長期レビュー

パナソニック「ルームエアコン CS-403CXR2」

パナソニック「ルームエアコン CS-403CXR2」 その1

~「パナソニックスマートアプリ」によるリモート操作対応エアコンを試す!

パナソニック「エコナビ搭載エアコン CS-403CXR2」

 個人的な話になるが、9月下旬に引っ越しをした。そしてこのタイミングで多くの家電製品を見直し、リプレースしている。そんな中、最も悩んだのが、約15畳ほどのリビングに設置するエアコンだ。そこで、今回は“超個人的“なエアコン選びと、その結果選んだパナソニック「CS-403CXR2」と購入の決め手となった「パナソニックスマートアプリ」の使い勝手を2回に分けてレポートしよう。

メーカー名パナソニック
製品名エコナビ搭載エアコン「CS-403CXR2」(14畳用)
希望小売価格オープンプライス
購入場所ヨドバシカメラ
購入価格188,360円
旧居で使っていたシャープの「キレイイオン AY-Y28SV」。こちらは仕事部屋行きとなった

 以前の借家では4年前の入居時に、シャープの「キレイオンAY-Y28SV」を購入、設置していた。プラズマクラスターイオン放出機能を搭載し、フラップがワイドに開くのが特徴のモデルだ。動作音がちょっと大きいかなといった程度しか、不満はなかったのだが、残念ながら新居では部屋のサイズが異なること、そして新居のエアコン電源が200Vになっていることで、買い換えが必要となった。

エアコン選びの基本はやはり「省エネ」性能

 そこで、新しいリビングエアコンを選ぶことに。そこで候補に考えたのが、これらのモデルだ。

1.ダイキン「うるさら7 Rシリーズ」
2.三菱電機「ハイブリッド霧ヶ峰(2012年モデル)」
3.パナソニック「ネットワーク対応モデル(X、SX、Tシリーズ)」

 ダイキンの「うるさら7」は圧倒的な省エネ性能の高さで注目を集めているモデルだ。高効率の新冷媒「HFC32」を世界で初めて搭載し、APF(通年エネルギー消費効率)はダントツの「7.0」を記録している。また、ブランド名の「うるさら」の通り、除湿だけでなく、エアコンながら、加湿機能も搭載することに惹かれた。

 そして、三菱電機の「ハイブリッド霧ヶ峰ZWシリーズ」は、「エコムーブアイ」と「スマートアイ」というふたつのセンサーを搭載することによる省エネ運転と、効率の良さに惹かれた。新居ではエアコンの設置位置が、左端になり、右側に生活空間が来るため、センサーで人のいる場所をしっかりと狙ってくれる機能が役立つと考えたからだ。

ダイキン「うるさら7 Rシリーズ」
三菱電機「ハイブリッド霧ヶ峰(2012年モデル)」
パナソニックのエアコンは、スマートフォンからのリモート操作に対応する

 上記の2モデルとあわせて、検討を続け、最終的に選んだのが、パナソニックの「CS-403CXR2」だ。最大の決め手となったのが、7月より、「パナソニックスマートアプリ」によるスマートフォンからのリモート操作に正式に対応したことだ。

 このスマートフォンからの操作機能は、本来昨年8月発売モデルに搭載されるべきものだった。しかし、電気用品安全法(PSE法)や、「電気用品の技術上の基準を定める省令」に適合しないことを理由に、電源をオンにする機能のみ削除されていた。

 しかし、経済産業省のこの判断が時代錯誤だという不満やクレームも相次ぎ、同省は今年5月10日に「電気用品の技術上の基準を定める省令」を一部改正したという流れがある。

 そして無事に使えるようになった「パナソニックスマートアプリ」。以前より、短期間の外出時はリビングエアコンを付けっぱなしにすることも多く、乳幼児がいることもあり、エアコンの利用率は非常に高かった。そこで、不在時にはしっかりとエアコンの電源を落としつつ、帰宅直前にリモートで電源を入れることで、電気代の節約と帰宅時の快適さを実現できるこの機能が、購入の決め手となった。なお、購入後にXシリーズは後継モデルが、発表されている。

 また、今回はタイミングが合わなかったが、三菱電機の「霧ヶ峰 Zシリーズ」も11月発売の新モデルより、スマートフォンからの操作ができる「霧ヶ峰REMOTE」機能を搭載している。

ワイヤレスユニットや無線ゲートウェイの取り付けはプロ任せがおすすめ

 エアコンの取り付けと言えば、業者にやってもらうのが基本だ。今回ももちろん業者にお願いしたのだが、悩んだのが無線アダプターの取り付けだ。

 量販店の担当者によると、スマートフォンから操作するために必要な、無線アダプターやゲートウェイはオプションとなっており、エアコン本体に取り付ける「無線アダプター CF-TA9」は5,380円、ルーターやハブなどに取り付ける「無線ゲートウェイ CF-TC7」は8,080円の別料金がかかる。さらに、無線ゲートウェイは本体設置時に取り付けるのがベストだという。取り付けは別料金で、ヨドバシカメラでは2,100円かかった。

エアコン本体に取り付ける「無線アダプター CF-TA9」は5,380円だった
ルーターやハブなどに取り付ける「無線ゲートウェイ CF-TC7」は8,080円

 自分で取り付けようかなとも思ったのだが、引っ越しのドタバタもあったため、結局依頼することにした。そしてその選択肢は正しかった。無線アダプターは本体カバーの多くを取り外した状態で、本体内部の基板部に取り付ける必要があるのだ。このため、エアコン本体を壁に取り付けた状態での取り付けは、かなり苦労しそうだと感じた。

本体のカバーを取り外して、さらに基板カバーもとり外した所。この基板に無線アダプターを接続する
無線アダプターのコードを本体側面の電源ケーブルと合わせて沿わせていく
右上から右下へ、そして右側の端子に接続されているのが、無線アダプターのケーブルだ
無線アダプター本体は、本体カバーを取り付けた後で、側面や底面にはめておく
エアコン本体を取り付けたところ。無線アダプターは本体底部に取り付けた。ネットワーク設定時に操作するため、アクセスの高い所に取り付けておきたい

 実際、取り付けスタッフが、床にエアコンを置いた状態でさえ、無線アダプターの取り付けに四苦八苦していた。対応モデルを購入する場合は、エアコンの取り付け時に、無線アダプターも取り付けてもらうのが良さそうだ。

ピンポイントに狙ってくれる気流で快適、季節や日当たりに合わせた気温に調整

 「CS-403CXR2」を取り付けてみて、最初におっ! と感じられたのが、送風をピンポイントで狙ってくれることだ。「ひと・ものセンサー」により、人のいる部分の上半身を狙って送風し、涼しさが感じられた。

電源オフ時の本体。個性派の多い最近のエアコンの中ではシンプルなフォルム
側面から見たところ、ボディは薄めで、存在感は強くない
室外機は一般的なもの
大きな液晶画面を配置したリモコン。表面のボタン数はそれほど多くなく、細かなボタンはすべてカバー内に収納されている

 パナソニックによると「約10m先の頭ひとつ分の動きもリアルタイムで捕らえる」としているが、実際に顔を狙って冷風が吹くことが体感できるとは想像していなかった。ダイニングテーブルでの食事後なども、特に操作をしていないときに、涼しい風が届きはじめるといったシーンも経験できた。

エアコンの電源を入れると、上下風向ルーバーが開き、さらに正面パネルも上側に大きく開く
正面パネルの空いた部分に運転内容を示す表示部を用意。その右側に「ひと・ものセンサー」や「日照センサー」を搭載している
リモコンのカバーを下方向にスライドすると各種設定ボタンが登場。風向などの、詳細な動作が設定できる

 エアコン取り付け位置の対角線側の最も遠い位置にもしっかりと冷風が届いた。本体側面方向にもしっかりと気流が届けられることが実感できた。

 さらに、「快適おまかせ」機能では、冷房・暖房・除湿・冷房除湿モードを30分ごとに自動選択してくれる。9月も下旬になると、単に冷房にすると寒くなりすぎることもあるが、この「快適おまかせ」機能なら、自動的に最適な運転モードに切り替えてくれる、細かく設定することなく、快適に使えそうだ。

 次回は、決め手となったスマートフォン連携機能を中心に、さまざまな機能を使いこなした結果をレポートする。

コヤマタカヒロ