やじうま大掃除ウィーク

掃除のプロに聞く!! 今年はプロ技を駆使した大掃除で家中スッキリ

 いよいよ12月になり、年末の足音も聞こえ始めてきた。年末の一大行事といえば、やっぱり大掃除。ふだん忙しくて、なかなか掃除ができない人こそ、たまった汚れをまとめて落としたい、と思っているのではないだろうか。

 せっかく掃除するなら、きれいに、かつ効率よく掃除したいものだが、実際に掃除を始めると、「この汚れはどうやって落としたらいいの?」「こびりついたあの汚れ、もう落ちないのかしら」とさまざまな壁にぶつかることも多い。

やじうま大掃除ウィークスタート!!

 そこで今週の家電Watchは「やじうま大掃除ウィーク」と題して、オススメの掃除方法を紹介していく。今年は“プロ仕様の大掃除”をテーマに、掃除のプロに大掃除のコツを聞いて実践した。

・1日目:掃除のコツ編
・2日目:窓まわり編
・3日目:洗面所編
・4日目:キッチン編
・5日目:浴室編

 1日目の今回は、まず掃除のコツについて、日本ハウスクリーニング協会理事の髙橋敬子さんに話を聞いた。

髙橋敬子さん
髙橋敬子さん

NPO法人日本ハウスクリーニング協会理事、一般社団法人日本家事代行協会代表理事ほか。1995年に掃除業界で起業し、日本ハウスクリーニング協会を設立。「お掃除を通じて女性がイキイキ輝く社会に貢献する」をモットーに、働く女性の支援と働く場の提供に尽力する。全国で講演活動を行なうほか、メディア出演、雑誌監修も多数。

【NPO法人ハウスクリーニング協会】
ハウスクリーニングを通じ地域の福祉に寄与することを目的に設立。ハウスクリーニングの指導と育成および、ハウスクリーニングの普及と啓発を中心とした活動を行なっている。

大掃除はプロ4~5人でも丸一日かかる大仕事!! 今から計画的に"ついで掃除″を

日本ハウスクリーニング協会を立ち上げ、お掃除のプロ育成に励む髙橋さん

 具体的なノウハウを教えていただく前に、近年の大掃除の傾向についてお聞きした。やはり年末が近づくと大掃除を意識して依頼してくる人も多いのだろうか。

 「明らかに増えますね。最近は共働きの家庭も多く、大掃除といっても、なかなかやる時間がないのだと思います。ただし1日でまとめてやろうと思うと、とっても大変。私たちでも本格掃除の依頼だと、4~5人がかりで丸1日かかることもありますから、かなりの大仕事になります」

 プロ集団の手でも丸一日!やはり本気でやろうと思うと、それだけ大変なことだということだ。そんな大変な大仕事を一般家庭でやろうとしているのだから、考えただけで気が遠くなる。そこで高橋さんに、どうしたらいいかアドバイスをいただいた。

 「まず家族総出で行なう大掃除の日を決めましょう。それで、それまでは1日15分、水まわりを掃除し始めるといいですよ。カレンダーを作って、例えば今週はキッチンまわり、来週は浴室、再来週はトイレ・洗面室、といった感じです」

クリスマスまでに終わらせたいので、前日の休日を大掃除として……ちょっと日数が足りないが、こんな感じで計画してみた

 なるほど、この方法なら1日15分でも、土日を除く5日間行なえば75分、掃除をしたことになる。こうして水回り掃除を終わらせておけば、大掃除当日は、家族で力を合わせて掃除したい窓ふきや物を動かしての大掃除に時間を割けるというわけだ。

 また髙橋さんによると、計画を立てても「掃除しなきゃ!」と気負わないのが毎日続けられるコツだという。「例えばお風呂から出るついでにカビ取りしたり、食器を洗ったついでに壁も拭くなど、家事のついでにやれば大変だと感じないと思いますよ」

基本の洗剤は、重曹、クエン酸、酸素系漂白剤の3つ

 エコ掃除を実践しているハウスクリーニング協会で使っているのは、オリジナルのエコ洗剤だが、家庭では、天然成分できた重曹、クエン酸、酸素系漂白剤の3つがあれば、ほとんどの汚れは落とせるという。以下、それぞれの特徴を紹介する。

重曹
重曹

特徴……弱アルカリ性で、油汚れなど酸性の汚れを落とす
作用……汚れを吸着、脱臭作用、研磨作用

 重曹は洗剤代わりにさまざまな場所で使える。重曹を水に溶かした重曹水をスプレーしたり、ペースト状にして塗りつけたり、使い方はいろいろ。白っぽく残ってしまうので、使用後は濡れ雑巾でよくふき取る必要がある。またアルミ素材は黒ずむので、使用しないこと。

重曹水:小さじ2に対し、水200ml
重曹ペースト:重曹大さじ3に対し、水大さじ1

クエン酸
クエン酸

特徴……酸性で、水アカや石鹸カスなどのアルカリ性の汚れを中和する
作用……アルカリ性の汚れやニオイを中和、水アカ落とし、水中のカルシウム由来の白いこびりつきの溶解

 クエン酸は、主に水回りの汚れ落としに活躍する。特に、水道水の中のカルシウムが固まったうろこ状の白い汚れを落とすには、クエン酸が威力を発揮してくれる。クエン酸水にして使うことが多い。

 注意事項として、塩素性の洗剤と一緒に使うと有毒ガスが発生するほか、大理石や鉄はツヤが消えてしまうので使用しないこと。また酸が強いため、ステンレスなどの金属に使う場合は、使用後きちんと水拭きをする。

クエン酸水:クエン酸小さじ1、水200ml

酸素系漂白剤
酸素系漂白剤

特徴……水まわりの掃除や洗濯に使える。塩素系漂白剤に比べて刺激が少ない。
作用:カビ汚れやシミを落とす漂白作用、ニオイ菌を除去する除菌・消臭作用

刺激の少ない漂白剤。注意事項として、水洗いできない素材には使用しないこと。

セスキ炭酸ソーダ

 基本は上記3つだが、重曹より汚れ落ちがいいと注目のエコ洗剤もある。それが、重曹と炭酸ナトリウムの複塩である「セスキ炭酸ソーダ」だ。重曹、クエン酸同様、水に溶かして使用するもので、重曹の10倍のパワーがあるという。そこで今回の実践編では、主に市販のセスキ炭酸ソーダ水を使用した。

セスキ炭酸ソーダ

セスキ炭酸ソーダ水:セスキ炭酸ソーダ小さじ1~2、水500ml

 また掃除する場所に合わせた道具選びも重要だ。今回、編集部スタッフも掃除する場所に適した道具を使い分けたが、高橋さんらプロがふだん愛用している道具の一部を見せていただいた。

左から、(1)両端がブラシになっている2WAYブラシ。すき間の大きさや形に合わせて使い分けられる(2)Jブラシ。先端がJ型になっていて、隅の汚れがしっかりかき出せる(3)クリーンメッシュ。掃除のプロが使うシートで、陶器などにこびりついた汚れが落とせるという(4)金網付きスポンジ。表面の金網が汚れを削り落としてくれるので、ガンコな汚れ落としに便利(5)メラミンスポンジ。こちらもこびりついた汚れに活躍する

 以上を踏まえたうえで高橋さんには、窓まわり、洗面室、キッチン、浴室の掃除のコツを教えていただいた。このノウハウをもとに明日から4日間、編集部スタッフが実践した様子をご紹介する。果たしてどれだけきれいになったのか……お楽しみに!

窓や網戸掃除、こうやると簡単でした!
よく見るとホコリだらけなすき間の汚れはどうやって掃除する?

田中 真紀子