接冷気を当てない気流制御と葉物野菜の保存に適した低温環境、冷気の気流改善といった点を強化することで水分の蒸散を防ぎ、乾燥度を従来品の約44%抑制しているとのこと。みずみずしい野菜を長持ちさせるための工夫が凝らされている。

密閉性の向上と野菜に直接冷気を当てない気流制御で、うるおい保持能力をさらに強化
ビタミンCだけでなく、LEDを照射した野菜は糖量もアップ。保存3日目の照射しなかったものに対し、糖量が約11%アップしていた
小松菜で乾燥度を比較。ラップなしで、照射ありなしをそれぞれ7日間保存したところ、水分保持率が高かった

解凍の手間を省く2つの従来の機能も健在

 前述した従来品の機能も備えており、氷点下(約-3℃~0℃)でも食品を凍らせない状態で食べ物を保存できる「氷点下ストッカーD」は、牛ひき肉や豚ロース肉も約7日間保存でき、食品の変色を抑制。

 瞬冷凍室の設定を変えることで、食品全体を一瞬で氷結させる「切れちゃう瞬冷凍」は、約-7℃で凍らせる独自の技術を採用し、凍ったままでも肉などを包丁で切れる状態で保存できる。

チルドルームの下にある氷点下ストッカー。マイナス3℃から0℃で食品を凍らせずに保存できるので、鮮度をキープできる。解凍モードにすれば約90分後に包丁で切れる硬さに
氷点下ストッカーDで保存すると、ドリップ流出を約75%抑制させられる
製氷室(左)と瞬冷凍室(右)。瞬冷凍室は設定を変えることで「切れちゃう瞬冷凍」に。食品を一瞬で凍らせ、2~3週間保存できるので、氷点下ストッカーDや冷凍室と使い分けて、保存できる

 最後に冷蔵庫製造部・技術第一課長の大矢氏は、「LEDを照射することに対して葉物以外の野菜に影響はありますか?」という記者からの質問に対し、「根菜類で言えばじゃがいもやもやしなどが考えられると思いますけれども、2週間程度の調査では外観等に影響はないと実験で確認しております」と締めくくった。

静岡製作所・冷蔵庫製造部・技術第一課長の大矢恵司氏

 6ドアセンター開きのドア材にガラスを採用した「WXシリーズ」は、容量700L、600L、517L、470Lの4機種。クリスタルブラウン、クリスタルホワイト、クリスタルロゼの3色展開。

 容量700Lの「MR-WX70A」の本体サイズは、800×738×1,821mm(幅×奥行き×高さ)。各室の容量は、冷蔵室が378L、野菜室が134L、氷室が25L、瞬冷凍室が45L、冷凍室が118L。

 6ドアセンター開きのドア材に鋼板を採用した「JXシリーズ」は、容量600L、517L、470Lの3機種。ロイヤルウッド、ローズゴールドの2色展開。

 5ドア片開きのドア材にガラスを採用した「Bシリーズ」は、容量455Lの1機種。クリスタルピュア、クリスタルロゼの2色展開。

「WXシリーズ」は、MR-WX70A、MR-WX60A、MR-WX52A、MR-WX47Aの4機種
「JXシリーズ」はMR-JX60A、MR-JX52A、MR-JX47LAの3機種。「Bシリーズ」は、MR-B46Aの1機種のみとなる