長期レビュー

三洋電機「加湿空気清浄機 ABC-VWK14B」 その2

~脱臭効果の強さと超静音運転が魅力的
by スタパ齋藤

 
「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)



三洋電機「加湿空気清浄機 ABC-VWK14B」

 三洋電機の「加湿空気清浄機 ABC-VWK14B」長期レビュー第2回目。今回は、試用を開始してから半月程度経過しての印象を書いてみたい。なお、第1回目のレポートはこちら

 前回の原稿後半で「肝心の空気清浄効果だが、ホコリとかの吸着ってよりも、ニオイをよく取り除いてくれる加湿空気清浄という印象だ」と書いたが、半月程度使ったら印象が変わってきた。フツーにホコリも減らしてくれる感じですな、この加湿空気清浄機。

 たとえば、加湿空気清浄運転の「おまかせ」モードにしておくと、室内の湿度を約50%に保つ加湿運転+ウイルスウォッシャーとフィルターによる空気清浄運転を続けてくれる(湿度が55%を超えると加湿を一時停止)。

 この季節、拙宅仕事場の湿度は40%かそれ以下に下がりがちだが、ココでこの加湿空気清浄機を使っていると、まあだいたい、中くらいの風量で運転しつづける感じ。で、この状態で使っていると、部屋のホコリが減りますな。たとえばディスプレイの表面や額縁エッジに付着しがちなホコリが目に見えて減る。机上に置きっぱなしのケータイの液晶ディスプレイに付着するホコリも減ったように思う。

 空気清浄しつつ加湿もしているので、ホコリが減りつつ静電気による家電などへのホコリ付着が減ったというのもあると思う。ともあれ、湿度が適度に保たれ、気になるホコリも減ったので満足している。

本体前面下方に水タンクをセットする部分がある。加湿空気清浄運転時にはもちろん、空気清浄運転のみする場合でも給水が必要。本機のウイルスウォッシャー機能(空気清浄のための一機能)は常時働き、その動作に水が要るからだ容易に取り外せる水タンク。小型で扱いやすい。入れられる水の容量は約2.5Lとなっている本体裏面のパネルを外すと、気化式の加湿機構が現れる。輪っかの部分が回って加湿するわけですな。本体側にはウィルスウォッシャーに関わる機構が備わっている

 ただ、よりパワフルな空気清浄(というかホコリ軽減!?)機能を持つ空気清浄機と比べると若干物足りないってのも正直なところ。たとえば、ちょっと方向性が違う機種だが、シャープ「加湿空気清浄機 KC-Y80」と比べた場合。

 シャープKC-Y80は、部屋の空気の汚れを感知して空気を循環させるときには、けっこーな風量で一気に空気清浄を行なうという印象だった。かなり風量があるんですよ。で、その風量により、たとえば照明器具の上(傘)にたまったホコリも舞わせちゃったりする。そのくらい空気を攪拌するので、使い続けると部屋にあったホコリが減っている(もしくは移動している)のがよくわかった。

 が、この三洋電機ABC-VWK14Bは、そこまでホコリに効果があるという印象ではない。また、この機種の場合、センサーとしては「においセンサー」と「湿度・温度センサー」と「光センサー」があるだけで、ホコリを感知するセンサーを搭載していないようだ。それと、吸気部が本体やや上方の左右にあるあたり、床に舞うホコリを吸着とかってコトにもあまり躍起になってない感じ?

 恐らくメーカー毎の考え方の違いなんでしょうな。三洋電機ABC-VWK14Bの場合、拙者の想像ですけど、空気中のウィルスやニオイなどを除去しつつ加湿、という方向性を重視した製品なんだと思う。

 ユーザーとしてはもちろんホコリもキッチリと取って欲しいんだが、そーんなにはホコリのコトを気にしてない本機。しかし、それでもこの機種独特の魅力を感じる。それは脱臭効果が強めであること。

 話が逸れるが、拙者、最近、本物のタバコを全然吸ってないんですよ。電子タバコを使い始めてからなんだが、電子タバコに言及するとさらに話が逸れちゃうので元に戻すと、禁煙状態。だからか、タバコ吸ってた頃よりずいぶんと臭覚が敏感になった気がする。ちょっとのニオイでもニャニャッと察知&反応。

 ニオイにウルサいオヤジと化しているわけだが、そういうヤツから見てもこの空気清浄機はニオイをビシッとなくしてくれるように思う。たとえば、お客様が数人いらしてお茶やお菓子出したり、あるいは客人の誰かがタバコ吸うとか強めの香水付けてたりすると、その後、部屋に何らかのニオイが残るじゃないスか。

 でも、この空気清浄機が動いていると、そーゆー“残り香”が非常に少ない。また、客人が帰られた後、2~3時間もすると、その部屋にはほとんど残り香がない感じ。空気清浄機の運転モードをとくに変更しなくても、である。ちなみに、拙者、いつもは空気清浄運転の静音モードで使用中。非常に静かなので。そして、空気が乾いた感じがしたら加湿空気清浄運転のおまかせモード、みたいな。

 ともあれ、そのような感じでシッカリと消臭してくれるあたり、この機種の大きな魅力となっている。それからもう1つ。静音運転が得意ということ。

 上記のように、加湿の必要性を感じないときは専ら空気清浄運転で使っている拙者。空気清浄運転モードには[エコ自動]、[花粉]、[静音]、[急速]があるが、このうち[静音]と[エコ自動]の静穏性が非常に優れていると感じる。

本機の操作パネル。一望すればだいたい操作法がわかるような平易なインターフェースになっている。拙者は専ら空気清浄運転の[静音]と[エコ自動]モードを使用中

 空気清浄運転の[静音]と[エコ自動]だが、まず[静音]が文字通り静かに運転するモード。仕事中とか勉強中とかテレビ中とかでも、この運転モードならほとんど騒音が気にならない。現在、本機を真横約30cmの距離に置いて[静音]で動かしつつこの原稿を書いているが、ときどき内部のポンプ(!?)かなにかが動く音がする程度で、非常に静かに動作しており、原稿書きに集中できている。

 それから[エコ自動]はもっと強力……というか静か。上記の[静音]モードは連続運転だが、[エコ自動]は部屋の空気の状態によっては完全に無音になったりする(つまり吸排気を行なわない状態になったりする)。停止状態。部屋の空気を攪拌するために、1時間に1度、運転を再開するものの、それでも部屋の空気がキレイならまた無音状態。極限的に静かと言えよう。

 てコトで、この機種の脱臭効果の強さと静音運転が非常に気に入っている。またこの季節、加湿の必要性もあるので、ま、ホコリ方面の性能はそーんなに高くないとは言っても、実質、必要になる機能・性能はしっかり持っているという印象だ。引き続き、さらに使い込み、次回は全体的な使い勝手などを中心にレポートしたい。次回もご愛読よろしくお願いいたします~。



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2010年2月15日 00:00