長期レビュー

パナソニック「ルームエアコン CS-403CXR2」

パナソニック「ルームエアコン CS-403CXR2」 その2

~エアコンのスマートフォン操作は今後必須になるかも!

スマートフォンから操作できるパナソニックのルームエアコンXシリーズ

 前回に引き続き、自宅リビングに設置したパナソニック「ルームエアコン CS-403CXR2」のレポートをお伝えしたい。同モデルは2012年秋に発売された2013年度モデルのルームエアコンのXシリーズの14畳用だ。

 今回は「パナソニックスマートアプリ」により、スマートフォンからのリモート操作の設定と使い勝手についてレポートしよう。なお、設置時の無線アダプターの取り付けと基本的な使い勝手は第1回で紹介しているので、そちらを参照いただきたい。

メーカー名パナソニック
製品名エコナビ搭載エアコン「CS-403CXR2」(14畳用)
希望小売価格オープンプライス
購入場所ヨドバシカメラ
購入価格188,360円

まずはエアコンのネットワーク接続とアプリのインストール

 エアコンをスマートフォンから操作するためには、オプションの「無線アダプター」や「無線ゲートウェイ CF-TC7」を別途取り付ける必要がある。「無線アダプター CF-TA9」は業者に依頼して、取り付けたが、家庭内ネットワークに、「無線ゲートウェイ CF-TC7」の設定は購入者自らが行なう。

 とはいえ、ネットワーク設定自体はそれほど難しくはない。

 無線ゲートウェイをルーターやネットワークハブの有線LANポートに接続。また、付属の電源ケーブルも接続する。本体前面に「家電接続」というボタンがあるので、それを長押しし、無線の待機状態にしておき、エアコン側の無線アダプターの「登録」ボタンを押す。これだけで、エアコンの無線登録は完了だ。

ルーターやハブなどに取り付ける「無線ゲートウェイ CF-TC7」。LANケーブルも付属していた
無線アダプターの表面にある「登録」ボタンを押す。ボタン自体は凹んでいるので、ペン先などで押そう

 続いて、スマートフォンにアプリをインストールする。「パナソニックスマートアプリ」はAndroid用、iOS用がそれぞれ用意されている。GooglePlayやiTunesより、他のアプリと同様にダウンロードしよう。

 アプリをセットアップする前に2つの注意ある。Android版の場合、事前に「おサイフケータイ」機能の初期設定が必要となる。エアコンの操作にはおサイフケータイ機能は利用しないのだが、他のスマート連携家電もこのアプリで操作するため、初期設定が求められるようだ。

 Android、iOSともに必要なのが、CLUB Panasonicへの登録だ。アプリ画面からも新規会員登録はできるが、ブラウザに移動してWebページに各種情報を入力することになるため、事前にパソコンから登録しておくと手っ取り早い。なお、CLUB Panasonicは、パナソニック製BDレコーダーなどをネットワーク経由で操作できるDimoraなどでも利用されているため、すでに登録済みという方も少なくないだろう。

Android版はGooglePlayからダウンロードする。「Panasonic」で検索するとすぐに見つけられる
パソコンであらかじめ登録しておいたログインIDとパスワードを入力して、ログインする
ログインすると最初に、新搭載の「簡単お気に入り機能」(後述)を紹介するダイアログが表示された
「パナソニックスマートアプリ」のトップ画面

エアコンをスマートアプリに登録する

 「パナソニックスマートアプリ」にログインできたら、エアコンを登録しよう。アプリ画面の下中央にある、「機器」をタップして、新規登録を行う。炊飯器など、おサイフケータイ機能に対応している製品は、タッチで登録ができるが、エアコンは「無線で登録」を選択する。有線LANに接続した、無線ゲートウェイの背面に記載されている機器コードを設定画面に入力し、パスワードを設定。無線ゲートウェイを登録することで、連携しているエアコンも登録できる仕組みだ。

 ここまでの接続ステップは画面の指示にしたがって進めていくだけで、スムーズにできた。

「機器」ボタンを押し、「新規登録」を進める
機器登録の画面では「無線で登録」をタップ
ゲートウェイの選択画面が表示される。ここでは「ゲートウェイを新規登録」をタップ
無線ゲートウェイの背面に貼られているシールで機器コードをチェックする
機器コードを入力。そして機器パスワードも登録しよう
再びゲートウェイの選択画面に戻るため、今登録したゲートウェイを選択する
リビングのエアコンが未登録エアコンとしてリストアップされるので、「登録」をタップする
エアコンの登録名や購入日などを登録する。複数のエアコンを操作する場合、わかりやすい名称を付けたい
購入した店舗のカテゴリーも登録する必要がある
登録完了。これでスマートフォンからエアコンの操作が可能となる

スマートフォンからエアコンを操作する

 アプリのインストールとエアコンの登録が終わったら、スマートフォンからエアコンの操作が可能となる。家族で外出したとき、これから帰るぞというタイミングで、エアコンをオンにしておけば、家にたどり着いたときには、快適な部屋が待っているというわけだ。

 暑さに弱いわが家では、夏場、長時間でない外出時にはエアコンをつけっぱなしということも多かった。しかし、このスマートアプリによる遠隔操作が利用できれば、つけっぱなしにする必要がない。

 スマートフォンからの操作は非常に簡単で、アプリで運転モード、温度設定、風量、風向を設定してから、送信するという仕組みだ。

 使って見てなるほどと思ったのが、安全性を考えてのことか、リモートでは連続動作は設定できない仕組みになっていることだ。設定の送信時に運転時間を30分から120分まで選択することになる。このため、スマートフォンで起動したあと、予定が変更されて自宅に帰るのが遅くなったというときに、着けっぱなしになる心配がない。

エアコンの操作メニュー
「エコ情報」では毎月の電気代と前回使用時の電気代が表示できる。来年になれば、前年との比較もできるようになる
「使い方ガイド」はルームエアコンを使うためのマニュアル。細かな操作や困ったときのヘルプも用意している
「使い方ガイド」の「便利な使い方」では内部のお掃除やタイマー予約の仕方などをチェックでできる
「どこでもリモコン」の画面。4つの設定ボタンで設定内容を登録したうえで、設定を送信する
「運転モード」の設定。停止設定により消し忘れ対策もできる
「温度設定」では16℃から30℃まで設定できる
「風量設定」は自動や静音を含む全6段階が選べる
「風向設定」では自動を含む5段階が設定できる
「設定送信」をタップすると運転時間の選択画面を表示。動作時間を選んで再び、「設定送信」をタップする
送信した設定内容を自動表示
3秒で画面が切り替わり、エアコンから送信された運転状況を表示できる

 さらに、「パナソニックスマートアプリ」では音声による操作にも対応している。アプリ画面の上部に表示されている「マイクマーク」をタップすることで、音声操作の受付画面が表示される。そのときに「冷房オン」や「運転停止」などの対応する言葉を発生することで、音声により設定できる。

 ただし、設定ごとにマイクマークをタップする必要があるなど、実用性はまだまだ高いとは言い難い。現時点では画面をタッチして操作する方が早い。

 逆に、非常に便利だと感じたのが、使用頻度の高い設定を、「お気に入り」として登録することができる機能だ。登録したお気に入り設定は、アプリ起動時のホーム画面にアイコンを表示することが可能。そのアイコンをタップするだけで、設定が登録された状態の「どこでもリモコン」画面に移行できるのだ。

 あとは「設定送信」、「動作時間設定」、「設定送信」の手順を踏むだけだ。ワンタッチとはいかないが、スムーズに好みの設定を送信できる。ただし、この「お気に入り」設定は現在、Android用アプリのみの機能となっており、iOS用では利用できないようだ。

 改善を望むとしたら、お気に入り設定に動作時間まで入れてほしいということだ。そうすれば、お気に入りアイコンと、設定送信の2タップでリモート操作ができる。

画面操作だけでなく、音声での設定もできる。ただし、設定送信は画面タッチが必要
各種設定を登録した上で、画面右上の☆マークをタップすることで、お気に入りに登録できる
ホーム画面の右下に表示できたお気に入りアイコン。初期状態では空いているスペースに表示されるので、操作しやすい位置にドラッグで移動できる

高い基本機能にリモート操作がプラスされたモデル

 「ルームエアコン CS-403CXR2」を設置してから2週間が経った。10月に入り、寒い日、暑い日が入り乱れる気候だが、使っていて機能には概ね満足している。

 冷房の効きも非常によく、家族のいる場所をピンポイントで冷やしてくれていることをしっかり感じられた。「頭寒足熱」モードや各種センサーの搭載により、部屋を冷やしすぎることなく、涼しい風を上半身に感じることができた。

 そしてリモート操作機能により、出先からのコントロールができるのが本当に便利だ。9月中旬の取り付けとなったため、真夏のピークに利用することはできなかったが、この機能があれば、冷房を付けっぱなしで出かけることは減らせそうだ。

 スマートフォンで操作できるリモコンは、パナソニックが先行して発売したが、同様の機能を搭載したモデルも各社から登場し始めている。実際に使ってみて、エアコンのリモート操作機能は今後必須になることが実感できた。

コヤマタカヒロ