【LED Next Stage 2012】
透過タイプやペンダントライトなど、有機EL照明のプロトタイプ

 総合見本市「JAPAN SHOP 2012」の一環として、LED照明の展示会「LED Next Stage」が、6日、東京ビッグサイトで開幕した。会期は9日までの4日間。入場料は1,500円で、Webサイトの事前登録で無料となる。

 当記事では、会場にて展示されていた有機EL照明を紹介する。


 LEDに次ぐ光源として注目されている「有機EL照明」は、面発光や目にやさしい光、薄くて軽い点などが特徴となる。実際に製品化されているものは少ないが、試作品がいくつかのブースで展示されていた。

 もっとも有機EL照明に力を入れていたのが、「LIFEEL(ライフィール)」という有機EL照明専門のブランドを持つNECライティング。光源の試作品として展示していた、透明の有機ELパネルの試作品が注目を集めていた。

NECライティングが公開した、透明の有機ELパネルパネルは発光しているが、パネルの向こうにある「LIFEEL」のロゴが確認できる

 一般的な有機EL照明は、パネル表面が発光するため、パネルの向こう側は見えない。しかし、この透明の有機EL照明では、パネルの向こうにある「LIFEEL」のロゴが確認できる。しかも、透明のパネルも発光しているのがわかる。ブースの係員によると、窓ガラスなどへの使用を想定しているとのことだ。

 ブースでは、インテリア照明としての活用法も試作品で展示。有機ELパネルをクリップで挟んだようなデザインのスタンドライトや、曲がるフレームに有機ELパネルをはめ込んだ、遊び心のある器具もあった。

NECのブースで公開されていた、有機EL照明を用いたインテリア照明。写真は、クリップで有機ELをハサンだようなデザインの器具こちらもクリップで挟んだようなデザインだが、スタンドはなく、パネルをそのままテーブルの上に乗せるデザインとなっている曲がったフレームに有機EL照明のパネルを挟む、遊び心のあるデザインの器具も

 東芝のブースでも、有機EL照明の照明器具を展示。まず目に付いたのが、有機ELパネルを組み込んだペンダントライトだ。有機ELのほかLEDも組み込まれており、有機ELは部屋全体を照らすやさしい光、LEDは食卓を直線的に照らすように、特性に応じて使い分けられる。

 また、東日本大震災の被災地避難所向けに提供された、持ち運びできる有機EL照明も公開された。いずれも参考出品となる

東芝のブースで公開されていた、有機EL照明のペンダントライト中央にはLEDも搭載されており、有機ELの柔らかい光とLEDの直線的な光を混ぜた“ハイブリッド”照明となる「持ち運びできる有機EL照明」は、東日本大震災の被災地向けに配布されたもの

 パナソニックのブースでは、グラスを底から照らす明かりや、四角のフレームに取り付けて照射方向が変えられる、店舗用途を想定した照明器具を展示していた。また、有機ELパネルに色付きのフィルターを取り付けることで、カラフルさまざまな色合いを表現する展示もあった。

パナソニックのブースで公開されていた、店舗向けの有機EL照明の試作品四角のフレームにはめこまれた有機ELパネル。照射方向を変えることができるテーブルにはグラスを底から照らす有機EL照明があった
カラフルな有機ELも用意されていた青い有機ELパネル。色付きのフィルターに通すことで、さまざまな色を演出している

 会場のさまざまな展示は、有機ELの可能性を感じさせてくれた。ただし、実際に製品化が予定されたものはなく、照明器具としての有機ELの普及はもう少し先になりそうだ。






(本誌:正藤 慶一)

2012年3月7日 00:00