長期レビュー
三洋電機「加湿空気清浄機 ABC-VWK14B」 その1
三洋電機「加湿空気清浄機 ABC-VWK14B」 |
家電Watch編集部から「貴様は空気清浄野郎であり各社の空気清浄機を試しているから三洋電機のも試してみなはれ」っぽいメールとともに、「加湿空気清浄機 ABC-VWK14B」が送られてきた。
メーカー | 三洋電機 |
製品名 | 加湿空気清浄機 ABC-VWK14B |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 18,430円 |
あ、コレ、ウイルスウォッシャーのやつでしょ!? 初めてかもウイルスウォッシャー!! てなわけで好奇心とともにこの加湿空気清浄機の長期レビューを始めてみる。
この製品、名前のとおり加湿と空気清浄の両機能を持つ。加湿方式は気化式で、空気清浄方式はフィルターおよびウイルスウォッシャー機能によるものだ。対応床面積(の目安)は14畳程度まで(木造和室に対する加湿の場合は8.5畳まで)となっている。
ウイルスウォッシャー機能/技術の詳細は三洋電機のウェブサイトにあるが、要は、水道水を電気分解してOHラジカルや次亜塩素酸を発生/放出させ、空気中に漂うウイルスや菌を抑制するというもの。ノロウィルスや鳥インフルエンザウィルスを抑制できるほか、新型インフルエンザウィルスを99.9%抑制することも実証された。
ちなみに、他社のイオン方面な空気清浄&ウィルス抑制関係技術は空気中の水分をアレコレして効果を得るタイプ。一方、このウイルスウォッシャー機能は“タンク内にためた水道水を電気分解した電解水から効果を得る”という点で、他社の技術とは一線を画しているのだそうだ。つまり、部屋の空気の状態(湿度など)に関わらず、いつでも安定した効果が期待できるってことらしい。
実際の効果については追々体感していくとして、まずはこの製品の外観から。初見、コンパクトでシンプル。出しゃばらないデザインが好印象であった。
加湿空気清浄機ABC-VWK14Bを真正面から見たところ。直線的で非常にスッキリしたデザインだ | 真横から。サイズは幅405×奥行き205×高さ548mm。加湿空気清浄機としては薄型の部類ですな | 真後ろから。背面には吸排気口などがないので、壁にグッと近づけて設置できそうだ |
吸気口は本体前方左右にある | 排気口は本体後部上面にある。真上に空気を吹き出す感じですな | 本体側面後方には空気を横に吹き出す排気部がある |
この加湿空気清浄機のサイズは405×205×548mm(幅×奥行き×高さ)。とくに奥行きが薄く、背面には吸排気に関わる穴がないので、物理的には壁にピッタリと背を付けても機能する。もちろん、ソレだと壁に結露する場合があるなど問題が出るので、説明書には「背面は壁から20cm以上離して本体左右も30cm以上の空間を取って設置せよ」とある。
でも、ぶっちゃけ、拙者なら背面を壁から3~5cm離すか、もしくはピッタリ付けて設置しちゃうだろうなぁ、みたいな。もちろん自己責任だが、そうするとこの加湿空気清浄の“薄さ”が際立つ。今時的加湿空気清浄にはなかなかない薄さなので、良さをしっかり享受しつつ設置したいニャ~、と。
ともかく、この薄さ、それから前面吸気で上方排気という作りは、設置の自由度に直結していると思う。シンプルでアクのないデザインと相まって、まずは非常に導入しやすい機種という印象を得た。
ちなみに本体重量は約8.2kg。水タンク容量が約2.5Lなので、満タンに注水すると全体で約10.7kgとなる。加湿空気清浄機としては、まあ平均的な重量だと思うが、本体上部左右にある取っ手が深めなことと本体の薄さから、移動は容易に感じた。なお、本体底部にキャスターなどはない。
この加湿空気清浄を使うには、まず注水が必要になる。加湿のために水が必要だが、空気清浄運転のみを行なう場合でも水が要る。というのは、前述のとおりウイルスウォッシャー機能を備えた製品───空気中のウィルスなどを抑制するために水道水が必要になるからだ。
加湿空気清浄機 ABC-VWK14Bはウイルスウォッシャー機能搭載製品。この機能には水道水が必須なのだ | 本体前面下部に水道水を入れるタンクが備わっている | タンクを外して裏返しにした状態。コンパクトで薄いタンクだが、容量は約2.5Lある |
本体背面にはナニもナイ……ようだが、メンテナンス時はココを開く | フタを開いた状態。中央にある機構がウイルスウォッシャー機能の中核らしい | フタの内側には気化式の加湿機構がある。メンテ時はこれらパーツを洗うなどする |
てな感じで、上の写真の水タンクにいつも水道水を入れた状態で使うことになる。加湿機能はたまにしか使わないという場合でも、常にこのタンクに水道水を入れておく必要があるわけですな。
さて、フィルターのセットやタンクへの注水が済んだら、あとは電源オンするだけ。だが、いくつか運転モードがあるのでザッと見ていこう。
操作部は本体上部に集まっている | 操作パネルはこんな感じ。ボタンは6個のみ |
上の写真のように、操作パネルは本体上面にある。ボタン類は電源ボタンを含めて6個。一部を除いてわかりにくい表記などもなく、このテの製品を使ったことがあれば説明書を見なくてもだいたい使いこなせそうだ。
運転モードは、大分して2種類あり、空気清浄をしつつ加湿も行なう加湿空気清浄運転と、空気清浄のみを行なう空気清浄運転となる。
加湿空気清浄運転は、自動運転3モードと手動運転モード(強)がある。
自動運転では湿度が50%(おまかせ)や60%(しっとり)に保たれるモードのほか、湿度50%を保ちつつ部屋が暗くなると静音運転に切り替えるモード(おやすみ)もある。
手動運転モード(強)は連続的に加湿するモードだが、湿度が約80%を超えると加湿を一時停止する。これら各モードでは、空気清浄運転も同時に行なわれる。
空気清浄運転ではエコ自動と呼ばれる自動運転モードと、花粉/静音/急速といった3種類の手動運転モードがある。
操作パネルの機能説明(ABC-VWK14B説明書より抜粋) |
手動運転モードの[花粉]は、20分間の標準風量と40分間の静音風量運転を繰り返す。標準風量の騒音は、本体が自分から2m以内にあるとちょっとウルサめ、と感じるくらい。静音風量は本体が自分の真横にあっても気にならない程度静かだ。
手動運転モードの[急速]や[静音]は一定の風量で連続的に空気清浄運転をするというもの。[急速]はかなりウルサめ。[静音](静音風量運転)は前述のとおりかなり静か。
ユニークなのが手動運転モードの[エコ自動]。基本的には、においセンサーで感知した部屋の空気の汚れ具合に応じて自動的に風量を切り替えて運転する。さらに光センサーで部屋の明るさも検知し、部屋が暗くなると(恐らくユーザーが就寝したと判断して)風量をグッと抑えたりも。また室内の空気が十分キレイになると、送風が完全に止まる。ので、静音運転以上に静かだったりエコだったりする。
そのほか、パワーウォッシュ運転は除菌電解水ミストを含んだ空気を多量に放出して部屋の空気をキレイにするモード。ただ、加湿空気清浄(強)運転と同様にウルサい。それから、切タイマーは2時間もしくは4時間後に運転を停止させるボタンで、チャイルドロックはボタン操作を無効にする「こどもなどのイタズラ防止」ですな。
操作に関して細々と書いたが、基本、カンタンっス。加湿しつつの空気清浄か、空気清浄のみかを選び、あとは風量調整というイメージ。多くのユーザーは[おまかせ]や[エコ自動]で使えば用が足りるだろう。
てな感じで、設置の自由度の高さ、シンプルな佇まい、それから平易な操作感を持つ加湿空気清浄機 ABC-VWK14B。1週間程度使った大雑把な印象を書くと、だいたいいつも静かに機能していることが1つ。それから無駄な曲面がないからか、置いてあっても邪魔という印象があまりない。
そして肝心の空気清浄効果だが、ホコリとかの吸着ってよりも、ニオイをよく取り除いてくれる加湿空気清浄という印象だ。まだ使い始めて日が浅いため何とも言えないが、空中を舞うホコリとかをサクッと取り除きたいなら、他にもっと大風量で効率的にホコリ除去をしてくれる製品があるように思う。
ともあれ、今後さらに使い続け、レポートしていく。次回以降、加湿空気清浄機 ABC-VWK14Bから得られる効果や印象などを細かくお伝えしたいと思いますんで、引き続きご愛読をよろしくお願いいたします~。
2010年2月8日 00:00
「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)