パナソニック、スマホで外出先からも遠隔操作できるエアコン

~新開発「ムービングフラップ」で頭寒足熱の空調が可能に

 パナソニックは、スマートフォンで外出先から遠隔操作できるエアコン「Xシリーズ」を、10月19日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は21~34万円前後。冷房能力が4kWの「CS-X403C」の店頭予想価格は27万円前後。

【追記】こちらの製品については、リリース後に仕様が変更されました。詳しくはパナソニックのホームページをご確認ください。


iPhoneなどスマートフォンで遠隔操作が可能。帰宅前に部屋を涼しく/暖かくすることも

 同社のエアコンでは最上位モデルに当たるエアコンで、AndroidやiPhoneなどスマートフォンから操作できる点が特徴。パナソニックの白物家電用アプリケーション「パナソニックスマートアプリ」を使うことで、帰宅前に運転をONにして予め部屋を空調したり、切り忘れた際に運転をOFFにするなどの遠隔操作ができる。また、自室以外のエアコンの操作もできる。

パナソニックの白物家電用アプリケーション「パナソニックスマートアプリ」を使うことで、外出先からエアコンが操作できる。帰宅前に部屋を空調しておくことも可能エアコンを消し忘れた際は、アプリでOFFにできる子供部屋など、他の部屋の温度調節にも使用できる

 アプリではまた、さまざまな機能が利用可能。今月と先月の電気代や、昨年の電気代とグラフで比較表示する「エコ情報」、1カ月先までスケジュールに合わせたタイマー予約ができる「カレンダー予約」、最大電流値の制限を3段階で設定し、電力ピーク時の電力を抑える「パワーセーブ セレクト」、設定した2つの温度の範囲で室温をキープする「ダブル温度設定」といった機能が利用できる。また、エアコンの操作方法を表示する「使い方ガイド」も備えている。

アプリのエアコン操作画面。設定温度のほか、風量は風向も変更できる。付属の赤外線リモコンとほぼ同じ操作ができるという電気代の目安をグラフ化することもできる電力ピーク時の電力を抑える「パワーセーブ セレクト」機能。50/75/85%から選択可能
「ダブル温度設定」は、予め設定した温度を超えると冷房、下回ると暖房運転を行なうモード日付毎のタイマー機能も備える

 なお、スマートフォンとの連携には、スマートフォンとアプリのほか、別売りの無線アダプター「CF-TA9」と無線ゲートウェイ「CF-TC7」、ブロードバンドルーターが必要となる。店頭予想価格は「CF-TA9」が6,000円前後、「CF-TC7」が9,000円前後。アプリのダウンロードは無料。サービスの利用には、パナソニックの会員サイト「クラブパナソニック」への無料会員登録が必要となる。

エアコンのスマホ操作に必要となる、別売りの無線ゲートウェイ「CF-TC7」別売りの無線アダプター「CF-TA9」

新開発「ムービングフラップ」で“頭寒足熱”しながら節電

 エアコン本体の機能では、室内機の風の吹き出し口に「ムービングフラップ」という機構を搭載した。これは、同社独自のセンサー「エコナビ」が人の活動量を見張り、それに合わせてフラップの間隔を動かして、人の周囲の上下に温度差を付けることで、“頭寒足熱”の理想的な空調の実現を狙うというもの。

 例えば暖房時の場合は、アイロンがけなど活動量が多い場合は、フラップの間隔を狭くして、上下の温度差を小さくする。一方、テレビ鑑賞などで活動量が小さい場合は、フラップの間隔を広くすることで、上半身に比べて足元付近の温度が高めになるよう温風を送る。従来モデルでは、足元の温度は頭付近と比べて約4℃高かったが(頭部24℃、足元28℃)、今回は6℃高くなったという(頭部24℃、足元30℃)。

 これにより、無駄に設定温度を挙げずに暖房感がアップできるため、快適性の高い節電運転が可能になったという。

“頭寒足熱”の理想的な空調の実現を狙う「ムービングフラップ」を新たに搭載したムービングフラップを搭載した新製品と従来品との吹き出し口の比較新モデルでは、吹き出し口の下側にフラップが搭載されている
人の活動量が少ない場合は、フラップの間隔を広くして、足元に暖気が届くようにする。活動量が多い場合は、上下に暖気の差が出ないよう、間隔を狭める【活動量が多い場合】
頭部と足元の温度差は少ない
【活動量が少ない場合】
足元に暖気が届くよう風を送る

 さらに、2010年モデルから搭載されている「エネチャージシステム」も継承。同システムでは、これまでは室外機から大気中に排出していた熱を蓄熱ユニットに蓄え、暖房エネルギーとして有効活用するもので、霜取り運転中にも暖房運転を維持したり、暖房スタート時に約50℃の高温風を吹き出すなどのメリットがある。

 なお、今回発売された「スマート家電」シリーズのほとんどはAndroid端末専用だが、iPhoneで操作できるのはエアコンXシリーズのみとなる。また、別売りの無線アダプター、無線ゲートウェイは、エアコンの設置時のほか、購入後の追加工事にも対応しており、5~10分程度の簡単な工事で済むという。

 CS-X403Cの室内機サイズは798×287×295mm(幅×奥行き×高さ)で、室外機は799×299×619mm(同)。

エコナビのセンサーは、緑色のエコナビランプの左側に備えられている。室内機本体からは見えない付属の赤外線リモコン室外機の無駄な排熱を暖房に再利用する「エネチャージシステム」も引き続き搭載する





(正藤 慶一)

2012年8月21日 15:11